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第3章 灼熱の砂海を渡る一輪の花
第191話 意外とやる男
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「背中を狙うとは卑怯なやつだ……」
「ふふ。ですねぇ」
ゆっくりとグレンは大剣を肩に担いで前を見つめる。彼らの二十メートルほど先の甲板にいつの間にかアランドロが立っていた。アランドロは右手を前に向けた姿勢で立って悔しそうにグレンとクレアを見つめていた。
手を下ろしたアランドロは二人を睨みつけた。
「お前ら…… グレンとクレアだろ? どういうつもりや!!!」
アランドロが叫ぶがグレンとクレアは顔を見合せた。フードを目深にかぶり顔を隠している、二人は互いに口元しか見えないが笑っているのが分かった。
「誰ですか? グレンとクレアなんて知りませんねぇ?」
「あぁ。俺達は”天使の涙”だ…… 誰だ? グレンとクレアって?」
ほぼ同時に二人は首をかしげてとぼけるのだった。二人を睨みつけていたアランドロの眉間のシワがどんどんと深くなり唇がわなわなと震え出す。
「じゃあかしいわ! ぼけぇ!!!! お前ら! 許さん!!!」
二人を指さして怒鳴りつけるアランドロだった。グレンとクレアは左手でフードを外して武器を持つ手に力を込める。
「あぁ。うるさいですね…… さっさと黙らせましょう」
「そうだな……」
大剣を構えて走り出すクレアとグレンだった。二人は左右に別れてアランドロとの距離を詰める。アレンドロは二人の動きについてこれずに接近を許してしまう。彼の口元がかすかに緩む。
「なっ!?」
グレンは驚いた顔で慌てて大剣を止めるが間に合わずに振り抜いた。アランドロの姿が消え目の前に樽が現れた。グレンの大剣は樽を叩き破壊した。しかし、グレンの目の前にいるはずのクレアの姿はなかった。
アランドロは甲板のヘリへと移動していた。とっさに彼は自身と樽を入れ替えていた。だが、直後にアランドロは
目を大きく見開いて驚いた顔をする。
「あなたの行動は読めてますよ!!」
クレアの声が届く。アランドロの目の前に大剣を構えたクレアが現れた。クレアはアランドロの行動を予測し大剣を引いて彼が移動先に現れるのを確認し距離を詰めていた。
横からクレアの大剣がアランドロの首へと向かって鋭く伸びていく。
「舐めるな!!!」
アランドロの右手を出して剣を防ごうとする。彼の右腕は肩まで銀色に変化していく。クレアの大剣とアランドロの右手がぶつかり大きな音が砂海に響く。
アランドロの右手は切られれはしなかったが、大剣の圧力に耐えきれる自分で自分と殴るようになった彼の顔に右手がめり込んだ。
「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!」
吹き飛ばされたアランドロは放物線と描き、数十メートルほど先の砂海へと落ちて行った。頭から砂海に落ちたアランドロの両足が砂海から突き出していた。
「舐めてるのはあなたですよ。これでも私は第一勇者候補ですよ」
砂海に落ちたアランドロを冷たい目で見つめ、吐き捨てるように言葉をぶつけるクレアだった。グレンが駆けてきてクレアから五メートルほど離れた甲板のヘリに立って砂海を覗く。
「これで…… 終わりじゃないですよ! 気をつけてください」
「あぁ……」
風が出て砂がわずかに舞い上がると、突き出ていたアランドロの足が消えた。クレアは静かに視線を左右に動かして彼を探す。グレンもアランドロを必死に探している。
「グレン君! 気をつけてください!」
「あぁ…… あいつ…… 砂と自分を入れ替えながら移動してるな……」
砂海の砂が不規則に舞い上がっている。アランドロは砂上船へと吹き付ける風で、舞い上がった砂と自分を入れ替え砂上船に戻ろうとしていたのだ。
「樽……」
突如として砂海に樽が浮かぶグレンは気配に気づいて振り向いた。そこにはアランドロが右拳を振り上げて立って居た。彼の右腕に続き左腕も銀色へと変わっていた。
にやりと笑いアランドロは右拳をグレンへと突き出した。
「まずは! お前や!!!」
アランドロの拳はグレンの顔面を捉えた。グレンは顔を大きく横に振られ吹き飛ばされていく。そのまま勢いよく砂海へと突っ込んだ。大きな音がして砂埃が舞い上がりグレンの姿が砂海に消えた。
クレアは舞い上がる砂を呆然と見つめていた。アランドロは彼女に顔を向け拳を空に突き上げた。
「どや!!!! お前の男を始末してやったで!!!」
アランドロはクレアに向かって叫び勝ち誇った顔で舞い上がる砂へと顔を向けた。クレアはアランドロを見て優しくほほ笑む。
「ふふ…… いつまで経ってもあなたは本物を見る目がないですね。グレン君はあんなことじゃ傷一つ付きませんよ」
「なんやと!!!!」
舞い上がった砂が消えていく。砂海に出来たくぼみの真ん中にグレンが静かに立って居た。
