ヒナの国造り

第１７章・ステラガーデン死刑台編

ダグラスとタツ①

　戦う二人は神妙な表情を浮かべることもあるが死刑執行前にも関わらず熱い殺し合いを見せていた。


　「タツさん、あんたと戦えるのはこれが最初で最後かもしれませんねっ！！」


　「ダグ・・・お前、昔に比べて熱くなったなあ！！さすがだぜ！！」



　・・・回想に入り８年前のある日、Ｗウイユの側近に連れられたダグラスはある部屋の前に来た。


　「そこで待機しとけ。」


　「・・・」


　ダグラスは頷いて静かにしていると部屋の扉が開き、声が聞こえたのである。


　「入れ・・・」


　ダグラスは一瞬抵抗すると右腕を掴まれ、部屋に入れられたのである。そして扉は閉じる。部屋のなかにはベッドと本棚とある画家の水彩画が置かれていたのだ。


　「ここは・・・」


　「久しぶりだな・・・ダグ・・・」


　「はっ、た・・・タツさん・・・！？」


　ダグラスが後ろを振り向くとタツがいたのであった。


　「に・・・２年ぶりですね・・・！！」


　「もうそんなにか・・・久しぶりだな。お前もここにやって来たのか？」


　「うん、ちょっと事情で・・・タツさんは何で？」


　「俺はＷウイユさんと親友で誘われて来ただけだ。けどあの人の偉大さを身近にいて実感してきてもはや信者さ、アハハハ！！」


　どうやらダグラスとタツは再会のようであった。ここから二人の絆は再び動き出したのであった。



　・・・回想は一旦終わり、二人の戦いは加熱していたのであった。


　「ダグラス・・・お前、本当に強くなったなあ！！」


　「いやいや、タツさんにはかないませんよ！！」


　「そうでもない・・・だがこれは遊びの戦いじゃないことは理解しているな！？」


　「ドリル対ブルテリア、周参見野対清亘、崇拝対謀反・・・複数の意味を持つ戦いですよ！！」


　「しかし、この戦いじゃ面白くねえ。シンプルにやりあうぞ！！」


　するとダグラスは頷いて人間の姿に戻った。そしてタツも能力使用をやめてダグラスの右頬に強烈なパンチを食らわしたのである。


　“ボカッ！！”


　「ぐぅっ！！」


　吹き飛ぶダグラスだったが起き上がるとすぐにタツの右頬に同じくパンチを食らわした。


　「ぐぉっ・・・効くじゃねえか！！」


　「タツさんこそ・・・！！」


　「ほざけ・・・それと覚えているか・・・あの日の事を？」


　「忘れるわけないですよ。あの悪夢を・・・」


　タツがある日のことを口に出すとダグラスは反応し、思い出していたのである。