ーTruth Wonderlandー

黒蝶 閻架

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1 始まり

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真っ暗で辺はなにも見えない
ここはどこ……?

なにか異様な臭いがする
なんの臭い?

耳鳴りがする
うるさい…


自分が今なぜこんな居心地の悪いところにいるのか分からない

苦しい
辛い
悲しい

こんな感情が同時に溢れ出す

不意に頬を冷たいものが伝った
涙………

なんで自分が泣いているのかも分からない

なにもかも分からない

分からないのに
どうしてかこんな言葉が頭の中で
ぐるぐる回る
「ごめんなさい。私が悪いの。」


ただ涙を流しながら立ちすくむ
早くこんな居心地の悪いところから立ち去らなければ行けないのに
足が言うことを聞いてくれない

1歩…また1歩…
どこに向かえばいいのかも知らず
ただ少しづつ 1歩づつ前へ歩き出す

すると……………
何かがつま先に当たった

暗くて見えないが
異臭が強い

ぬるっとした液体の感じを足の裏で感じる

あぁ、あたし 素足だったのね…
やだ…濡れてるとこ歩いちゃった…

でも水のサラッとした感触じゃない
なに、この……ぺたっとぬるっとする…


それにつま先に当たったのは何?
手探りで調べてみる
なんだろう?この長い腕みたいなのに5本…あぁ手ね
それで布の感触?きっと服ね
ならこっちには頭があるのかしら?
って………

人じゃないの……
人が倒れてる?生きているのかしら…
あぁ。死んでるわね、じゃないとこの異臭
生きてる人間から放たれるわけないじゃない

それにさっきの踏んだ液体
血ねー。


なんでこの人はこんな所で死んじゃってるのかしら

………。

こんな所嫌だ
早く出たいの早く忘れたいの
早く…
早く早く…
早くしないと!


 
                   ”皆が私を待っている”



耳鳴りが酷くなり突如現れた明るい光と共に
私は-。






・・・・・・・・・


?「ねぇねぇ。起きてよ。」
  「ねぇねぇねぇねぇ!!」

誰かの声と共に身体がガタガタと揺れる

 「お   き   て   よ  ! !」

バシッ

痛っ‼なにすんのよーっ‼
人がせっかく寝てたのに‼
はっ…
私…寝ちゃってた?
じゃぁさっきのは夢?

いや、そんなことより
今私の目の前にいるこの人は誰?

「あー。やっと起きたー。待ちくたびれたよーアリスー」

うん。うん?アリス?
アリスって私のことかな?

「おーい。アリスー聞いてるー?」

……………いや、待って。
私誰?アリスという名前ではない気がするが自分の名前が出てこない
ってことはアリス?

「ねぇ、アナタ…私の名前ってアリス…っていうの?」

「うん‼皆そう呼んでるよーアリスー」

「いや、でもアリスってそんな可愛すぎる名前私には合わないわ‼」

って
違うでしょ自分。問題はそこ?合う合わないは
この際どうでもいい気もするわ
それより

「私ね、記憶がないっていうか…今までのあったことか思いだせないのよ」

「ふーん。でも大丈夫だよ‼記憶なくてもアリスはアリスだから‼」

……………。
この人はちょっと見た目からして
変わっているとは思ってたけど、どうやら本当に変わってる人みたい

どんな見た目してるかって?

ひょろっとしてて色白で背が高いんだけど
髪の毛がウェーブかかった銀髪で前髪がね長すぎて目が両方隠れてるのよ
それでねずっとニッコリ?にんまり?笑っててちょっと不気味なのよね
爪は長いし首輪付けてるし

