田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

waru

文字の大きさ
49 / 63

第49話 弱者の生存戦略

しおりを挟む

「流石Fクラス。」

「…雑魚しかおらんな。」



「・・・・・アズ、全力だ。」
「ええ、もう殺す気で行くわ。」

「リン、障壁を張って戦おう」
「ええ、もうボロボロにされるのにも慣れちゃったわ・・・」


「カナ、回復が足りない!!」
「もう無理だよ~。」

「モモ、闇術当てられるか?」
「・・・無理。負けるのも運命。」

友人達と連携を取っても、死なない程度の攻撃で弾かれ、回復される。

そんな事を繰り返す事、なんと10時間。学園の授業の時間はとうに過ぎているというのに。Fクラスの授業は一向に終わらない。失神している子は勿論、失禁までしている子もいる。彼女たちの尊厳が害されている。



「先生、授業の終わる時間は・・・ふべらぁああ!!」


「もう限界・・・」
「もう死んだ方が楽・・・」

終わらない訓練に、アルは本腰を上げる。

「…クソぉ!!やってやる!!」

土壁を混ぜたコンビネーションを、打ち込んでいく。



「やっぱりお前だ。アル、お前が見込みある」

「だが、まだ甘い。」

そう言うとアルの意識はそこで消えた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「…ル君!アル君!!」

「…ハッ!!…ココは?…訓練は?」



「…Fクラスの宿舎だよ。大丈夫?」

リンが水をくれる。
「ありがとう。・・・ダリア先生は?」

「皆が意識を失って、回復しても起きなくなったから、訓練終了だって。無茶苦茶だよ、あの人。」


「通用しなかった・・。土壁や剣術、戦術が・・・。」

「あんな人、そうそう居ないって。…忘れよう?」

「・・・忘れちゃ駄目だ。俺、あの人に勝ちたい。そうそう居ないレベルに遭ったら、死ぬのも仕方ないのか?俺は絶対に嫌だ。死にたくない。」

「無茶よ。…凄い強いよあの人。」

「それでもだ。明日は勝ちたい。…その前に、サガのお見舞いに行きたいな。」


「もう・・・自分だってボロボロなのに・」



「手伝ってくれ、リン。」
「もう・・・仕方ないなあ」


ボロボロになった身体で、2人はサガの病院に向かった。


「おう、もう見舞いは腹いっぱいだ・・・。どうした?お前ら凄いボロボロだ。」


「サガ先生がお願いした教師に、ボコボコにされました。」

「あの人強すぎるよ」

「はは。成程な。初日からやったのか、あの人。どうだ?凄いだろ?」

「ちょっと!先生、どういうつもり?レベルも上がらないし、魔法の使い方も覚えない。あんなの意味ないよ!!」

「・・・違う。サガは皆に危険な奴の雰囲気を教えたかったんだ。危険に遭ったらすぐに逃げる事が出来る様に。」


「…アル、お前やっぱり頭良いな。勉強できない癖に。」

「…うるさいな。」

「そうだ。俺はクラスの生徒を守れなかった。今後もこんな事が有ったら、俺は生きている意味がねえ。生徒は生きて貰って、次の世代を育てなければいかん。その為なら嫌われたって良い。」

「そして思い付いたよ。ああ、俺も嫌いなった人に鍛えられて生き延びる手段を持ったなって。やばい奴を見たらすぐ逃げる。敵わないなら逃げる。死にそうな攻撃でも最後まで避けようと努力した。・・・・その根底はダリアさんの訓練があったからだって。」

「成程。【死なない為の授業】か。」

「そうだ。俺とアルが死ななくても他の子達が死ぬかもしれん。」

「それを俺は恐れた。そして相談した。そしたら一発OKだ。嬉しかったよ。これで皆が助かる可能性が上がるって。あの怖いダリアさんが女神に見えた。目がおかしくなったのかもな。」


「・・・・そしてこういった不満が来るのも、織り込み済みか。」

「そう言う事。皆にいうなよ?・・・・嫌われ役になる覚悟はさっき出来たばかりなんだ。流石に可愛い教え子にがっつり嫌われるのは辛すぎるからな。」


「もう、遅いよ。先生?」
「ああ?・・・・もう嫌われきったか?」

「違うよ、皆ここに来てる。・・・・皆聞いてたよ?」


ジャジャーン!!

皆がそれぞれの形で飛び出してくる。窓から、換気口から。ドアから。Fクラスの皆が、そこにはいた。


「・・・・・・・はあああ?まじか。クソ!こんな包帯をグルグル頭に巻きやがって!!気配が判んなかったじゃねえか!!趣味悪ぃじゃねえかよ、畜生。…こいつらの前でゲロってしまうとは…。」




「サガ先生、やっぱり好きー。」
「訓練は死ぬほど嫌だけど頑張るかな!」

「まあ、サガ先生戻って来るまでだし?」

「ダリア先生にも一泡吹かせたい」

「私もー!」
「皆、いいヤツらばかりだね。先生?」



「お前以外な?アルピエロ君。」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――

銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」 世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。 魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。 彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。 一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。 構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。 彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。 「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」 暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。 管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。 これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。 ※アルファポリスで先行で公開されます。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...