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第4章 深い森に迷う二人の姉
第293話 逃げてまた会おう
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「でっでも!」
援軍が来ると聞いても躊躇する、キティルの肩にメルダは優しく手を置いた。
「エリィは見つかったわ。でも今は彼女じゃない。ここは引いてまた助けに来るの!!!」
「わかった…… ありがとう。メルダ!」
うなずいたキティルにメルダがほほ笑んだ。だが、魔族は二人を見て地面を蹴って駆け出す。
「逃がすわけないですよ!」
魔族は右手を振り上げ爪をキティルとメルダに向けた。しかし、彼女の前に白い光と緑色の影が現れた。目の前に現れた邪魔者に魔族は爪を振り下ろした。
「どけえええええええええええええええええええ!!!!!」
ふわりをした風が魔族の頬を撫でた。直後に大きな衝撃が音が周囲に響く。
「なっ!? グハアアアアアアアアアアア!!!!」
姿勢のまま魔族の足は引きずられた地面がえぐれ草原の草が空中に舞った。直後…… 魔族の右腕が地面に落ちて胸が真一文字に切り裂かれた。魔族の口の端から血が溢れ開いたとたんに胸から血が噴き出した。
足元に血だまりができていく地面の上に、オールを持った右腕を横に伸ばしたジャスミンが立っていた。ジャスミンは瞬時に魔族の前に回り込み振り下ろされた腕を切り落としのだ。
唖然とするキティルとメルダ、ジャスミンはすぐに振り向いてほほ笑み二人に声をかける。
「行きますよ。メルダ…… キティル!」
キティルとメルダはうなずいた。メルダとキティルは手をつないで飛び上がり、ジャスミンが続く。三人はツリーローダーまで逃げたのだった。
三人が去った野原で魔族と眠るディーアが倒れている。意識が残る魔族はなんとか体を起こし、片腕で何とかはいずりながらディーアの元へと近づく。ディーアは地面に横にされたまま、静かに寝息を立て気持ちよさそうに寝ている。
「クッ! ディーア…… なんで……」
ディーアを保護しようとしているだろうか、必死に彼女に向かって魔族は手を伸ばそうする。
「こうなったら…… こいつを…… 使うしか……」
左手の爪を伸ばした魔族はディーアの心臓に先端を向けた。ゆっくりと爪がディーアの心臓へと下りていく。魔族の爪の先端がわずかに赤く光り焦げ臭い香りが漂う。
「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」
いきなり爪から炎が噴き出し、即座に火は魔族の全身に回りあっという間に魔族は真っ黒に焦げた。日はすぐにおさまり、消し炭になった魔族の体がだけが残った。真っ黒な魔族の体から湯気のような白い煙が空へと上っていく。そよ風がふわりと吹き抜けるとボロボロと魔族の焦げた体が崩れて灰になった。わずかに焼け残った角の破片が灰の塊に浮かんでいる。
そこへ地下遺跡の階段から二人の人間が飛び出て来た。地下遺跡から出て来たのはウォルフとガイルだった。
「むぅ! こっこれは…… クソ!!」
庭の惨状を見たウォルフが声をあげ慌てて駆け出した。ガイルが彼に続いた。二人は倒れたディーアの元へ向かった。ウォルフは膝をつきディーアを抱き起す。
「ディーア様…… 大丈夫だ…… 寝ているだけだ」
「おぉ! よかった……」
ウォルフはディーアを見て安堵の表情を浮かべた。ガイルも同じように安堵の表情を浮かべた。
「うん!?」
地面に転がった灰に気づいたガイルがしゃがんでそっと手を伸ばした。灰をつまんでガイルはまじまじと見つめる。
「これは……」
「聖女様の服には猊下の守護魔法がかかっている。不埒なやからが手をだそうとしたんだろう……」
「なっ!?」
ウォルフの言葉に驚くガイルだった。ウォルフは目を細め渋い顔をした。彼の視線は灰に浮かぶ角の破片に向けられた。
