田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

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第44話 口から出た災いは責務

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「…あー。もう無理。」
「こ・・・こんなに大変とは。」

「カナ、疲れた~。」
「アル君、疲れた?身体拭く?」

「いや、俺は全然。モモの方が汗凄いぞ?」

5人は魔物を倒して、休憩していた。


「アズがあんなことを言うから。」
「アズが悪いー。」

「…あーあ、あんなこと言わなきゃ良かったよ。」


話は少し、さかのぼる。
あの後、リセ先輩と別れ、ギルドに向かった。

「ネムさん、こんにちは。」
「ああ、アル君。こんに・・・」


そこで言葉が止まった。
何といえばいいか判らない感情が、ネムを襲った。


非常にドストライクな少年が同年代の少女を連れてギルドに来たのだ。しかも3名。なんだコレは。もう少し年齢が低い奴らなら良い。但し数名、女性としてしっかりと身体が育っていやがる。ぶちころ・・・・。いや、違う。私は来月で27歳。何をこのような年齢の男に気持ちを持っていかれているのだ。落ち着け。よ~く見ろ。幼い顔立ち、少し生意気。でも自分には敬語を使う。可愛い。子犬か?は?食べるぞ?尊いからって何なんだ?鼻血が止まらないぞ?は?幸せ。もういい。幸せ。この思考に至るまで0.1秒であった。


「・・・・幸せ。」
「は?」


「・・・はっ!!ど、どうしたのアル君?こんなに女の子連れてきて。」


「はい。皆、僕のクラスメートです。僕らの先生が、実習で皆を庇って、重傷を負いました。・・・もうこんな思いしたくないんです。皆で強くなろうって・・・。そう決めて。…だから来ました。」


「はぅぅぅん!!忠犬ん!」

「え?」
「…何でもない。それで?」

「…はい。仲間で強くなろうと、友達が声かけてくれました。元々、僕は友達少なかったんで、増えて…嬉しいです。勿論、強くなる為ですけどね?」


「あかん。真っ白や。欲望が無い。純な気持ちや。・・・・汚れてんのは結局こっちや。」

「今日どうしたんですか?」
「…風邪。ダイジョウブ。」

「ロボットみたい」

「・・・素晴らしい話ね。でもねアル君。いくらアル君が強くても、その子達の力が足りなければ、結局アル君も危険なのよ?その子達のレベルは分かる?」



「皆レベル1です」
「ダメね。諦めなさい」


アズが急に割って入ってきた。
「お姉さん、私達だけで魔物を狩ってきたらどう?」

「うーん、そうね。最低危険度の魔物を狩れたら良いわよ。ただしアル君は力を貸さないのよ。貸したら失格よ?」

「それでいいです!行ってきます!!」


「…アズ!もう。…ネムさん、ありがとうございました!あとさっきから鼻血凄いですよ!!お大事に!!」

「・・・・死ねる。」
ギルドを飛び出していくアズと、それを追うその他3人。

「ちょっとアズ!勝手に決めないでよ!」

「強くなるチャンスを不意には出来ないわ」

「カナ、自信ない~。」
「私なんて魔力もない」

「どうすんのよー。もう・・・」

「大丈夫だ、リン」

そこでみんなが振り返る。
「皆が安全に戦えるように、俺らは俺らの戦い方を決めようか。」


そこで話し合った。
まずは前後左右の警戒をする必要がある。

隊列を組もうという事になった。
前方に進むのだから、前列後列で周囲警戒をするのが、望ましいという事になった。


前衛はアズ。
棒を持ちながら火の魔法で牽制する。

2列目はリン。
短剣を使いながら、障壁と飛行での高速移動で、周りを助ける。

3列目はモモだ。
今は何も出来ない分、スリンガーのような物を持たせ、敵の邪魔に徹する。

4列目はカナ。
弓を使用しつつ、全体回復を狙う。

この状態であれば、G級のゴブリンなどは大丈夫だろう。そう話し合った。


更に多数の魔物が来た場合にはアルが排除し、少数のみ相手取る形とした。本当は多数の魔物は逃げたいが、アルが「勿体ない」と嫌がる。リンは思う。こいつ、なかなか空気読まないなと。



