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第49話 弱者の生存戦略
しおりを挟む「流石Fクラス。」
「…雑魚しかおらんな。」
「・・・・・アズ、全力だ。」
「ええ、もう殺す気で行くわ。」
「リン、障壁を張って戦おう」
「ええ、もうボロボロにされるのにも慣れちゃったわ・・・」
「カナ、回復が足りない!!」
「もう無理だよ~。」
「モモ、闇術当てられるか?」
「・・・無理。負けるのも運命。」
友人達と連携を取っても、死なない程度の攻撃で弾かれ、回復される。
そんな事を繰り返す事、なんと10時間。学園の授業の時間はとうに過ぎているというのに。Fクラスの授業は一向に終わらない。失神している子は勿論、失禁までしている子もいる。彼女たちの尊厳が害されている。
「先生、授業の終わる時間は・・・ふべらぁああ!!」
「もう限界・・・」
「もう死んだ方が楽・・・」
終わらない訓練に、アルは本腰を上げる。
「…クソぉ!!やってやる!!」
土壁を混ぜたコンビネーションを、打ち込んでいく。
「やっぱりお前だ。アル、お前が見込みある」
「だが、まだ甘い。」
そう言うとアルの意識はそこで消えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…ル君!アル君!!」
「…ハッ!!…ココは?…訓練は?」
「…Fクラスの宿舎だよ。大丈夫?」
リンが水をくれる。
「ありがとう。・・・ダリア先生は?」
「皆が意識を失って、回復しても起きなくなったから、訓練終了だって。無茶苦茶だよ、あの人。」
「通用しなかった・・。土壁や剣術、戦術が・・・。」
「あんな人、そうそう居ないって。…忘れよう?」
「・・・忘れちゃ駄目だ。俺、あの人に勝ちたい。そうそう居ないレベルに遭ったら、死ぬのも仕方ないのか?俺は絶対に嫌だ。死にたくない。」
「無茶よ。…凄い強いよあの人。」
「それでもだ。明日は勝ちたい。…その前に、サガのお見舞いに行きたいな。」
「もう・・・自分だってボロボロなのに・」
「手伝ってくれ、リン。」
「もう・・・仕方ないなあ」
ボロボロになった身体で、2人はサガの病院に向かった。
「おう、もう見舞いは腹いっぱいだ・・・。どうした?お前ら凄いボロボロだ。」
「サガ先生がお願いした教師に、ボコボコにされました。」
「あの人強すぎるよ」
「はは。成程な。初日からやったのか、あの人。どうだ?凄いだろ?」
「ちょっと!先生、どういうつもり?レベルも上がらないし、魔法の使い方も覚えない。あんなの意味ないよ!!」
「・・・違う。サガは皆に危険な奴の雰囲気を教えたかったんだ。危険に遭ったらすぐに逃げる事が出来る様に。」
「…アル、お前やっぱり頭良いな。勉強できない癖に。」
「…うるさいな。」
「そうだ。俺はクラスの生徒を守れなかった。今後もこんな事が有ったら、俺は生きている意味がねえ。生徒は生きて貰って、次の世代を育てなければいかん。その為なら嫌われたって良い。」
「そして思い付いたよ。ああ、俺も嫌いなった人に鍛えられて生き延びる手段を持ったなって。やばい奴を見たらすぐ逃げる。敵わないなら逃げる。死にそうな攻撃でも最後まで避けようと努力した。・・・・その根底はダリアさんの訓練があったからだって。」
「成程。【死なない為の授業】か。」
「そうだ。俺とアルが死ななくても他の子達が死ぬかもしれん。」
「それを俺は恐れた。そして相談した。そしたら一発OKだ。嬉しかったよ。これで皆が助かる可能性が上がるって。あの怖いダリアさんが女神に見えた。目がおかしくなったのかもな。」
「・・・・そしてこういった不満が来るのも、織り込み済みか。」
「そう言う事。皆にいうなよ?・・・・嫌われ役になる覚悟はさっき出来たばかりなんだ。流石に可愛い教え子にがっつり嫌われるのは辛すぎるからな。」
「もう、遅いよ。先生?」
「ああ?・・・・もう嫌われきったか?」
「違うよ、皆ここに来てる。・・・・皆聞いてたよ?」
ジャジャーン!!
皆がそれぞれの形で飛び出してくる。窓から、換気口から。ドアから。Fクラスの皆が、そこにはいた。
「・・・・・・・はあああ?まじか。クソ!こんな包帯をグルグル頭に巻きやがって!!気配が判んなかったじゃねえか!!趣味悪ぃじゃねえかよ、畜生。…こいつらの前でゲロってしまうとは…。」
「サガ先生、やっぱり好きー。」
「訓練は死ぬほど嫌だけど頑張るかな!」
「まあ、サガ先生戻って来るまでだし?」
「ダリア先生にも一泡吹かせたい」
「私もー!」
「皆、いいヤツらばかりだね。先生?」
「お前以外な?アルピエロ君。」
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