ヒナの国造り

第１６章・ステラガーデン編

悪夢の来訪②

　再びの心理戦でヒナは何の質問して相手からヒロや正成に関する話題を出させないようにしようか考えていたのであった。


　「…………んー、あれだ。」


　「あれって何だ？」


　「いや……突然連日大雨が降った時のことを思い出しまして……(やばい！！)」


　ヒナは少し裏をつかれそうな呟きをしてしまい、ごまかそうとした。そのとき、ラビリンシングタウンにいた時に連日降る大雨(最後は松浦によって消された雨雲の一件)のことを思い出したのであった。


　「ああ……あれか……」


　すると鋼次郎は悔しそうな表情を見せながら少し笑顔を見せて雨に関する会話したのである。


　「あの雨の計画はなぜか雨雲が消えておじゃんとなった。あれが成功していればグリーンウッドフィールド様をはじめとする我々の國が生まれる予定だった……」


　「！？」


　突然、衝撃発言をした鋼次郎にヒナは驚きを隠せずにいたのであった。


　「あの計画は……グリーンウッドフィールド様自らの命を賭した計画だったのだ。しかしなぜか時空の歪みが発生してうまくいかなかったのだ……」


　「……でもなぜ私にその話を？」


　「どうせ君に言っても君は処刑されて口封じに出来るからな。あとこの話は計画の概要であって核心部分にはつかないさ。」


　「…………」


　あの雨雲発生装置とやらにそのような裏話があったのか……とヒナは思ったのである。だが余計な一言を言えば松浦の仕業とバレるので何もコメントはしなかったヒナだが。


　「この計画の鍵を握るは……『アラドシティ』さ！！！」


　「アラドシティ？」


　「ああ、これ以上は何も言わないがアラドシティが鍵を握るのさ……しかしそれもやり直しだ……」


　「…………」


　「それよりそろそろ他の部屋に巡回に行くからまた後で来る……！！」


　「はい……」


　そして部屋の壁を通り抜け、玄関の扉を開けると鋼次郎を待つグリーンウッドフィールドの姿があった。


　「お疲れさま、彼女は何か吐いたかい？」


　「いや、まさかでしたがなかなか喋らないし思った以上に口が堅いです。」


　「君に本音を出さないとは手強いようだな。私としては彼女が一番重要人物と見ているから彼女から重大な情報をいただかないと私は納得しない。」


　「何とか口を開かせてみせます。」


　「頼もしいね。期待しているよ。」


　「はいっ！！」


　グリーンウッドフィールドが去ると鋼次郎は少し険しい表情をしながらうつむいていた。


　「(あの女……必ずすべてを明かさせてやる。必ず秘密を持っているはずだ！！)」


　鋼次郎はうつむく身体を起こすとある場所へと向かったのである。