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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
32.異国の王子と令嬢たち
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リーリウムたちが教室に入ると、一斉に視線が集まる。
上位貴族の令嬢は制服でありながらも、美しいカーテシーで彼らに挨拶をする。
「おはようございます、皆さん。」
リーリウムが言葉を発すると、令嬢の中の一人が顔を上げ、話しかけてきた。
「リーリウム様、昨日は災難でしたわね。
あの男爵令嬢は、リーリウム様と殿下の愛情の深さをご存じなかったのかしら?」
怒り心頭といった様子で、ローラ・ハリス侯爵令嬢がリーリウムを気遣う。
「本当に。あんなに怒りを感じたのは、人生で初めてのことでしたわ!」
サラ・フェネル伯爵令嬢も珍しく怒っていた。
二人の令嬢は、リーリウムにとって数少ない友人と呼べる存在だった。
特に、サラはアンドレアスの妹とあって、小さな頃からいっしょに過ごすことも多かった。
昨日は、リーリウムの隣に常にヘンリクスがいたこともあって、話しかけるのを遠慮していたのだ。
「皆さまに心配をかけてしまって……。
わたくしは大丈夫ですわ。ありがとうございます。」
リーリウムは丁寧にお礼を言うと、教室の奥に進んでいく。
「あら、リーリウム様、どうぞ前の方にお座りになって?」
教室の前方が上位貴族、後方が下位貴族の席と決まっているわけではない。
お互いが、自然とそのように分かれて座っていたのだ。
ローラが声をかけるが、リーリウムはそれを断る。
「わたくしは後ろで大丈夫ですわ。
申し訳ないのですが、ローラ様とサラ様もこちらでいっしょに座ってくださらない?」
教室の後方で様子をみていた下位貴族たちも、リーリウムたちが近づくとおずおずお辞儀やカーテシーで挨拶をする。
「おはようございます。」
リーリウムは一人ひとりににこやかに挨拶をしていく。
三人掛けの窓際の席にルヴァリ、その隣にルドヴィク、そしてリーリウムが座る。
ルヴァリの前の席にはローラ、後ろの席にはサラを座らせた。
そして、ローラとサラ、それぞれの友人たちがその隣の席を埋めていく。
将来の社交界の中心人物が集まるその一角は、華やかさで満ちていた。
一方、教室に遅れて入ってきたアイリは、その様子を見て呆然としていた。
王子たちの隣の席に座ろうと、早朝から校門で待ち伏せをしていたのに、よく分からないレオポリス語でけむに巻かれ、慌てて教室へ向かうも、二人の王子は上位貴族の令嬢に囲まれていて、自分の入り込む余地が一切なかったのだから!
アイリはあきらめずに、令嬢たちに囲まれているルドヴィクたちに何とか話しかけるのだが、レオポリス語で返されるため、仕方がなく通路を挟んだ隣の席に座ろうとした。
しかし、その席からは下位貴族の令嬢たちに追い出されてしまった。
昨日のアイリの行動に反感を持った下位貴族の令嬢もいたのだ。
「ご令嬢方が勇ましくて頼りがいがあるのは良いのだけど、なんだかプリムラに悪い気がするなぁ……。」
ハーレム状態になっている現状を憂いて、ぼそりとルドヴィクが独り言つ。
「兄上、エレンシア王国の貴族令嬢は強いですね。」
ルヴァリも令嬢たちに圧倒され、心なしか肩身が狭そうに座っている。
それを隣で聴いていたリーリウムは、思わずクスクスと笑ってしまった。
「プリムラも了承済みですから、大丈夫ですわ。
ただ、ルヴァリ殿下は覚悟なさった方がよろしいかもしれませんわね。」
王国唯一の王子ヘンリクスはリーリウムと婚約をし、友好国の王太子ルドヴィクもプリムラと婚約直前なのだ。
アイリのように、ヘンリクスやルドヴィクに言い寄るなどというリスクを冒す令嬢はいない。
この学園での一番の優良物件は、誰が何といおうがルヴァリだ。
燃えるような赤い長髪を上品に一つに束ね、いつも優しい笑顔をたたえるルヴァリは、その物腰の柔らかさもあり、年ごろの令嬢たちの憧れなのだ。
「ええ~。そうかぁ。
僕は兄上のおまけのポジションが気軽だったのになぁ……。」
気の抜けるような声を出してうなだれるルヴァリを見て、ルドヴィクとリーリウムは思わず笑ってしまった。
「だけど、ちょっとかわいそうだね。」
前の方に着席をしたアイリをちらりと見て、ルヴァリが言う。
「ええ、このやり方は効果があるのかもしれないけれど、心が痛みます。
みんなが仲良くできる方法が見つかればよいのですが……」
リーリウムもアイリのことは嫌いだが、だからと言って傷つけていいわけではない。
「二人ともお人よしだなー。
あの子はへこたれていないよ。
どうせ今も、次の手を考えているに違いないさ。
どうやって僕たちに気に入られようか、どうやってリーリウムとプリムラを陥れようかってね。
