ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第17章・ステラガーデン死刑台編

周参見野光と銀河のブローカー③

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 とにかく女性と会話することになった穀は近くの料理店に入ることにしたのであった。店に入ると客の大半は女性に視線を向けていた。水色の髪の毛で紫色の瞳などなかなかお目にかかれないのだから無理もない。


 「皆さん私の方を・・・」


 「気にしなくていいでしょう。」


 そして二人は着席すると話を始めたのであった。笑顔で対応する女性とは対照的に穀の表情はかなり険しいものがあったが笑顔でごまかしていた。


 「では穀さんにこの前の計画とは別のことを報告したいと思い、今日はここに来ました。」


 「別のこと?」


 「ええ、そうです。そして私は【ミア・スペーシー】と言います。」


 「スペーシー・・・って旦那と同じ名字か・・・!!」


 「そうですよ!彼は私の兄の【マービン・スペーシー】です!!」


 「兄妹だったのか・・・」


 「ええ。それにあなたの甥っ子さんの子供さんのように兄弟がたくさんいて1000人兄弟です!!」


 「1000人!?(どうりで銀河の軍艦家と呼ばれるわけだ・・・)」


 「はい!!私は215女で兄は181男ですよ!!」


 「(ですよじゃねーし!!)」


 「ごめんなさいね。話が脱線してしまいましたね。実はここだけの話ですが・・・」


 「?」


 するとミアは穀に耳打ちをしたのである。


 「(光さんを・・・助ける方法が1つだけあります。それは私の姉妹と結婚することです!!)」


 「(!?結婚だと・・・・・・!?)」


 この時ちょうど二人の座るテーブルの横のテーブルで食事をしていた人物が二人の会話を盗み聞きしていたのである。


 「(スペーシー・・・?どこかで聞いたことある名前だな・・・それに耳打ちとはよほど聞かれたくない内容か?)」


 その人物は当時最強と呼ばれていた次期にドーリン3代目となる予定の【日尻ひじり虎次郎とらじろう】であった。虎次郎はスペーシー家について何らかの知識を持っているかは分からないが二人の会話に興味を抱いていた。


 一方二人は虎次郎の存在に気付かず会話をしていたのであった。


 「(結婚って・・・どういうことで!?)」


 「(ええ、私の父はさすがに血縁者の命まで奪わないはず。私は正直父の考えにはついていけなくて・・・それで光さんと歳の近い生まれて間もない姉妹もいるからあなたに提案したのです・・・)」


 だがさすがに穀はすぐには頭を縦に振らなかったのである。


 「(・・・すぐには納得出来ません。光の気持ちやあなたの姉妹の気持ちもあるでしょうし・・・)」


 「(あなたは優しい方ですね。でも優しいだけではいけません・・・・・・・・・・・・・よ!!)」


 「(!!)」


 その時、二人のやり取りを聞いていた虎次郎の向かいにある男性が着席したのである。


 「久し振りですね。湯浅宮さん・・・スペーシー家との連絡は出来てますか?」


 「ええ・・・順調ですよ・・・!!」


 虎次郎はそう呟いた。相手は【湯浅宮ゆあさみや泰卓やすたか】でスペーシー家のブレーンであった!!
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