ヒナの国造り

第１６章・ステラガーデン編

ラビリンシングタウンの歴史とグリーンウッドフィールドの国破壊②

　その点で言えば城刀を狙った戦いはラビリンシングタウンをはじめとする世界の破壊とグリーンウッドフィールドの死刑行為は何ら変わらずシャトー達はむしろ世界の崩壊を防ぎ、城刀を護るためにやむ得ず戦うしかなかったのだ。


　「なので父祖のシャトーは戦いは好まねどやむを得ずであったのです。そして命を落とした無念を我々子孫が先の時代へと汲み取って繋いでいかないといけません。そして……」


　橿原が何か言おうとしていたのに竜太は気づいたようである。


　「そして……？」


　「手にいれた情報によると他人事とは思えないアラドシティ問題を起こしたグリーンウッドフィールド氏とニャシャ氏は実は……お……」


　「あんた達……グリーンウッドフィールド様の邪魔をしようとしているのかしら？」


　「誰だっ！？」


　竜太達が振り向くとそこには若い女が乗車していたのである。顔はにやつき、旗を持っており“緑”の文字がかかれていたのである。竜太は怒り口調で女に言った。


　「あんたは……誰だっ！！」


　「あたし？あたしは小伊霊こいれ龍子りゅうこだよ。あんた達は反逆者だ……ここで潰すわ。」


　すると竜太は不快な表情で小伊霊に言ったのである。


　「醜みにくいなあ……」


　「私のどこが醜いのよ！？私は皆からいい女性だと評されているのよ！？何が醜いのよ！！」


　「顔の話じゃねえ……心が醜いってんだ……口調といい思想といい……な！！俺となんか同じ臭いがするんや。汚れた心を持った臭いがな！！顔で人など判断するかい。」


　「…………くっ！！言いたい放題言いやがって！！かかってこい！！倒してやるわ！！」


　「戦ってやる。(あまり女とは戦いたくねえが……)ここであんたをたお……」


　するとベアトリクスが竜太を制止したのである。


　「あんた……なんで？」


　「女の人に剣をあまり向けたくないでしょ？顔に出ていますよ。」


　「……だがそれだけではいけないが……」


　「私もこの人から不快なオーラが出ているのが分かります。必ず私が倒して見せます。クライドさん……ちょっと向こうの何もない場所で停車してください。」


　「了解！！」


　クライドはディーゼルを停車させると二人は降りて戦いを始めようとしていたのである。ベアトリクスは隠し持っていた剣を取り出して小伊霊も隠し持っていた剣を取り出したのである。


　「あんた……少し気品があるようね。いったい何者かしら？」


　「私は未来から来ましてね……皇帝一族の落裔なのよ。」


　「あーら、そうなの？私は代々闇社会のドンの一族なのよ。同じ一族でも違うわね。」


　「だから“ドン”のオーラも出ていた訳ですね……分かります。必ずそんな危険なあなたを倒して見せます。」


　「王女であろうとグリーンウッドフィールド様に逆らう者はこの世に必要のない反逆者よっ！！」


　「必要ないのはどちらかしら……？」


　「ふっ、生意気なお姫様ね……」


　二人は剣を構えて戦いは始まったのである。竜太は二人の姿を見つめながらベアトリクスを心配していたのであった。