終焉の教室

シロタカズキ

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背信の箱 〜信じた先に待つ絶望〜

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背信の箱」と呼ばれるポイントにたどり着いたのは――

相馬 悠斗(そうま ゆうと)
星野 すみれ(ほしの すみれ)
 二人は、別々の通路から到着し、ほぼ同時にポイントの前で足を止めた。

 「……かぶったか」

 相馬 悠斗が息を吐く。

 「最悪ね……」

 星野 すみれも苦笑した。

 目の前にあるのは、3つの大きな箱だった。

 その横にはモニターが設置されており、指示が表示されていた。

『背信の箱 ~選択の試練~』
最大2人まで挑戦可能。
3つの箱の中に1つだけ「安全な箱」がある。
参加者は1人ずつ順番に箱を選び、開ける。
「安全な箱」を選んだ者はスタンプを獲得。
「危険な箱」を開けた者は即脱落。
ただし、先に選んだ者が「安全な箱」を選んだ場合、後の者には選択肢が2つしか残らない。
「安全な箱」が残っていなければ、後の者は100%死亡する。
 「……なるほどね」

 星野 すみれがモニターを見つめる。

 「先に選んだ者が“安全な箱”を取ってしまったら、後の者は確実に死ぬ……」

 「クソゲーすぎるだろ」

 相馬 悠斗が舌打ちした。

 「どうする? どっちが先に選ぶ?」

 すみれが問いかける。

 相馬は腕を組み、考え込む。

 どちらが先に選ぶか――その選択が、生死を分ける。

 「……俺が先に選ぶ。」

 彼は決意し、モニターの横にあるボタンを押した。

 『相馬 悠斗、選択権を獲得。』

 「……どれにする?」

 すみれが静かに問う。

 目の前に並ぶ3つの箱。

 - Aの箱
 - Bの箱
 - Cの箱

 「……クソ、これって運なのか?」

 相馬は慎重に考えながら、箱の前に立った。

 彼は、Bの箱を選んだ。

 カチッ。

 箱が開く。

 『安全な箱を選択しました。』

 「……助かった……!」

 相馬は息をつく。

 しかし――

 「ってことは……」

 星野 すみれの表情が曇る。

 残された箱は、AかC。

 そのうち、どちらかが「危険な箱」。

 「……私が死ぬ確率、50%ってことね」

 彼女は苦笑しながら、箱の前に立つ。

 「すみれ……」

 相馬が声をかける。

 「運試しね……どっちを選べばいいと思う?」

 「……俺にはわからねぇよ……」

 「そっか」

 彼女は一瞬目を閉じ、そして――

 Aの箱を選んだ。

 カチッ。

 「――っ!!」

 箱の中には、何もなかった。

 『安全な箱を選択しました。』

 「……っ!!」

 「……ってことは……?」

 相馬 悠斗が愕然とする。

 Cの箱――残された箱が、「危険な箱」だった。

 「俺……」

 彼は、自分が死ぬことを理解した。

 選択の順番を間違えた。

 彼が先に「安全な箱」を選んでしまったことで、すみれの選択肢が減り、最終的に彼に死が確定してしまった。

 「こんな……嘘だろ……?」

 『相馬 悠斗、脱落。』

 彼の足元に、赤い光の円が浮かび上がった。

 「ちょっ、待てよ!! まだ……!!」

 ズルッ!!

 彼の体が、一気に床へ沈み始める。

 「やめろ!! こんなクソゲーで死ぬなんて、ふざけんなよ!!」

 彼は必死に床を掴もうとするが、指が滑る。

 「すみれ!! 俺の手を掴んでくれ!!」

 「……ごめん」

 星野 すみれは、静かに目を伏せた。

 「おいっ……!! ふざけんなよ……!!」

 ズルルル……

 相馬 悠斗の体は、完全に床へと吸い込まれていった。

 「いやだ……助け……助け……!!」

 ズルッ!!

 ――沈黙。

 モニターには、無情にも表示された。

 『相馬 悠斗、退場。』

 静寂。

 「……終わったわね」

 星野 すみれは、無言のままスタンプを押し、静かにその場を後にした。

 クラスの人数は、12人になった。
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