こんな変人とよく
今のいままで普通に話してたわね自分


「……所でここはどこなの?」
私は我に帰り周りを見回してみたが
どうやら自分の知ってる所ではないようだ


協会?講堂?
古い建物なんだろうけど日差しが窓から差し込みステンドグラスがキラキラ輝いていて綺麗




「なに言ってるのさ~ここはアリスのお気に入りの場所でしょ~」

「え?そうなの?まぁ………確かに綺麗だし落ち着く…かな」

しかし記憶がない今
何もかも思い出せないわけでここが本当にお気に入りの所かは知らない

つまりこの変人と別行動したくても
記憶がない私はどこに行っても分からず迷子になってしまうかも

「ねぇねぇーそんなことよりさー早く皆のとこ行かないとー皆待ってるよ~」

唯一 私のことを知ってるのはこの変人だけ
色々と私のこと知ってそうだし
記憶が戻るまではこの変人と一緒にいた方がいいかも

「ねぇねぇ!!聞いてるーーーっ?」

「きゃっ‼なによ‼」

「え~だって全然ボクの話聞いてくれないんだも~ん つまんな~い」

「わ、分かったわよ。分かったから…ちょっと…離れてもらえる?」

そう、今
変人の顔がかなり近いのだ
鼻がくっつきそうなくらい近いのだ
この人だからビックリしたわけじゃない
皆そうよね?だって考えてみてよ
記憶がない私にとっては会ったばかりの人
その会ってまだ数分しか経ってない人に鼻がくっつきそうなくらいの距離で顔を近づけられたら

イケメンならまだしも
こんな変人臭い人がこんな顔を近づいてきたら
違う意味でドキッよ…

「えー?アリスねー。いい匂いして美味しそうだからついねー(クンクン」

「や、やめてよっ」
私は思わず自ら後ずさった
美味しそうだなんて…本当に食べられそうで怖いわ………

私は一瞬 スプラッター系洋画を想像した
本当に身体を切られて食べられちゃったらどうしましょう

「大丈夫大丈夫~美味しそうってだけでアリスのことは食べれないから~」

「そ、そう?なら良かったわ安心した…」

「本当は食べたいんだけどね~」

「・・・・・・。」
一瞬安心した自分がバカだったわ

とりあえず私はある程度の距離を取っていくことにした

「んで、私はどこに行けばいいの?」

「あ、そうそう‼アリスのことを待っている皆の所へ行かなくちゃー。でも記憶?がないんだよね。皆ならどうにかしてくれるかなーボクには分からないからー」

なんだかさっきから頼りの無い人だこと
一緒にいて大丈夫なのかしら
なんだか不安になって来たわ

私はため息をハァ…と大きくついた後
外へ出ようと数メートル先にある出入り口っぽい扉の方へと歩き出した

「あぁ‼待ってよアリス~」
声がしたと思った途端

「っ!?」
いつの間にか私の目の前にいたのだった
さっきまで後ろにいたのに
一瞬で!なんで!目の前にいるの!!

いったいこの変人はどこまで変人なのか

「・・・あなた今さっきまで後ろにいたのになんで一瞬のうちに目の前にいるのよ」

「えー?これが普通なんだよ~!」

「普通じゃないわ!!」

「ボクはね~気配を消しながら瞬間的に移動するのが得意なの~」

「得意?得意どころの話じゃないわ。今のはなんていうか人間ができることじゃない」

「え?だってボク人間じゃないも~ん」

「ん?なんだって?」

「だから!!ボクはね、人間じゃないの!!猫なの!!」

「はぁぁぁあ?!」

今普通にとんでもない事を聞いてしまった気がする
いや、聞いた。
人間じゃない?猫?
確かにこの変人を動物で例えるなら猫系男子って感じもするけど
猫?あの可愛い猫がどうしてこうなったのよ

「ボクはねー元々猫でねー魔女様に人間になりたいってお願いしたのー」

「は??」
とうとう頭がいっちゃったのかしら
ここは軽く合わせるべき?それとも聞き流すべき? 
私がしばらく考え出して結果はこうだった

「とりあえず皆を探しましょ~あはは~」
聞き流したのだ

「そうだね~じゃぁ~ボクが一緒に連れてってあげるから安心して~」

「え、えぇ。とても。心強い…わ」

こうして私と変人は
私を待ってる皆とやらの所へいくため
目の前の大きい扉を開けたのだった_
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