ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
543 / 762
第16章・ステラガーデン編

周参見野成功の剣術②

しおりを挟む
 体調の回復した大堀は厳しい練習を行い、成功に近づこうと必死になった。


 「おい、そんなんじゃいつまでたっても剣の腕前は良くならねえ!!それじゃあダメだからな!!」


 「す……すみません……」


 この二人の特訓を見つめていたある人物がいたのである。だが成功はその人物に気付くと手を振り、声をかけたのであった。


 「お~い!!東成とうせい~い!!」


 「兄貴!!分かったか!?」


 「彼は?」


 「ああ、あいつは“九条くじょう東成とうせい”と言って弟だ。」


 「はじめまして、大堀久信です。」


 「こちらこそはじめまして、僕は紹介にあずかった九条東成だ。よろしく!!」


 お互いに頭を下げて挨拶すると二人は熱く握手をしたのであった。すると成功はとんでも発言をしたのであった。


 「あ、二人とも闘えや。東成も剣を使えるだろう。お前の能力と剣技でこいつを見てやれ。」


 「ああ、試してみるさ……」


 「いや……僕はまだ心の準……」


 「さあ、強くなるため闘おう!!」


 闘えないと言っても聞いてもらえずとりあえず闘うことにしたのであった。すると東成の右手が光りはじめ、気がつくと鏡が彼の右手に掴まれていたのであった。


 「俺の能力は“鏡”!!鏡を使って色々と仕掛けるぜ!!」


 「げ、僕は能力……ないん……」


 「“嘸労苦ブロークンきょう”!!」


 すると鏡に大堀の疲労困憊していた姿が映り出され、それを見た彼は疲労がどっと出てきたのであった。


 「この技は相手の疲労度を示す。君はまだ疲労が取れていない!!これを見ると身体の神経が自身の疲労を実感して反応し、それで疲労が現れるのだ!!」


 「久信君……これが弟の力だ。鏡を操る弟の能力はすべてを映し出せると言っても過言ではない!!」


 「く……!!」


 負けたくないという気持ちはあれど鏡の能力は手強かった。しかし疲労をこらえて大堀はパンチを食らわそうと全力疾走して東成の方に行くと再び東成は鏡を掲げたのである。


 「“遠台えんたいきょう”!!」


 すると鏡に映る大堀の姿だが殴りかかろうとしている姿がなぜか東成から遠ざかっているのか遠くに映っていたのであった。


 「(なぜだ!?東成やつに近づけない!!)」


 遠ざかる自分の姿を見るとなぜか東成が自分の視線からも遠くに見えてそこに向かおうとしたら東成の姿は近付いても消えていく……


 「遠台鏡は標的を“台”と想定し、そこに向かおうとしても鏡に台から遠ざかる自分を見ては届いていないと実感させるのだ。」


 「僕も力が……力が……」


 「次は“無縁むえんきょう”だ……ということだ。」


 鏡から発する光に包まれた大堀は突然、ネガティブ思想になりかけたのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜

来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。 自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。 「お前は俺の番だ」 番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。 一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。 執着と守護。すれ違いと絆。 ――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。 甘さ控えめ、でも確かに溺愛。 異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

妻が通う邸の中に

月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...