ゼラニウム

おこめ。

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正反対①

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高校なんて将来の選択時間を与えてくれる場所。
青春だとか思い出作りだとかそんなものに興味はない。

…はずだった。


-正反対-

カーテンの間から差し込む光に目を細め私は起き上がる。

AM 6:00

ゆっくりとカーテンを開けた。

『…雨だ。』

雨は嫌いだ。学校までの道のりで足元が濡れてしまう。
先月買ったお気に入りの靴下。
サイドについている赤いハートのマーク。
雨で台無しだ。

学校へは徒歩で10分。
受験前、志望したこの学校は校区外だったため先週、入学するとともに引っ越してきたのだ。

学校につくなり私は小走りで自分の席まで急いだ。
毎朝15分早めに来ては大好きな本を読むのが中学時代からの日課。
本は私を広い世界へ連れてっいてくれる。そう思うと学校なんてちっぽけなただの空間としか感じなくなる。
今日も読みかけのページを開き想像を膨らませる。
15分はあっという間に過ぎていく。

HRの時間だ。
私のクラスの担任、梶原先生が出席をとり連絡事項を伝え始めた。

梶原「今日の3.4限の美術の時間だが、担当の先生の都合で体育になった。体操服に着替えたら体育館に集合するように!」

教室は美術の授業を受けたかった女子と、体育の授業に喜ぶ男子の賛否両論なガヤで溢れかえり私は耳が痛い。
昔から騒がしいところはあまり好きじゃない。
なんだか不安になる。

ガラッ

突然教室の扉が開く音が周りを静めた。
1人の女の子が入ってきた。

「先生、ごめん!また遅刻したわー!」

梶原「宮野、、また遅刻か。補修が増えるぞ。気をつけろ。」

宮野「はいはーい」

宮野さん。
入学して1週間しかたっていないが彼女の名前と顔はすぐに覚えた。
印象、『遅刻魔』。
1週間まともに来たのは入学式のたった1日だけ。
茶髪でキラキラしたアクセをあちこちにつけ、派手派手しいネイルにメイク、スカート丈も短く、いわゆる『ギャル』だ。
私が一番苦手なタイプ。
あのメイク落としたら絶対美人なのにもったいない。。



1.2限が終わり次の授業の準備を急ぐ。
私は体操服に手を伸ばすと同時に横目でちらっと目に写ったのは宮野さん。

『寝てる…』

1.2限からずっと寝ている気がする。
起こした方がいいのか自分の中で対処方を探していると、私たちを気にすることなく男子が着替えを始めた。
私は急いで宮野さんに駆け寄った。

『み、宮野さん!次!体育!…ですよ。』

次第に声がフェードアウトしていく。

宮野『あ?…ああ、うち体操服持ってきてないからいいわぁ。』

予想外の返答に驚いたが周りの視線と空気に圧迫され自分自身が耐えられなくなってきた。

『体操服なら私が貸すから…はやく、男子が…着替え始めちゃってるから。』

聞こえるか聞こえないかくらいの声で発した。
気づけば宮野さんの右腕をつかんでいた。
宮野さんが何か言いたげな顔をしているがそんなのお構い無しに、掴んだ右腕を無理に引っ張って教室を勢いよく出ていった。

更衣室にはもう誰もいなかった。
そりゃそうだ。あと数分で授業が始まる。

宮野「ねぇ、体操服、まじで借りていいの?」

『え、あ、はい。私のでよければ。予備に買っておいたのがあるし…』

宮野「ありがとう。用意がいいんだね。」

私は無言で体操服を宮野さんに手渡した。
急いで着替えないと授業に遅れる。
入学して間もないこの時期にクラスで少しでも浮くような事はしたくない。
必死に着替えていると

宮野「あんた、園田って言うんだ。下の名前は?」

『え、なんで私の苗字…』

宮野「いや、袖に刺繍入ってるし。」

『…ハナ。園田ハナ。…です。』

宮野「そっか。よろしく!ハナ!」

宮野さんが笑みを浮かべながらこっちに握手を求めてきた。

『…はい。』

私はその手の期待に応えることなくシューズの紐を結ぶ。

宮野「あのさ、ハナって根暗?」

突然の質問に私はシューズの紐を結ぶ手を止めた。
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