「不埒者はお前の母親グロリアのようだが……」
「それは…… 申し訳ありません…… 母はきっと聖女様に力を借りよう…… うっ!!!」
ガイルが言葉が途切れた。ディーアの背中を左手で支え抱き起したまま、ウォルフは素早く右手の人指し指を立てガイルに向けた。ウォルフの指から光の剣が伸びていきガイルの喉元に突きつけられた。
「聖女様の力をみだりに使おうなど二度と考えるのはやめることだ。母の後を追いたくないならな……」
「はっはい……」
光りの剣の輝きがガイルを照らす。冷や汗を流しながらガイルはウォルフの言葉に返事をした。ウォルフの指から伸びた光の剣はゆっくりと短くなり消えて行った。
「お前の部下に周囲の安全を確かめさせろ! 猊下をこれ以上失望させるなよ」
「はっはい!」
ガイルは返事をすると地面を蹴って飛び上がった。ガイルの皮膚が赤くなり背中に翼が生え体も大きくなる。額に一本の角が生え目は黄色く光り出す。
「ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」
空中で口を開く魔族の連絡笛を鳴らすガイルだった。
森を飛んでい逃げるキティル、メルダ、ジャスミンの三人。速度をあげ彼らは一心不乱に、ガエロの怒りの断崖を目指していた。
メルダはキティルと手をつないで先を行き、二人のすぐ後ろをジャスミンが飛んでいる。
「エリィ…… どうして……」
「キティル…… ムっ!」
「キャッ!」
しょんぼりとうつむきながら飛ぶキティルにメルダは頬を膨らませた。彼女はキティルの手を引っ張って自分に引き寄せた。
「なっなにするの?」
「この!」
「わっ!? ちょっと! やめて…… あはははは! くすぐらないで!」
メルダはキティルの脇に左手を伸ばしてくすぐった。自分にくすぐられて笑う彼女を見てメルダは満足そうにうなずいた。
「よし! まったく…… 暗い顔してないで今できることを考えなさい。私達は…… あそこで見たことをあいつらに伝えるのよ」
「えっ!?」
驚いた表情をするキティルにメルダは、ちょっとだけ悔しさをにじませ口を開く。
「あいつら…… クレアやオリビアなら…… きっと…… なんとかしてくれるわ」
「メルダ…… そうだね。みんなでなんとかしよう」
キティルの表情が明るくなった。メルダは彼女を見てほほ笑んだ。見つめ合う二人を見てジャスミンは嬉しそうに笑っていた。
「!? 来たでござるな」
ジャスミンは真顔になり振り向き視線を後方へ向けた。何かに気づいたようだ。ジャスミンの様子に気づいたメルダが声をかけうr。
「どうしたの? ジャスミン!」
「追手でござる……」
「チッ」
後方を見ながら厳しい表情をするジャスミンに舌打ちをするメルダだった。ジャスミンは福音派が出した追っ手が近づいているのに気づいたのだ。
オールを持つ手に力を込めたジャスミンは反転して戻っていく。
「ちょっと! どこいくのよ?」
「足止めをしてくるでござるよ。先に行くでござる」
「えっ!? まっ待ちなさいよ!」
振り向いたジャスミンは二人にニコッとほほ笑み、オールを肩にかつぐと速度をあげて行ってしまった。
「大丈夫よね……」
「うん。多分……」
キティルとメルダは顔を見合わせ、不安そうに飛んで行くジャスミンを見つめていた。
二人と別れたジャスミンは高速で飛んでいた。彼女は真顔で視線を左右に動かしていた。
「はっ!!!」
空気を切り裂くような音がして、ジャスミンに向かって炎の球がうねりをあげ飛んで来た。ジャスミンは声をあげオールを横に振り抜いた。振りぬかれたオールと炎の球に打ち返した。
大きな衝突音が鳴り響き炎の球が飛んで行った。炎の球は森の中へと消えて行く。
「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
