ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第16章・ステラガーデン編

2017年元旦(特別編)

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 2017(平成29)年1月1日夕方、松原市内の“柴垣神社しばがきじんじゃ”にある若い男性が親友と共に訪問をしていた。その男性が親友と別れるとうつむきながら呟いた。


 「…………俺、俺も家族と一緒に台湾に行きたかったよ。」


 すると男性の近くにいた黒いフードコートを着た団体の一人が彼を見てこう言ったのである。


 「あ……あの御方は!!?」


 すぐさま団体は彼の元にやって来て彼をなんと胴上げし始めたのである。


 「ばんざーい!!ばんざーい!!」


 「み……みなさんは……!?突然どうされましたか!?」


 「いつもと叱咤激励ありがとうございます!!」


 どうやら団体は男性を知っているようだ。すると一人がフードを外すと……


 「先生!!我々も先生が悲しんでいる姿を見るのは悲しい!!一緒に明るくなりましょうや!!」


 「あなたは!?」


 「私はあなたのお陰で活躍が出来た“周参見野すさみの成功せいこう”その人です!!あなたに対して3人の弟の東成とうせい成章せいしょう海成かいせいも皆感謝しています。活躍の場を与えられたと喜んでいます!!さあ、楽しく新年を過ごしていきましょう!!」


 「は……はあ……」


 男性は戸惑っていたがもう一人もフードを脱いで彼に檄を入れたのである。


 「僕達は皆あなたを尊敬しています!!」


 そう語るのは“シャウト・マルビッシュ”を連れた“早見はやみ儀侖のりろん”であった。早見は登場回数と活躍のわりには(笑)彼を尊敬しているようだ。


 「僕はあなたのために身を投げ出したい!!」


 「いや……僕のためなんかに身を投げ出さないで……ください……」


 胴上げは続く。


 「ワッショイ!!ワッショイ!!」


 胴上げは続き、参拝客の何人かが団体の方をじっと見つめていたのであった。そしてまた一人フードを脱いだ。


 「私は川向命かわむかいのみこと!!私もこの時代はよく分からないが戦いたい!!参加させてください!!」


 「何を……ですか?」


 胴上げは終わり、全員がフードを脱ぐとそこには敵味方関係なく色々な人物が集まっていたのであった。中には秀太しゅうた虎丞とらすけなど他作品の主人公も……二人を見つけた早見はキレ口調で言う。


 「なんでてめえらがここにいるんだよ!!」


 「いやあ……今年の年始は皆さんと御祝いしたくて……」


 「はい……!!」


 「しゃあねえな。御祝いだから今回だけな!!」


 「ありがとうございます!!」


 「ありがとうございます!!」


 とりあえず二人も許しを得て明るく新年を迎えることとなったのである。するとお立ち台のような台があり、マイクがセットされておりそこにはある人物が立ったのである。竜太・松浦・直露が息を飲むと二人が現れたのである。


 「ヒナちゃん!!」


 「久允尹くいんい様!!」


 お立ち台に上がったのはヒナと最初に登場した久允尹であった。まずはヒナから挨拶である。


 「みなさん、明けましておめでとうございます!!」


 「おめでとうございます!!」


 団体と参拝客の半数以上が一斉にヒナに挨拶返しをした。そしてヒナのスピーチである。


 「皆様、昨年はありがとうございました。私は国造りのために今は大変な事態に陥りましたが、この作品の主人公として皆の期待を背負うものとして頑張っていきますのでよろしくお願いします!!せーの、おーっ!!」


 「おーっ!!」


 ヒナは右腕を前に伸ばすと皆も同じように右腕を前に伸ばした(左利きのキララなどは左腕を伸ばしたが)。そして久允尹の挨拶となった。


 「皆様、新年明けましておめでとうございます。私は“うら久允尹くいんい”と申します。」


 するとさっきまで振り向きすらしなかった参拝客も含めて神社内の全員が久允尹の方を向いたのである。


 「私はこの世界を見てきては一縷の不安があった。だが私は横にいる彼女に出会い、彼女の目をみて何かを変えてくれるだろうと信じて声をかけたのである。彼女には我々にはない不思議な力を秘めている。だからこそ彼女がこの世界を変えてくれるだろうと信じている。皆様のご協力や皆様の叱咤激励をよろしくお願いしたい。」


