ヒナの国造り

第１７章・ステラガーデン死刑台編

時間は迫る

　そして死刑執行の時間に近付いてくるとグリーンウッドフィールドは処刑場にやってきて持っていたマイクを使って講演をはじめたのである。


　「みなさん、おはようございます。私がこの処刑の全責任を受け持つ【ステラ・グリーンウッドフィールド】と申します。今回は私の計画に謀反した者、Ｗウイユ様をはじめとする方々へ反旗を示した者、挙げ句の果てには危険な歴史をほじくりかえそうとしている者達をはじめとした反逆者、無礼者、危険人物を一斉に処刑することにしました。ご協力に関しまして心より感謝しております。」


　しかしヒナはそれを聞いていて納得できなかったのである。


　「(自分が気にくわないから処刑するだけじゃん！！何なのこの人！？本当に許せないわ！！しかも私はどれも該当なしなのにどうして・・・！？)」


　するとグリーンウッドフィールドは一瞬だけヒナの方向を向くとすぐにマイクを持って話を続けたのである。


　「私の教育方針には入れていなかった繰り上げ入学を行い、他の生徒や受験希望者に多大なる誤解を与えた人物を最初に斬ることになりました。」


　ヒナはそれを聞いてクエスチョンが頭の上にたくさん現れたのである。


　「(へ？意味わからないのですけど・・・)」


　ヒナは理由の意味を分からずにいた。しかしグリーンウッドフィールドの目付きは明らかに殺意の混ざったようなものであり、ヒナは自分が相当憎まれていることは気づいていたのであった。


　「(まずは私を殺害して次ぎに続く人達を怖がらせようという考えね。そうはさせないわよー！！)」


　しかし脱出しようにも能力は腕輪が原因で使用できないわ身体は縄で縛られていて逃げられないわでもはや絶体絶命である。


　「(誰も・・・こなさそう・・・もう私も終わりのようね・・・楽しい１８年間だったわ。本当に楽しい・・・うっ・・・)」


　ヒナは大粒の涙を流して座り込んでいた。もはや絶体絶命の状況の上、助かる希望もなくてはあと数時間の命でしかないのだ。グリーンウッドフィールドはヒナをチラ見してはニヤッと笑い、ある報告をしたのである。


　「それでは・・・これ(処刑)が無事終了後、連絡を送った皆様方はアラドシティへと向かってください。アラドシティ内にはもはや邪魔者はいないので・・・」


　グリーンウッドフィールドは不気味な笑みを浮かべて報告したその内容こそが真の目的へと繋がるのだ！！