炎の球が飛んで行った場所から声が上がった。ジャスミンは声が上がる方向を見て口元を緩ませるのだった。
援軍が来ると聞いても躊躇する、キティルの肩にメルダは優しく手を置いた。
「エリィは見つかったわ。でも今は彼女じゃない。ここは引いてまた助けに来るの!!!」
「わかった…… ありがとう。メルダ!」
うなずいたキティルにメルダがほほ笑んだ。だが、魔族は二人を見て地面を蹴って駆け出す。
「逃がすわけないですよ!」
魔族は右手を振り上げ爪をキティルとメルダに向けた。しかし、彼女の前に白い光と緑色の影が現れた。目の前に現れた邪魔者に魔族は爪を振り下ろした。
「どけえええええええええええええええええええ!!!!!」
ふわりをした風が魔族の頬を撫でた。直後に大きな衝撃が音が周囲に響く。
「なっ!? グハアアアアアアアアアアア!!!!」
姿勢のまま魔族の足は引きずられた地面がえぐれ草原の草が空中に舞った。直後…… 魔族の右腕が地面に落ちて胸が真一文字に切り裂かれた。魔族の口の端から血が溢れ開いたとたんに胸から血が噴き出した。
足元に血だまりができていく地面の上に、オールを持った右腕を横に伸ばしたジャスミンが立っていた。ジャスミンは瞬時に魔族の前に回り込み振り下ろされた腕を切り落としのだ。
唖然とするキティルとメルダ、ジャスミンはすぐに振り向いてほほ笑み二人に声をかける。
「行きますよ。メルダ…… キティル!」
キティルとメルダはうなずいた。メルダとキティルは手をつないで飛び上がり、ジャスミンが続く。三人はツリーローダーまで逃げたのだった。
三人が去った野原で魔族と眠るディーアが倒れている。意識が残る魔族はなんとか体を起こし、片腕で何とかはいずりながらディーアの元へと近づく。ディーアは地面に横にされたまま、静かに寝息を立て気持ちよさそうに寝ている。
「クッ! ディーア…… なんで……」
ディーアを保護しようとしているだろうか、必死に彼女に向かって魔族は手を伸ばそうする。
「こうなったら…… こいつを…… 使うしか……」
左手の爪を伸ばした魔族はディーアの心臓に先端を向けた。ゆっくりと爪がディーアの心臓へと下りていく。魔族の爪の先端がわずかに赤く光り焦げ臭い香りが漂う。
「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」
いきなり爪から炎が噴き出し、即座に火は魔族の全身に回りあっという間に魔族は真っ黒に焦げた。日はすぐにおさまり、消し炭になった魔族の体がだけが残った。真っ黒な魔族の体から湯気のような白い煙が空へと上っていく。そよ風がふわりと吹き抜けるとボロボロと魔族の焦げた体が崩れて灰になった。わずかに焼け残った角の破片が灰の塊に浮かんでいる。
そこへ地下遺跡の階段から二人の人間が飛び出て来た。地下遺跡から出て来たのはウォルフとガイルだった。
「むぅ! こっこれは…… クソ!!」
庭の惨状を見たウォルフが声をあげ慌てて駆け出した。ガイルが彼に続いた。二人は倒れたディーアの元へ向かった。ウォルフは膝をつきディーアを抱き起す。
「ディーア様…… 大丈夫だ…… 寝ているだけだ」
「おぉ! よかった……」
ウォルフはディーアを見て安堵の表情を浮かべた。ガイルも同じように安堵の表情を浮かべた。
「うん!?」
地面に転がった灰に気づいたガイルがしゃがんでそっと手を伸ばした。灰をつまんでガイルはまじまじと見つめる。
「これは……」
「聖女様の服には猊下の守護魔法がかかっている。不埒なやからが手をだそうとしたんだろう……」
「なっ!?」
ウォルフの言葉に驚くガイルだった。ウォルフは目を細め渋い顔をした。彼の視線は灰に浮かぶ角の破片に向けられた。
「不埒者はお前の母親グロリアのようだが……」
「それは…… 申し訳ありません…… 母はきっと聖女様に力を借りよう…… うっ!!!」
