田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

waru

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第22話 占いで行動する人、ボク嫌い

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ダリアが教えてくれるという事で奥で茶を待つアル。

「ちょっと待て。」
「え?」



「時間はあるか?」
「・・・はい。」


「まずい客が来たようだ」

「は?」






「・・・俺の事か?随分だなダリア?」


急に、先程俺が居た所から声がする。

「今日は何だ?ジン。」
「用はソイツだ。アルピエロ君?」


ヤバい気がした

悪寒がする

コイツはまずいと全身が訴える

本能が逃げろと言う



「・・・・俺は貴方を知らない。」

「俺は知ってるよ?Fクラスで土属性。田舎のアノビス出身で、友達はAクラスのユナやFクラスのリン・アズ・カナ・モモ・・・・・」





何だ。

何なんだこの人。

情報が握られている。



逃げてもまずい。
友人の誰かに影響しそうだ

この街に来てから、アノビスの名は直接語らなかった。


意味も無いかと思ったが、何かあった際に逃げる時に、素性は隠す方が安全だと考えていたからだ。



何故知っている?




警戒心が止まらない。
危険だと感じ続ける。



「おーおー。警戒してるな。」



「そりゃそうだな。お前警戒して生活してるもんな。面倒だったぜ、調べるの。簡単にはいかない様に、申請とかも適当に書いていい書類には正直に書いてないもんな。」




「・・・要件は何ですか?」


「話が早いな。頭が回る。」





「俺は帝国の予言者に仕える、A級冒険者、ジン。」



身構える、俺。



「おっと。別に戦いに来てないぞ?」

そう言って姿を消す。

驚く俺の後ろから、声がする

「殺すなら、今もう死んでるぞ?」





冷汗が止まらない。

「大丈夫だアルピエロ。私がやらせん。」



怖いシスターから安全を保障される





「良かったな。安心だ」



ジンは軽口を叩く

死の恐怖を感じた後で、安心など愚の骨頂だ


「・・・アンタについては分かった。肝心の要件は?」


「帝国の予言者が言うんだ。・・・近い将来に東の王国にいるアルピエロという奴が、南の蛮族を滅ぼすと。帝国への影響はまだ判らない。見て来いと。」


「どういう事だ?俺には何も地位も力もないぞ?」





「・・・お前が決める事じゃない。予言は絶対だ。」



冷たくジンが言う。


「其処にいるダリアがいい例だ。近い将来、東でシスターをやるって予言者が言った時に、皆が予言者は終わりだと帝国中で話題になったが、結果はこうだ。」



「殺すぞ?ジンは水攻めが嫌いだったな?」


「おいおい、ココで元A級とやるほど暇じゃない。…昔、俺を殺しかけたからって舐めてやがるのは癪だがな。俺は忙しい。」



「今でも雑魚だと思っているよ、迅速の子猫?」

「クソが。迅速の豹は俺が言ったんじゃねえ。忘れろ」



…状況を整理しよう。

帝国の予言で南の蛮族を俺が滅ぼすってか。



…頭がおかしい。

俺は模擬大戦で一回戦が限界。身体もボロボロだ。ミノタウルスにもギリギリ勝った。リッチにはアレスに助けられないと殺されていた。そんな俺。



そんな俺に脅威を感じるなら、帝国も頭がおかしい。と少し思った。




違うな。
そこで少し考え直した。

俺は神と出会っている。

【邪を払え】と。



半分程度しか信じていなかった。

自分に言うのがおかしいと。





だから調べていた。

図書館で調べ、ここまで来たのだ。

全部知ってから会話すれば、また違う結果かもしれない。



だが今は違う。


「・・・すみませんが、俺は神すら知らない男です。今、神の成り立ちも、そこのシスターに聞く所でした。こんな無知が何か大事を起こせる自信は無い。求める人はもしかしたら違う人かもしれませんよ?」


「それは俺が決める。少なくても、お前には何かの特異な雰囲気がある。」

「そう・・・ですか。」


「まあ、会話しようぜ。良い人材なら連れて帰りたいしな」

「私の目の前で拉致は許さんぞ?」

「は?やってみるか?」



「あ?」

「ああ?」


喧嘩モードだ。

逃げたい。


ジンが両手を挙げて降参のポーズをとる

「今日はやめる」
「まあダリアの強さも能力も知ってる。それならそれで準備をするよ。」

「おいこら。許すか馬鹿者。」
「俺には予言者からの使命がある。俺の命より重たい使命だ」

「・・・・変わったなジン。」
「盗賊だった昔とは違うんだよ」

「…してアルピエロよ。会って感じた。お前は予言に当てはまる奴だ。一回帝国に来て予言者に会って欲しい。時期はいつでも構わない。どうだろう?」



「…断ります。俺は王国生まれで王国の学園生。将来は大戦にも参加するんじゃないかな」

「お前は使い捨てされたいのか?」

「・・・・それは。嫌だな」

「王国に居てもいいが、死ぬな。予言は絶対だ。俺ら従者もそれが叶うように支援する。命を懸けてな。」

「・・・何故予言が重要なんですか?叶う為に努力するならそれは予言じゃなくて指示だと思いますけど・・・。」


ジンが少し考える

「お前は頭がいいな。」
「確かに予言を成す為に手を加えるのは悪に思われるかもしれない」

「予言は可能性の話だ。」
「より良い結果へ努力する事は悪か?」

「為すべき事をやらない事で堕落する未来も、困難を乗り越えて掴む未来も、全てみんなが持っている未来だ。その可能性を持つ人を予言者が知るだけだ。」

「ウチの予言者は性格が歪んでいるが、世界のすべてが上手く回る方向で考える。帝国の事よりもな。だから俺は信用している。」


成程、人の可能性を知る人か。

少し納得した

「だが、帝国に就くという理由にはなりません。俺には友達がいる。」

「予言の前で友達とは子供じみた発言だな。お前は幼い」


「話が合いませんね。俺はいかない。」
「そうか。まだ俺はこの街にいる。会いたくなったらこれを空に打て」



そう言って小筒を渡される

床に置いて紐を引っ張ると打ちあがるとの事だった。


「打つ事ないと思いますけど・・・」

「それは運命が決める」

そう言ってジンは教会を出ようとする





「待て」

ダリアが止める



「ジン。」



「これは拉致ではないが、国を越えた勧誘だ。」

「法に反している」

「ダリア。手段は選ばんよ。レグ様に従うだけだ。」


「私は国に言うぞ?」
「それでいい。それで帝国に来るなら予言は正しいって事だ。」


そう言って姿を消すジン。
隠れて握りしめていた地雨と賢硬の持ち手にはじっとりとした汗が付いていた


「生きた心地がしなかった・・・」
「私が居るのにか?」


知らんもん

アンタの事知らんもん


「いや・・・ダリアさんの事良く知らないので・・・」

「近頃の生徒は私を知らんか。成程嬉しい時代になったものだ」

そう笑ってダリアがお茶を出してくれる



「話そうか、予言者に睨まれた土の子」
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