 拍手が沸く神社内。すると久允尹はマイクを男性に渡したのである。男性は戸惑い、困っていたのだが……


 「さあ、君の気持ちを表すのだ。言いたいことがあるだろう!!」


 「……はい……!!」


 何を思い付いたか彼はマイクを持ち、お立ち台に立ったのである。護とハイデルンは笑顔で彼を見つめていた。成功もグリーンウッドフィールドもウイユマナコも彼を冷静な目で見つめていた。


 「みなさん……ことしは……ことしは……作品を盛り上げてくれよなっ!!」


 男性の一言に皆が拍手をしたのであった。そして2017年はひっそりと開幕したのであった。



 《登場人物紹介》

●猫屋敷日奈凛(ねこやしき・ひなりん)

本作の主人公。捕らえられてしまい身動きが取れない。心理戦のプロのコージローに勝利をするなど口の堅い一面がある。

 《捜索メンバー》

●高直竜太(たかじき・りゅうた)

●松浦豪(まつうら・たけし)

●ジョニー・クライド

●セトラ新平

●橿原磐彦(かしはら・いわひこ)

●羽久伸一(はねきゅう・しんいち)

●東周参重寛(ひがしすさ・じゅうかん)

●東口慶三郎(ひがしぐち・けいざぶろう)


 《捜査機関》

●大堀久信(おおぼり・ひさのぶ)

昔、死にかけていたところを成功に助けられたようで彼には非常に強い尊敬心がある。


●周参見野成功(すさみの・せいこう)

大阪府警のエリート。とある剣が到着するのを待つ。


●駒川弘寿(こまがわ・ひろとし)

成功の部下。なんとかグリーンウッドフィールドの住居に侵入したが……


●ε(イプシロン)=本名・ケディ=

シークレット・エージェントの一人でなぜか自分のルーツに関心を抱く。


●γ(ガンマ)=本名・スポ=

シークレット・エージェントの一人。εの関心事に自分も関心を持つ。


●三宅貞行(みやけ・さだゆき)

●西貞治(にし・さだはる)

●喜連水郷(きれ・すいごう)

●瓜破俊太郎(うりわり・しゅんたろう)

●大和川将(やまとがわ・たすく)

●平野喜望(ひらの・よしもち)

●文里新章(ふみのさと・しんしょう)

●天王寺広(てんのうじ・ひろし)

●阿倍野誠銘(あべの・せいめい)

●松原十四朗(まつばら・としろう)


●瀬戸秀旗(せと・ひでき)

●由良正博(ゆら・まさひろ)

●栗原


●山崎美章(やまさき・びしょう)

大阪府警の新人巡査。ある事件の尾行中に気がつけば異世界にやって来てしまった模様。出身は名前通り、大阪市の“美章園”である。


●河堀口(こぼれぐち)

山崎のパートナー。彼が行方不明になったのを近くにいたが気づけなかったという。


●九条東成(くじょう・とうせい)

成功の弟の一人。過去に大堀を鍛えた人物で小伊霊を拘束した。


●祗園寺成章(ぎおんじ・せいしょう)

成功と東成の弟。保安官であり、小伊霊の身柄を引き受けた。もう一人兄弟がいるが詳細は不明。



 《グリーンウッドフィールド一味》


 ほとんどが反逆の可能性を秘めている。不安定な一味。


●ステラ・グリーンウッドフィールド

本名はスティーブン・メトシェラ・グリーンウッドフィールド。表向きは資産家で地主だが裏では闇社会に通じる凶悪人物。


●スナック

●ハーリー

●タマゾー

この3人はグリーンウッドフィールドの息子である。


●ボビー・日村(ひむら)・ダニエラ


●田平雪(たびら・ゆき)

