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第33話 ダリアの経験
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翌日、全ての準備を整え教会に向かう。
「早いな、学園をさぼったか?」
「違いますよ、俺実習終えてます」
「ん?」
「皆今実習なんです」
「成程な、優等生だったか」
いらない誤解を受けているが、もうそこに興味関心はない。聞きたい事はただ一つ。
「ダリアさん。早く話を聞かせて欲しい」
「そうだったな。それでは話そう。私が見た神代の品物たちや機械の事を。」
~~~~~~~~~~
‐それはまだ私が冒険者の頃-
「おい、そっちに行ったぞ?」
「分かってる。五月蠅いな」
そう言って魔物を狩っていく。
私ダリアは戦いに絶対の自信を持っていた。
どんな人間や魔物でも、切り刻む事から剣の魔女とも呼ばれた。
剣の魔女の名声が高まると、攻略される前のダンジョンや大昔の遺跡を多く探検した。
その中で2つ、神代を知る場所を見つけた。
一つは帝国のダンジョン。120階層もある深いモノで生き残ったのが私だけだった。
100階層までで私を雇った雇い主の全てが死んだ。そのまま帰るのも癪なので最深部前まで見ようとした。100階層を越えると、そこには大きな建物が多く存在し、その多くに透明な窓があった。大きな石で出来た柱も多く、そこには何本もの線が張り巡らされていた。
そこで出てくる魔物も変わっていた。
犬の半分が鉄や配管で出来ている物、全身が鉄の鳥、ライオンの顔をした砲台。
最深部までの道のりで、見た事の無い文字が描かれた看板のような物も多く、書き写した。
・・・今はもうないがな。取られてしまった。
そこで見た物は鉄の塊が自立して動いている環境であった。
色んな文献を見たが、その時は知らなかった。これが神代の遺産、機械であるという事を。
そのまま金に成りそうな物を捜していた所、最深部の扉の前に着き、諦めて帰った。
もう一つは蛮族の村の奥にある遺跡であった。
ここは私が行けた遺跡の中でトップクラスに古かった。どうにも強力な攻撃に備えた様な、そんな施設であった様に思えた。幾つもの鉄の扉が重なっており、それを破るとやはり鉄の塊たちに襲われた。
壁にも鉄の球を打ち込んでくる矢が発動する罠があるなど非常に警戒心の強い遺跡であった。その警戒によって、また私以外が倒れ攻略を諦めた場所だった。
しかし、その中に興味を引く物が複数あった。
まず人を呼び出す召喚の桶だ。何もない空間にいきなり人が現れるが、透き通っており、更に話が通じない。過去の出来事を只々訴えてくるようにも思えた。
更に人の気配に対して食事の提供をしてくる水晶だ。私が腹を空かして物色していた時。腹が減っているのか聞いてきて、そうだと応えると焼きたてのパンをくれたのだ。お礼を言うもその後は反応が無かった。それを寂しく思い持ってきたのだが、違う国で捕まった時に取り上げられてしまった。
最後は話した言葉を瞬時に文字にする板だ。他の者たちが生きている時に、私が話すとその横の板に話した言葉が浮き上がった。初めは呪文の類かと警戒したが、何時まで経っても何も起きずにいた。希少な物だと考えた当時の隊長が持って帰ろうとしていた。死んでしまったがな。
~~~~~~~~~~~~~~
「こんな所だ。」
ダリアさんは、ココまでをゆっくりと話してくれた。
「お前はどう思った?」
「どうって・・・・・。過去の遺跡も神代のダンジョンも鉄の塊が動いているんだ。共通点はある。そして話していて感じた。過去の人達はそれを使って生活していたんじゃないか?」
「・・どうしてそう思った?」
「空腹を伝えて食事が出る事や、話した事を文字として出すとか…魔物が中心になってはいないかなって。人間が中心の何かがある気がした。…うまく言えないけど。」
「鋭いな。私より鋭い」
そう言って笑うダリア。
「私は正直こういった話には興味がない人間だった。金に成るかと思って持ってきた品物が神代の時代と知ってから調べ始めたのだ。調べ始めてすぐは分からなかったが、殆どが人間の生活をサポートするような物であった。」
「・・・昔の文明は凄かったって事ですか?」
「そうかも知れんし、そうでないかも知れん」
「どういう事ですか?」
「それを知る為に、私も神から調べた。」
「おお!!」
「分かったのは、神の信仰者とそうでない者で、ある決定的な事象が変化している事だ。」
「ん?邪悪の存在とかですか?」
「ああ、信仰者は邪悪の存在を無いモノとし、そうでない者は邪悪が機械を使い人間を堕落させたという。」
「人間の生活を楽にするなら、堕落も間違いないですかね?」
「本当にそうか?私は優しいと感じた。まるで苦労させない様に配慮するのではないか?蛮族の遺跡では強い警戒を建物から感じるが、その先には感じなかった。まるで中の者を守り支える様に。」
成程。何故、堕落させる?殺せばいいのでは?そんなに半分鉄でできた身体の魔物だ、殺傷能力がある。邪悪は優しい?どういう意味なんだろう。
「より混乱したようだな。」
「・・・その通りです。」
「私が持っているのはこれくらいだ。後はお前が調べろ。」
「えええええ・・・・。」
「頑張れ、若者。」
そう言ってその日は会話を終えていく。
情報を得た。
それなのに・・・。
謎は深くなった気がする。邪悪は倒すべき相手なのかな?
