田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

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第16話 謙虚と過信でグルングルン

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牛の戦士ミノタウルスが、嬉しそうによだれを垂らしている。



まるで、何十年もこの瞬間を待っていたかのように。



恋人に会う前や、待ちきれないプレゼントを開けるかのように。



こちらをジッと見つめている。



















・・・大丈夫だ。



俺は6つレベルが上がり、土魔法も5つ上がっている




~~~~~~~~~~~~~~~~

名前:アルピエロ
レベル:10 称号:地に愛されし者
使用魔法:土魔法Lv8
使用技能:剣術Lv2、盾術Lv3
特殊状態:なし

~~~~~~~~~~~~~~~~







こうなっている訳だ。











・・・勝てるんじゃないか?













生み出す土や石は、格段に質の良いものになっている。

土魔法のレベルが上がったからだろう。泥は粘土の様に形を自在に変え、今までの様にかけるだけでなく、何かの像を作る事も出来る様になっていた。単純に自分の美意識の問題か、自分そっくりにしてみたかったが、出来なかった。



石は鉄や銅を含んだ様に、硬い物質が入っている。当たる衝撃が強くなった印象で、同じ速度で当てた攻撃も、その硬度を感じられるような破壊力を持ち始めていた。



















自分の動きだって、どんどん良くなる。今迄は予測しないと避けられなかった攻撃も。今では、目で見てから避ける事も十分に可能となった。猪やシカを相手にしていた田舎での戦い方とは、雲泥の差だ。余裕が、戦いの中に生まれ始めていたのだ。






初めは、動きに自分が戸惑ったが、ここに来るまでに随分と慣れた。



今迄では、転がるなどの避け方しか出来なかったのが、横っ飛び一つで簡単に避けられるようになっている。魔物を脅威と感じられなくなってきた程に。攻撃を遅く感じられるようにもなっていた。













身体能力が純粋に上がっている。



リッチの前で、無様に逃げていた時とは違う。

アイツはS級だと聞いた。



あれで逃げれたんだ。

たとえ危険なこいつでも大丈夫だろう。



















自分を試したくなった



そう思うのは、強くなった反動だろうか。

















自分に出せる、最大限硬くした剣と盾を出し、倒す方法を考える。



「俺は・・・強くなった。」



息を整える













吠え切った牛の戦士ミノタウルスが、満足そうにこちらを目に捉え、二やついている。





牛の戦士が舌舐めずりしてから、後ろに仰け反る。その反動で急加速してこちらに突進してくる。



…戦いの火蓋が切られた瞬間だ。























高揚感が抑え付けられない。













いつからだろう?

茶化して戦うようになったのは。















熊やイノシシは、怒らせた方が狩り易かったからか?











違うな。

俺自身が自分に自信が無かったからだ。





確実な戦い方じゃないと死ぬと思っていた



【絶対に生き延びる】



それだけを考えていたから

怒らせる事で、相手の行動を単調にして、その後の行動を予測しやすくしていたのだ。そうなった相手がこちらに一秒でも早く攻撃しようとする事は肌でも感じていた。

その隙を突く戦い方しか、やってこなかった。それがいつだって自分の命を助けて来た。







今はどうなんだ?

レベルが上がり、死線を数回は越えた。



今の俺はどの立ち位置なんだ?









…知りたい。









考えていると、攻撃が来る。





ミノタウルスが斧を振り回す。



一つ一つを綺麗に躱していく。

今迄はみっともない逃げ方であった。











それが、今では立派に。遅く見えるのだ。



















そんな風に感じ、成長を実感する。













その感覚のまま、土壁を牛の戦士の下から出していく。

「ブモォオオオオオオ!!!!」





大げさに後方に転んでいく牛の戦士。



「なんだ。全然余裕じゃないか。」











そんな事を言いながら、転んでいるミノタウルスにトドメを刺そうと近付いていく。

























その時にやりと笑う牛の顔を見た。

その表情は見覚えがあった。



















過去、Dクラスの男達を罠にはめた時。



猪を罠に誘導した時。



教師サガを落とし穴に入れた時。















そんな時に、自分がしていた表情だ。



水面に移ってみた事や、ハメた相手の目の奥で見えた事がある、自分の表情だ。









「やb」



危ないと思い、逃げようとした、その時だ。













ミノタウルスが急に息を吹き返し、斧を下から振ってきた



辛うじて顔を後ろに引く事が出来たが、何かを切られた気がした。







後方に飛びのいて距離を取る。

反撃の為に剣を握ろうとするも、何かがおかしい















ふと見ると、右腕が無い。いとも簡単に転ばされたのは演技か。





この魔物は頭が良い・・・

自分に有利になる様に行動している・・・



本当は俺がやるべき行動だった。









後悔しながらも、追撃が来る。



役に立たない土壁を出しながら、転がる様に逃げていく。右腕が無いだけでこんなにバランスも崩れるとは。頭が混乱する。混乱が止まらない。









嬉しそうに斧を振り回す牛に、次第に腹が立つ







【絶対に生き延びろ】



母から言われた言葉だ













こんな牛におもちゃにされてたまるか!!



死んでたまるか!!!













逃げながらも

腹が立ちながらも

追撃されながらも







思考が回転していく













この牛を倒す事だけに集中していく













侮っていたのだ。

驕っていたのだ。

間違いなく自分の責だ。













それは認める。

ただそれで死ぬのは嫌だ。

絶対に生き延びる!!













思考が冴えてきた



「やってやる・・・。牛野郎!絶対俺は生き延びる!!!」



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