グリーンウッドフィールドの秘書だが本性は自身のルーツである“アラドシティ”のことを知りたいという気持ちからグリーンウッドフィールドの仲間になっただけである。


●和雄(かずお)

田平の子供の一人で勝幸は祖父にあたる。


●田平勝幸(たびら・かつゆき)

雪の父親である。グリーンウッドフィールドの正体を探っており、多数の情報を元妻の父・南場喜八郎(なんば・きはちろう)に提供した。


●小伊霊龍子(こいれい・りゅうこ)

ベアトリクスと戦っていたが二人(北家田真九良(ほけた・まくら)と大岩清(おおいわ・きよし)のこと)を見つけると即、逃亡したが東成の手で倒されて捕らえられた。


●賀灘浮人(かなだういと)

片山津を怒らせて蹴り飛ばされてしまった上に片山津はグリーンウッドフィールドを裏切る可能性が出てきた。


●森正成(もり・まさしげ)

グリーンウッドフィールドに何らかの恨みを持つ。


●大野鋼次郎(おおの・こうじろう)

通称は“脅しのコージロー”という。心理戦を得意とするがこれが能力か天性の推理力かは不明。


●周参見野(すさみの)ダグラス

スーザック出身の青年で父親を殺害されている。彼も事情からグリーンウッドフィールドの部下となったようだ。


●黒石慎太郎(くろいわ・しんたろう)

かなり怪しい人物である。昔、スーザックで相棒の“ギリシャ”と共にある男性を追跡したりしていた。


 《グリーンウッドフィールド・第6班》

●日尻(ひじり)シーガル

●鳥海寺(ちょうかいじ)サルウ

●烏帽子谷省第(えぼしや・しょうだい)


《第8班》

●福岡(ふくおか)ハリー

●福岡(ふくおか)アビー

●清亘達(きよわたり・たつ)


《第12班》

●ヒロ・ウキョウ

家族を護るためにグリーンウッドフィールドの部下となるが彼らによって父親を殺害されている。


●片山津大祐(かたやまづ・たいすけ)

本名は“片山津・セラフォルー・ベイリー・大祐”である。賀灘との一件で目を覚ましたかヒロへの理解を示した。


●宇梶神兵衛(うかじ・しんべえ)

片山津とヒロがグリーンウッドフィールドに反旗をしめそうとする今、今後の判断が気になる人物である。


 《その他》


●市山佐太郎(いちやま・さたろう)

竜太のことを知る男性。大堀・ダグラスと共に行動をしていたが捕らえられた模様。


●浦理心(うら・りしん)

市山達と同じ牢獄に入れられた男性。完全に“何かに”巻き込まれたようだ。


●浦大吉(うら・だいきち)

ヒナの部屋に入ってきた男性。ある人物を探しているのと同時にヒナを一目見てある期待をしているようだ。


●カッファン

シークレット・エージェントの一人のようで一人旅中のヌイを捕まえてパートナーにした。パンチ力は高く、“ミュージ・メロディー”を吹っ飛ばした。


●石受無(いしじゅむ)ヌイ

凄腕の剣士。これまでに“バタネン・トゥリープ”“フラッシュ”“ブラッシュ”を倒している。カッファンの相棒となるが誰かを探している模様だ。


●道岸輝(みちぎし・きらら)

父と叔父が野球選手の野球一家出身……と思われていたが父方祖母が航空会社経営の一族の出であることが判明した。ヒナ救出に向かう竜太達と共闘すると思われる。


 《これまでのあらすじ》

 ヒナは松原市内で捕らえられてしまい、処刑の危機に陥ってしまった。10月4日現在、助けの動きはあれど拘束される者が出たりと不安定には変わりはない。しかしコージローとの心理戦に辛勝するなどヒナはまだまだ油断をしない姿勢でいる。これからどうなるか……いよいよ“処刑前の終盤編”である。


 《作者より挨拶》

 皆様、新年明けましておめでとうございます。今年も楽しい作品作りをしていきますので本年もよろしくお願いします。


 (2017(平成29)年1月2日午後16時54分)


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