混乱しつつ帰路に着く。
正直今日はギルドや訓練に向かう頭にはなれないかも知れない。
その日は悩みながら、部屋に引きこもっていく。
「早いな、学園をさぼったか?」
「違いますよ、俺実習終えてます」
「ん?」
「皆今実習なんです」
「成程な、優等生だったか」
いらない誤解を受けているが、もうそこに興味関心はない。聞きたい事はただ一つ。
「ダリアさん。早く話を聞かせて欲しい」
「そうだったな。それでは話そう。私が見た神代の品物たちや機械の事を。」
~~~~~~~~~~
‐それはまだ私が冒険者の頃-
「おい、そっちに行ったぞ?」
「分かってる。五月蠅いな」
そう言って魔物を狩っていく。
私ダリアは戦いに絶対の自信を持っていた。
どんな人間や魔物でも、切り刻む事から剣の魔女とも呼ばれた。
剣の魔女の名声が高まると、攻略される前のダンジョンや大昔の遺跡を多く探検した。
その中で2つ、神代を知る場所を見つけた。
一つは帝国のダンジョン。120階層もある深いモノで生き残ったのが私だけだった。
100階層までで私を雇った雇い主の全てが死んだ。そのまま帰るのも癪なので最深部前まで見ようとした。100階層を越えると、そこには大きな建物が多く存在し、その多くに透明な窓があった。大きな石で出来た柱も多く、そこには何本もの線が張り巡らされていた。
そこで出てくる魔物も変わっていた。
犬の半分が鉄や配管で出来ている物、全身が鉄の鳥、ライオンの顔をした砲台。
最深部までの道のりで、見た事の無い文字が描かれた看板のような物も多く、書き写した。
・・・今はもうないがな。取られてしまった。
そこで見た物は鉄の塊が自立して動いている環境であった。
色んな文献を見たが、その時は知らなかった。これが神代の遺産、機械であるという事を。
そのまま金に成りそうな物を捜していた所、最深部の扉の前に着き、諦めて帰った。
もう一つは蛮族の村の奥にある遺跡であった。
ここは私が行けた遺跡の中でトップクラスに古かった。どうにも強力な攻撃に備えた様な、そんな施設であった様に思えた。幾つもの鉄の扉が重なっており、それを破るとやはり鉄の塊たちに襲われた。
壁にも鉄の球を打ち込んでくる矢が発動する罠があるなど非常に警戒心の強い遺跡であった。その警戒によって、また私以外が倒れ攻略を諦めた場所だった。
しかし、その中に興味を引く物が複数あった。
まず人を呼び出す召喚の桶だ。何もない空間にいきなり人が現れるが、透き通っており、更に話が通じない。過去の出来事を只々訴えてくるようにも思えた。
更に人の気配に対して食事の提供をしてくる水晶だ。私が腹を空かして物色していた時。腹が減っているのか聞いてきて、そうだと応えると焼きたてのパンをくれたのだ。お礼を言うもその後は反応が無かった。それを寂しく思い持ってきたのだが、違う国で捕まった時に取り上げられてしまった。
最後は話した言葉を瞬時に文字にする板だ。他の者たちが生きている時に、私が話すとその横の板に話した言葉が浮き上がった。初めは呪文の類かと警戒したが、何時まで経っても何も起きずにいた。希少な物だと考えた当時の隊長が持って帰ろうとしていた。死んでしまったがな。
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「こんな所だ。」
ダリアさんは、ココまでをゆっくりと話してくれた。
「お前はどう思った?」
「どうって・・・・・。過去の遺跡も神代のダンジョンも鉄の塊が動いているんだ。共通点はある。そして話していて感じた。過去の人達はそれを使って生活していたんじゃないか?」
「・・どうしてそう思った?」
「空腹を伝えて食事が出る事や、話した事を文字として出すとか…魔物が中心になってはいないかなって。人間が中心の何かがある気がした。…うまく言えないけど。」
「鋭いな。私より鋭い」
そう言って笑うダリア。
「私は正直こういった話には興味がない人間だった。金に成るかと思って持ってきた品物が神代の時代と知ってから調べ始めたのだ。調べ始めてすぐは分からなかったが、殆どが人間の生活をサポートするような物であった。」
「・・・昔の文明は凄かったって事ですか?」
「そうかも知れんし、そうでないかも知れん」
「どういう事ですか?」
「それを知る為に、私も神から調べた。」
「おお!!」
「分かったのは、神の信仰者とそうでない者で、ある決定的な事象が変化している事だ。」
「ん?邪悪の存在とかですか?」
「ああ、信仰者は邪悪の存在を無いモノとし、そうでない者は邪悪が機械を使い人間を堕落させたという。」
「人間の生活を楽にするなら、堕落も間違いないですかね?」
「本当にそうか?私は優しいと感じた。まるで苦労させない様に配慮するのではないか?蛮族の遺跡では強い警戒を建物から感じるが、その先には感じなかった。まるで中の者を守り支える様に。」
成程。何故、堕落させる?殺せばいいのでは?そんなに半分鉄でできた身体の魔物だ、殺傷能力がある。邪悪は優しい?どういう意味なんだろう。
「より混乱したようだな。」
「・・・その通りです。」
「私が持っているのはこれくらいだ。後はお前が調べろ。」
「えええええ・・・・。」
「頑張れ、若者。」
そう言ってその日は会話を終えていく。
情報を得た。
それなのに・・・。
謎は深くなった気がする。邪悪は倒すべき相手なのかな?
混乱しつつ帰路に着く。
正直今日はギルドや訓練に向かう頭にはなれないかも知れない。
その日は悩みながら、部屋に引きこもっていく。
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