「はははーーー」
砂上船に顔を向け殴られた頬を左手の甲で軽く握って笑うグレンだった。グレンの態度がアランドロは気に食わずに怒り彼を怒鳴りつける。
「なにがおかしい!!!」
アランドロに向かって余裕の笑みを浮かべグレンが口を開く。
「逃げてばかりの腰抜け野郎かと思ったけどちゃんと腰いれて殴れるんだなって褒めてやってんだよ」
大剣を肩に担いで左腕を伸ばしてアランドロを指すグレンだった。
「チッ! そんなやすい挑発にわいは乗らんで……」
「そうかい。だったら俺が行ってやるよ!!」
空気が破裂するようなドンという音がして、グレンが居た場所の砂がまた激しく舞い上がった。
「なっ!?」
「おらよ!!」
アランドロの目の前にグレンが飛んで来た。砂が舞い上がるとほぼ同時に飛んで来たグレンにアランドロは彼が目の前に現れるまで反応できなかった。グレンは右手に持った大剣を振り上げ横からアランドロを斬りつける。
「グっ!!!!」
なんとかアランドロは体をグレンが振り下ろす大剣へと向け、両腕を体の前でクロスして向かって来る大剣を受け止めた。大きな音がして激しい衝撃がアランドロの全身を襲う。
「ぐううううううううう!!!」
踏ん張って耐えるアランドロだったが、グレンの一振りの威力はすさまじく足を甲板に着け引きずられ後退する。摩擦で足から煙を吐きながら後退するアランドロはクレアの元へと向かって行く。クレアは飛び上がってアランドロをかわそうとする。
後退しながらアランドロは必死に左腕を伸ばした。
「まちいな!!!」
飛び上がったクレアの足首をアランドロがつかんだ。アランドロはクレアの足を引っ張って引き寄せようと力を込める。クレアは眉間にシワを寄せ足元へ視線を向ける。
「触らないで! あなたの手…… 汚いので!!」
「がはっ!!! うわあああああああ!!!」
鋭く大剣が振り下ろされてアランドロの手首を激しく叩いた。アランドロの手はクレアの足から離れた。彼はそのまま引きずられていき耐え切れずに背中から倒れて甲板を転がって行った。
「とっとと……」
アランドロから解放され着地した、クレアはバランスを崩して倒れそうになった。しかし、すぐに彼女の肩はたくましい二つの手によって支えられる。顔をあげた彼女は嬉しそうにほほ笑む。
「大丈夫? 義姉ちゃん?」
「はい!」
クレアはうなずいて返事をすると…… 珍しく自ら両肩に置かれたグレンの手を外した。ハンカチを出して足首へともっていく。
「はぁ…… まったく…… ばっちいです……」
「ははっ……」
眉間にシワを寄せて嫌悪感丸出しで、アランドロがつかんだ足首を拭くクレアだった。グレンはその様子を見て苦笑いをするのだった。
「ふふ。ですねぇ」
ゆっくりとグレンは大剣を肩に担いで前を見つめる。彼らの二十メートルほど先の甲板にいつの間にかアランドロが立っていた。アランドロは右手を前に向けた姿勢で立って悔しそうにグレンとクレアを見つめていた。
手を下ろしたアランドロは二人を睨みつけた。
「お前ら…… グレンとクレアだろ? どういうつもりや!!!」
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「誰ですか? グレンとクレアなんて知りませんねぇ?」
「あぁ。俺達は”天使の涙”だ…… 誰だ? グレンとクレアって?」
ほぼ同時に二人は首をかしげてとぼけるのだった。二人を睨みつけていたアランドロの眉間のシワがどんどんと深くなり唇がわなわなと震え出す。
「じゃあかしいわ! ぼけぇ!!!! お前ら! 許さん!!!」
二人を指さして怒鳴りつけるアランドロだった。グレンとクレアは左手でフードを外して武器を持つ手に力を込める。
「あぁ。うるさいですね…… さっさと黙らせましょう」
「そうだな……」
大剣を構えて走り出すクレアとグレンだった。二人は左右に別れてアランドロとの距離を詰める。アレンドロは二人の動きについてこれずに接近を許してしまう。彼の口元がかすかに緩む。
「なっ!?」
グレンは驚いた顔で慌てて大剣を止めるが間に合わずに振り抜いた。アランドロの姿が消え目の前に樽が現れた。グレンの大剣は樽を叩き破壊した。しかし、グレンの目の前にいるはずのクレアの姿はなかった。
アランドロは甲板のヘリへと移動していた。とっさに彼は自身と樽を入れ替えていた。だが、直後にアランドロは
目を大きく見開いて驚いた顔をする。
「あなたの行動は読めてますよ!!」
クレアの声が届く。アランドロの目の前に大剣を構えたクレアが現れた。クレアはアランドロの行動を予測し大剣を引いて彼が移動先に現れるのを確認し距離を詰めていた。
横からクレアの大剣がアランドロの首へと向かって鋭く伸びていく。
「舐めるな!!!」
アランドロの右手を出して剣を防ごうとする。彼の右腕は肩まで銀色に変化していく。クレアの大剣とアランドロの右手がぶつかり大きな音が砂海に響く。