そして森に入っていく。

警戒する私達。余裕過ぎて暇なのか、採取に励むアル。緊張感の違いに腹の立つリン。

「ちょっと・・・アル。緊張感が・・・・」

「来たぞ、皆。前だ。」


急に始まる戦闘。ゴブリン2体だ。
こん棒を持ってこちらに走ってくる。

「あああ!!いきなり来た!前よ、皆。」

「アズ、もっと早く言ってよ!」
「…急に出てきたの!!」

「事前に草むら動いてたろ?あれ、ゴブリン。」

「早く言ってよ!!」
「皆見てたから、判ったのかと」

「もー!!やってやるぅ!」

ドタバタしながらも、前衛のアズが棒で殴りかかるが、ゴブリンのこん棒に阻まれる。返す刀ならぬ、こん棒が飛んでくるが、アズは準備が取れていない。

「危ない!アズ!!」

リンが魔法で障壁を張ってアズを助ける。もう一体がアズをさらに狙うが、またリンが高速移動し、アズを押し出す事で助ける。後方からカナとモモがスリンガーと弓を打ち一匹のゴブリンに当たる。

「おいおい、大丈夫か?手伝うか?」

リンが応える。
「・・・・危なくなったらお願い。でも今は何とかやってみる。皆、行ける?」

「オッケー。もう油断しない。」
「援護する」
「カナ、回復するよー」

リーダーはリンの様だ。まとまり始めた。

「話し合った通りに動くんだ。間違いなく勝てる。」

次の動きは、統制が取れていた。

「カナ、モモ。お願い!!」

「了解!」
「カナ、いっくよー。」

後方支援が先に牽制する。

「ウガアァ!!」

ゴブリンが怯む。

怯ませたところに、火で覆った棒で殴るアズ。

「さっきはよくも!!おしっこ漏らしそうになったじゃない!!」

「ガガウゥ!!」
逃げようとするゴブリン

「本当にこの作戦、凄いわね・・・」

先に待ち構えていたリンが、短剣でゴブリンを切りつける。戦闘は5分もしないで終えた。


ここで話は戻る。

「初めての戦闘はどうだった?」

「無理・・・。心臓バクバク」

「怖かった・・・。」
「アル君いたから、大丈夫」

「作戦、成功だったねー。」

そこで全員がレベル上昇の声を聴いた。

それぞれレベルと属性が上がったそうだ。残念ながらモモは属性は上がらなかったそうだが。アズは棒術、リンは短剣、モモは投擲術、カナは弓術が強くなった。


「凄い・・・初めてレベル上がった。」

「レベルって模擬戦闘以外で上がるんだ・・」

「これなら…どんどん強くなれる。」
「自分を・・・変えれる。」

「よし、皆良い感じだな。あと50体くらい狩ろう。」

「「「「えええええ???」」」」


「…なんだ、足りないか?」



「多いのよ!!!」
「こっちはいっぱいいっぱいだわ!!」

「流石アル君・・・尊敬。」
「カナ、休みた~い」

そう言いつつ、アルに従っていくメンバー。狩りが終わったのは皆のレベルが5程度になった頃だった。

「あー。もう無理。」
「こ・・・こんなに大変とは」

「カナ、疲れた~。」
「アル君、疲れた?身体拭く?」

「いや、俺は全然。モモの方が汗凄いぞ?」

「私は大丈夫・・・属性も発動しなかったし・・・。」

「まあ、気にすんな」

5人は魔物を倒して休憩していた。

「これだけ倒せば、もうネムさんも納得するな」

「アズがあんなことを言うから。」
「アズが悪いー。」

「あーあ、あんなこと言わなきゃ良かったよ。」

狩った魔物を収納し、ギルドに帰っていく。ネムさんの驚く顔と、その後の安堵の顔が、印象的であった。

「・・・納得したわ。今日で仲間登録していく?」

「「「「はい!!」」」

そこでリン・アズ・カナ・モモと仲間登録をした。

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