ガイルが言葉が途切れた。ディーアの背中を左手で支え抱き起したまま、ウォルフは素早く右手の人指し指を立てガイルに向けた。ウォルフの指から光の剣が伸びていきガイルの喉元に突きつけられた。
「聖女様の力をみだりに使おうなど二度と考えるのはやめることだ。母の後を追いたくないならな……」
「はっはい……」
光りの剣の輝きがガイルを照らす。冷や汗を流しながらガイルはウォルフの言葉に返事をした。ウォルフの指から伸びた光の剣はゆっくりと短くなり消えて行った。
「お前の部下に周囲の安全を確かめさせろ! 猊下をこれ以上失望させるなよ」
「はっはい!」
ガイルは返事をすると地面を蹴って飛び上がった。ガイルの皮膚が赤くなり背中に翼が生え体も大きくなる。額に一本の角が生え目は黄色く光り出す。
「ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」
空中で口を開く魔族の連絡笛を鳴らすガイルだった。
森を飛んでい逃げるキティル、メルダ、ジャスミンの三人。速度をあげ彼らは一心不乱に、ガエロの怒りの断崖を目指していた。
メルダはキティルと手をつないで先を行き、二人のすぐ後ろをジャスミンが飛んでいる。
「エリィ…… どうして……」
「キティル…… ムっ!」
「キャッ!」
しょんぼりとうつむきながら飛ぶキティルにメルダは頬を膨らませた。彼女はキティルの手を引っ張って自分に引き寄せた。
「なっなにするの?」
「この!」
「わっ!? ちょっと! やめて…… あはははは! くすぐらないで!」
メルダはキティルの脇に左手を伸ばしてくすぐった。自分にくすぐられて笑う彼女を見てメルダは満足そうにうなずいた。
「よし! まったく…… 暗い顔してないで今できることを考えなさい。私達は…… あそこで見たことをあいつらに伝えるのよ」
「えっ!?」
驚いた表情をするキティルにメルダは、ちょっとだけ悔しさをにじませ口を開く。
「あいつら…… クレアやオリビアなら…… きっと…… なんとかしてくれるわ」
「メルダ…… そうだね。みんなでなんとかしよう」
キティルの表情が明るくなった。メルダは彼女を見てほほ笑んだ。見つめ合う二人を見てジャスミンは嬉しそうに笑っていた。
「!? 来たでござるな」
ジャスミンは真顔になり振り向き視線を後方へ向けた。何かに気づいたようだ。ジャスミンの様子に気づいたメルダが声をかけうr。
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「追手でござる……」
「チッ」
後方を見ながら厳しい表情をするジャスミンに舌打ちをするメルダだった。ジャスミンは福音派が出した追っ手が近づいているのに気づいたのだ。
オールを持つ手に力を込めたジャスミンは反転して戻っていく。
「ちょっと! どこいくのよ?」
「足止めをしてくるでござるよ。先に行くでござる」
「えっ!? まっ待ちなさいよ!」
振り向いたジャスミンは二人にニコッとほほ笑み、オールを肩にかつぐと速度をあげて行ってしまった。
「大丈夫よね……」
「うん。多分……」
キティルとメルダは顔を見合わせ、不安そうに飛んで行くジャスミンを見つめていた。
二人と別れたジャスミンは高速で飛んでいた。彼女は真顔で視線を左右に動かしていた。
「はっ!!!」
空気を切り裂くような音がして、ジャスミンに向かって炎の球がうねりをあげ飛んで来た。ジャスミンは声をあげオールを横に振り抜いた。振りぬかれたオールと炎の球に打ち返した。
大きな衝突音が鳴り響き炎の球が飛んで行った。炎の球は森の中へと消えて行く。
「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
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