アランドロの右手は切られれはしなかったが、大剣の圧力に耐えきれる自分で自分と殴るようになった彼の顔に右手がめり込んだ。
「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!」
吹き飛ばされたアランドロは放物線と描き、数十メートルほど先の砂海へと落ちて行った。頭から砂海に落ちたアランドロの両足が砂海から突き出していた。
「舐めてるのはあなたですよ。これでも私は第一勇者候補ですよ」
砂海に落ちたアランドロを冷たい目で見つめ、吐き捨てるように言葉をぶつけるクレアだった。グレンが駆けてきてクレアから五メートルほど離れた甲板のヘリに立って砂海を覗く。
「これで…… 終わりじゃないですよ! 気をつけてください」
「あぁ……」
風が出て砂がわずかに舞い上がると、突き出ていたアランドロの足が消えた。クレアは静かに視線を左右に動かして彼を探す。グレンもアランドロを必死に探している。
「グレン君! 気をつけてください!」
「あぁ…… あいつ…… 砂と自分を入れ替えながら移動してるな……」
砂海の砂が不規則に舞い上がっている。アランドロは砂上船へと吹き付ける風で、舞い上がった砂と自分を入れ替え砂上船に戻ろうとしていたのだ。
「樽……」
突如として砂海に樽が浮かぶグレンは気配に気づいて振り向いた。そこにはアランドロが右拳を振り上げて立って居た。彼の右腕に続き左腕も銀色へと変わっていた。
にやりと笑いアランドロは右拳をグレンへと突き出した。
「まずは! お前や!!!」
アランドロの拳はグレンの顔面を捉えた。グレンは顔を大きく横に振られ吹き飛ばされていく。そのまま勢いよく砂海へと突っ込んだ。大きな音がして砂埃が舞い上がりグレンの姿が砂海に消えた。
クレアは舞い上がる砂を呆然と見つめていた。アランドロは彼女に顔を向け拳を空に突き上げた。
「どや!!!! お前の男を始末してやったで!!!」
アランドロはクレアに向かって叫び勝ち誇った顔で舞い上がる砂へと顔を向けた。クレアはアランドロを見て優しくほほ笑む。
「ふふ…… いつまで経ってもあなたは本物を見る目がないですね。グレン君はあんなことじゃ傷一つ付きませんよ」
「なんやと!!!!」
舞い上がった砂が消えていく。砂海に出来たくぼみの真ん中にグレンが静かに立って居た。
「はははーーー」
砂上船に顔を向け殴られた頬を左手の甲で軽く握って笑うグレンだった。グレンの態度がアランドロは気に食わずに怒り彼を怒鳴りつける。
「なにがおかしい!!!」
アランドロに向かって余裕の笑みを浮かべグレンが口を開く。
「逃げてばかりの腰抜け野郎かと思ったけどちゃんと腰いれて殴れるんだなって褒めてやってんだよ」
大剣を肩に担いで左腕を伸ばしてアランドロを指すグレンだった。
「チッ! そんなやすい挑発にわいは乗らんで……」
「そうかい。だったら俺が行ってやるよ!!」
空気が破裂するようなドンという音がして、グレンが居た場所の砂がまた激しく舞い上がった。
「なっ!?」
「おらよ!!」
アランドロの目の前にグレンが飛んで来た。砂が舞い上がるとほぼ同時に飛んで来たグレンにアランドロは彼が目の前に現れるまで反応できなかった。グレンは右手に持った大剣を振り上げ横からアランドロを斬りつける。
「グっ!!!!」
なんとかアランドロは体をグレンが振り下ろす大剣へと向け、両腕を体の前でクロスして向かって来る大剣を受け止めた。大きな音がして激しい衝撃がアランドロの全身を襲う。
「ぐううううううううう!!!」
踏ん張って耐えるアランドロだったが、グレンの一振りの威力はすさまじく足を甲板に着け引きずられ後退する。摩擦で足から煙を吐きながら後退するアランドロはクレアの元へと向かって行く。クレアは飛び上がってアランドロをかわそうとする。
後退しながらアランドロは必死に左腕を伸ばした。
「まちいな!!!」
飛び上がったクレアの足首をアランドロがつかんだ。アランドロはクレアの足を引っ張って引き寄せようと力を込める。クレアは眉間にシワを寄せ足元へ視線を向ける。
「触らないで! あなたの手…… 汚いので!!」
「がはっ!!! うわあああああああ!!!」
鋭く大剣が振り下ろされてアランドロの手首を激しく叩いた。アランドロの手はクレアの足から離れた。彼はそのまま引きずられていき耐え切れずに背中から倒れて甲板を転がって行った。
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「大丈夫? 義姉ちゃん?」
「はい!」
クレアはうなずいて返事をすると…… 珍しく自ら両肩に置かれたグレンの手を外した。ハンカチを出して足首へともっていく。
「はぁ…… まったく…… ばっちいです……」
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