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第2章・新たなる太郎のはじまり

【mission30】初対面なのに・・・

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 僕達の目の前に映ったその衝撃的な映像とは・・・!?


 「あのトラックやはりビルの方へと・・・ん?」


 西川博士がトラックを見て驚いたような表情を見せたので僕はトラックの映像を見ると後ろの荷台から何かが落ちたようである。


 「鉄パイプみたいだな・・・」


 「確かにこれは鉄パイプのような・・・」


 するとその鉄パイプらしきものはトラックが去ってからすぐに小規模ながら強い爆発をしたのだ。


 「え!?爆発した!?」


 「しかも威力が強い!」


 「僕がここに来たときにこれの爆発音は聞こえなかったはず・・・これは!?」


 実は僕はこの爆発音を聞いていないのだ。普通なら僕の居る場所から離れていても聞こえるはずなのに・・・と思いきやコザヤマさんが解説する。


 「この爆発物は何らかの小細工をしていて爆発音がならないように加工されている。勿論特殊加工だから通常よりも料金はかかるはず。恐らくこれをビルの爆破に利用するはずだったのだろうが落としたために別の加工していない爆発物に変更した可能性がある。」


 「・・・そうか!その可能性ならある!」


 ビルを爆破させるために彼らは相当手を込んでいるようだ・・・しかし彼らがそこまでしてビルを破壊する目的とは何か。そして僕を陥れようとする理由は何なのだろうか。すると西川博士が僕に話しかけてきたのだ。


 「ねえ、太郎君。ちょっと外に出てきなさいよ。」


 「え、邪魔に・・・?」


 「違うよ。ずっと研究所ラボに居てもしんどいだけだよ。外に行って軽く散歩して帰ってきたらいいよ。調査は専門家の我々に任せなさいな!」


 「あ、は・・・はい!」


 そういえばずっとこの日は研究所にいたから少し疲れていたのかもしれない。僕は気分がてらに外に出ると昼過ぎであった。すると研究所付近の道に大きな水晶玉をカバーを被せた机の上に乗せて椅子に座る怪しい占い師のような婆さんがいて僕の顔を見つめていると突然に何かを言う。


 「お前さん・・・こちらに来なされ。」


 「あ?」


 僕はめんどくさそうな表情をして去ろうとしたが視線が強く感じるので仕方なく婆さんの元へと向かう。


 「お前さん、そこに座りなされ。」


 「はい・・・」


 「ああ、お前さん。人生をリセットしてみないか?」


 「?」


 突然何を言い出すんだと思えば婆さんは僕に対してすごい発言をしたのだ。


 「お前さんのことをわしは知っている。異世界から来たんじゃろ?」


 「え!?なぜそれを!?」


 僕は驚いた。なぜこの婆さんは異世界から来たのが分かったのか・・・まあそれよりもリセット・・・・のことについて話を聞かなければならないが。


 「で、どうする?」


 「すみません、どこまでリセット出来るのでしょうか?」


 僕は手を挙げて質問をすると婆さんの口から希望を見いだせる発言が出たのだ。


 「お前さんが異世界に来る少し前じゃ。勿論元の世界へリセットして戻れたらお前さんは二度と・・・この世界には戻らなくても良いのじゃ。」


 「そ、それは本当でしょうか!?」


 婆さんはなんと僕を元の世界へ戻す主旨の発言をしたのだ。勿論異世界に二度と来なくてもいいのは有り難いがしかし・・・


 「ちょっとまだ気持ちが定まらないや。」


 「それは構わない。時間はあるさ。今日の夕方までに考えてみるかい?」


 「!」


 なんと婆さんはタイムリミットを今日の夕方に指定してくれたのだ。時間はまだある・・・研究所でゆっくり考えようと僕は決意した。


 ーちょうどその頃ー

 研究所で調査を続けていたコザヤマさんはトラックを再び追跡しているとトラックの後ろに金魚のフンのように追跡する黒い車を見つけたのであった。


 「何だあの車?博士、あの車なんか怪しいですよ?」


 「だな、キョウイチ。あの車は恐らくトラックと関係があるような・・・!」


 すると車の前を割り込みで入ろうとした青い車を車体に装着していたクレーンでつまみ上げて横(隣)の車線に置くと向かいからやって来た白い車と衝突したのだ。


 「ひでぇ・・・!割り込んだ車をああしてまで追い払うか!」


 「これでこいつらがグルなのは間違いない!キョウイチ、こいつらを放置していたらロクなことにならないぞ!」


 「はい!徹底してやつらの行方を追跡します!自分の体力が持つ限り!!」


 「情報拡大アップデート!!」

 「新情報取得ダウンロードコンテンツ!!」


 実はコザヤマさんの情報能力は体力を多く消費するようである。僕の無実と事件の陰謀を明らかにするために頑張ってくれているのだ。初対面の僕に対してここまで力になってくれる人達のおかげで僕は今も生かされているのだ。
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