変に同情していると、足元をすくわれかねないぞ。」
ルドヴィクは、隙だらけの二人に真剣に忠告するのだった。
上位貴族の令嬢は制服でありながらも、美しいカーテシーで彼らに挨拶をする。
「おはようございます、皆さん。」
リーリウムが言葉を発すると、令嬢の中の一人が顔を上げ、話しかけてきた。
「リーリウム様、昨日は災難でしたわね。
あの男爵令嬢は、リーリウム様と殿下の愛情の深さをご存じなかったのかしら?」
怒り心頭といった様子で、ローラ・ハリス侯爵令嬢がリーリウムを気遣う。
「本当に。あんなに怒りを感じたのは、人生で初めてのことでしたわ!」
サラ・フェネル伯爵令嬢も珍しく怒っていた。
二人の令嬢は、リーリウムにとって数少ない友人と呼べる存在だった。
特に、サラはアンドレアスの妹とあって、小さな頃からいっしょに過ごすことも多かった。
昨日は、リーリウムの隣に常にヘンリクスがいたこともあって、話しかけるのを遠慮していたのだ。
「皆さまに心配をかけてしまって……。
わたくしは大丈夫ですわ。ありがとうございます。」
リーリウムは丁寧にお礼を言うと、教室の奥に進んでいく。
「あら、リーリウム様、どうぞ前の方にお座りになって?」
教室の前方が上位貴族、後方が下位貴族の席と決まっているわけではない。
お互いが、自然とそのように分かれて座っていたのだ。
ローラが声をかけるが、リーリウムはそれを断る。
「わたくしは後ろで大丈夫ですわ。
申し訳ないのですが、ローラ様とサラ様もこちらでいっしょに座ってくださらない?」
教室の後方で様子をみていた下位貴族たちも、リーリウムたちが近づくとおずおずお辞儀やカーテシーで挨拶をする。
「おはようございます。」
リーリウムは一人ひとりににこやかに挨拶をしていく。
三人掛けの窓際の席にルヴァリ、その隣にルドヴィク、そしてリーリウムが座る。
ルヴァリの前の席にはローラ、後ろの席にはサラを座らせた。
そして、ローラとサラ、それぞれの友人たちがその隣の席を埋めていく。
将来の社交界の中心人物が集まるその一角は、華やかさで満ちていた。
一方、教室に遅れて入ってきたアイリは、その様子を見て呆然としていた。
王子たちの隣の席に座ろうと、早朝から校門で待ち伏せをしていたのに、よく分からないレオポリス語でけむに巻かれ、慌てて教室へ向かうも、二人の王子は上位貴族の令嬢に囲まれていて、自分の入り込む余地が一切なかったのだから!
アイリはあきらめずに、令嬢たちに囲まれているルドヴィクたちに何とか話しかけるのだが、レオポリス語で返されるため、仕方がなく通路を挟んだ隣の席に座ろうとした。
しかし、その席からは下位貴族の令嬢たちに追い出されてしまった。
昨日のアイリの行動に反感を持った下位貴族の令嬢もいたのだ。
「ご令嬢方が勇ましくて頼りがいがあるのは良いのだけど、なんだかプリムラに悪い気がするなぁ……。」
ハーレム状態になっている現状を憂いて、ぼそりとルドヴィクが独り言つ。
「兄上、エレンシア王国の貴族令嬢は強いですね。」
ルヴァリも令嬢たちに圧倒され、心なしか肩身が狭そうに座っている。
それを隣で聴いていたリーリウムは、思わずクスクスと笑ってしまった。
「プリムラも了承済みですから、大丈夫ですわ。
ただ、ルヴァリ殿下は覚悟なさった方がよろしいかもしれませんわね。」
王国唯一の王子ヘンリクスはリーリウムと婚約をし、友好国の王太子ルドヴィクもプリムラと婚約直前なのだ。
アイリのように、ヘンリクスやルドヴィクに言い寄るなどというリスクを冒す令嬢はいない。
この学園での一番の優良物件は、誰が何といおうがルヴァリだ。
燃えるような赤い長髪を上品に一つに束ね、いつも優しい笑顔をたたえるルヴァリは、その物腰の柔らかさもあり、年ごろの令嬢たちの憧れなのだ。
「ええ~。そうかぁ。
僕は兄上のおまけのポジションが気軽だったのになぁ……。」
気の抜けるような声を出してうなだれるルヴァリを見て、ルドヴィクとリーリウムは思わず笑ってしまった。
「だけど、ちょっとかわいそうだね。」
前の方に着席をしたアイリをちらりと見て、ルヴァリが言う。
「ええ、このやり方は効果があるのかもしれないけれど、心が痛みます。
みんなが仲良くできる方法が見つかればよいのですが……」
リーリウムもアイリのことは嫌いだが、だからと言って傷つけていいわけではない。
「二人ともお人よしだなー。
あの子はへこたれていないよ。
どうせ今も、次の手を考えているに違いないさ。
どうやって僕たちに気に入られようか、どうやってリーリウムとプリムラを陥れようかってね。
変に同情していると、足元をすくわれかねないぞ。」
ルドヴィクは、隙だらけの二人に真剣に忠告するのだった。
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