ヒナの国造り

第１７章・ステラガーデン死刑台編

周参見野光と銀河のブローカー④

　しかしここでミアは隣からスペーシー家の話が聞こえたことに気付き、話を止めたのであった。


　「穀さん・・・話を止めましょう。」


　「何故？」


　「いや、話を聞かれているかもしれません。」


　「・・・？」


　隣の会話に気付いていない穀はよく理解していなかったがとりあえず仕方ないという気持ちではあったが話を終えて店の外に出たのであった。


　「・・・ではまた別の日に・・・」


　「ええ、そうですね。」


　無事話を中断して解散した二人であった。しかし・・・


　「(・・・ほぉ・・・血縁を組む計画があるとはな・・・・・・)」


　湯浅宮は虎次郎から目を背けてそう呟いた・・・のである。その姿を見た虎次郎は何のことかはやはり理解していなかったようだ。


　「？」



　～それから２５年～


　光はあの計画プロジェクトの話があったものの特に彼自身に進展や状況の異変はなく、いつも通りの生活をしていたのであった。ただ彼は他の兄弟達と違い、文武両道の教育を受けており運動神経も高いが学力は１０代で優秀な学者並みと言われたほどである。

　そんな彼は病弱で車椅子に乗る弟(５７男)の泰幸やすゆきを可愛がり、いつも車椅子を押しながら色んな場所へと出掛けていた。この日も普通に光と泰幸は会話していたのだ。


　「光兄さん・・・竜兄さんは本当にすごいね。」


　「ああ、あいつはすごい。四道将軍というのは各地から集めた強い面々の中でずば抜けた強さを持つ四人だからな。」


　「竜兄さん、強いんだね・・・」


　「上の兄弟・・・・を差し置いてあいつが選ばれたんだ。確かにあいつは他の兄弟の中でずば抜けた強さだった。」


　「それが僕のお兄さんなんだ・・・誇れる～！！」


　「お前も身体が治れば強くなれるさ・・・」


　「うん！！」


　子供のような純粋な泰幸に光はなぜか魅了されていたのであった。


　「俺もお前みたいな純粋な心のまま大人になりたかったなあ・・・」


　すると川沿いの道で二人の前にある人物が待ち伏せしていたのであった。


　「(誰だあいつは？)」


　相手は近付いて来たので光は護身用の短剣を持ち、戦闘姿勢に入ったのである。・・・が、しかし彼はすぐに手を止めて短剣を直したのである。


　「湯浅宮さん・・・」


　彼の目の前にいたのはあの・・湯浅宮であった。