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二話

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 桑野恍、23歳。
 どこにでもいる普通の小説家。
 主に書くジャンルはミステリーとかホラーとか。
 一時期はミステリーの大賞を取ったからとちやほやされていたのだが今は専ら注目もされないただの小説家に成り果ててしまった。
 締切にも迫られ、内容も思い浮かばない。
 そろそろ潮時かと思ったのだが、数日前に家に来てくれた担当の人に「休養が必要なのではないか」と言われた。
 そう言われればそうかもしれない。
 最近は寝ることも惜しまずに執筆ばかりに耽っていた。
 何かいい休息の取り方はないかと考えていると最近流行っている人間をペットとして飼えるようになったことを思い出した。
 金はまだ人気だった頃の分が残っている。
 俺は直ぐに専門店に向かい商品を物色し始めた。


 ***


 「お客様こちらはいかかでしょう?」

 声を掛けられ振り向くと俺と同年くらいの男性を引き連れ、店員がやって来ていた。

 「それは?」

 「こいつは触手が使えるんですよ。家事などを任せられるので便利ではないでしょうか」

 「触手、ですか……」 

 「値段は230万になりますが、いかがでしょう」

 なんと以外にも予算内だった。
 これなら家事も手伝って貰えそうだし、少しくらいは休息が取れるだろう。
 俺は直ぐにこいつを飼うことを決めた。
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