ヒナの国造り

第１６章・ステラガーデン編

東成と成章

　東成は小伊霊を生け捕りにするため誰かに連絡をして一時間後にパトカーのような車が到着し、小伊霊は保安官達に連行されたのであった。するとその保安官の一人が東成の元にやって来たのである。


　「やあ、兄貴。」


　「成章せいしょう……久しぶりだな。」


　この成章という人物はどうやら東成の弟のようである。本名は『祗園寺ぎおんじ成章せいしょう』という名前であった。


　「兄弟バラバラになったにも関わらずこうやって再会できるのだから不思議な絆だよな……」


　「うん、そうだね兄さん。僕も兄弟の間の不思議な縁とやらに神秘を感じているよ。」


　二人は少し雑談に華を咲かせていたが例のグリーンウッドフィールドの件について話のテーマになると成章も顔をしかめたのであった。


　「ああ……あれね……東成兄さんも調査していたんだ……」


　「だから今日は一人捕らえることが出来た……本当に大きな収穫だよ。」


　「本当だね。」


　「さて……この女……どうする？」


　「まあ、グリーンウッドフィールドとの関連次第で最悪死刑も有り得るし、そこまでいかないとも考えられるな。」


　「でも成章、こいつは大して深く関与していないだろうから問題にはならないだろう。」


　「まあな。」


　二人の目的もまたグリーンウッドフィールドにあったようだ。自身のうっかりから情報漏れして世界的犯罪者となってしまったとはいえ狙われるのも当然だが……


　「しかしあの男……やっぱりうっかり流したんだろうか？」


　「いや……反響が予想以上なだけで実際は元からある程度流すつもりだっただろうな。しかしいやはや……あの大事件のまさかの主犯格とは……」


　「成章……あれは予想外だったな。別の男が主犯と見られていただけにな……」


　東成と成章は過去の“ある事件”について詳しいようで東成は研究もしていたと見られる。


　「グリーンウッドフィールド……最悪な男だな……」


　「やつのせいで“アラドシティ”は乱れてしまった。あれだけの平和な街が乱れるのだからグリーンウッドフィールドにしろニャシャにしろ連中の罪は非常にでかい……」


　成章はアラドシティの一件でグリーンウッドフィールド達に怒りを抱いていた。そして……


　「しかしグリーンウッドフィールドとニャシャの関係が……」



　その頃、ヒナは部屋でボーッとしていると再び鋼次郎が現れたのであった。



　……新年明けましておめでとうございます。本年も頑張っていきますので“市川いちかわ雄一郎ゆういちろう”をよろしくお願いします。


　２０１７(平成２９)年元旦　市川雄一郎