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第54話 評判
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良い事か悪い事か、目的通りに訓練で評判になったFクラス。
それは性格の悪い人間たちへの格好の餌となった。
「おい、…あれだろ?」
「ああ、今日の朝の騒音。」
「やめろよな。みっともない」
「Fらしくしろよ」
「・・・でもD倒したって。」
「ああ、あれは性欲に負けたんだ」
「あ、成程な」
「今回も噛ませ犬だろ。」
「それなー。」
そんな事を口々に言われる。それがFクラスの本日の出来事となった。
陰口、時には直接悪口や罵声を浴びながら。顔を背け、避ける者。直接言い返す者。各々、様々だがあまりいい状態ではない。そうしながらFクラスの教室に向かう面々。
アルはリン達と共に登校していた。
「・・・酷いね。」
「・・我慢だ。直ぐに終わる。」
「直ぐに見返すぞー!」
「カナは無理~。」
「こんな運命、嫌。」
こんな話をしつつ1年のクラスに向かう。
「ようアル。・・・面白そうな事してんな、お前ら。」
そこには、髪が真っ白になったサガが居た。
「サガ!!」
「先生!!」
「おうおう。皆お見舞いありがとうな。・・・お前ら、訓練し始めたのか?朝から教員の中でも話題だぞ?」
「ええ。驚かせようと思って。」
「アル君が言い始めたの。」
「流石に、人の目が気になったよね・・」
「カナ、嫌だった~。」
「そうか、アルが発端か。・・・目的は何だ?ただ目立とうとした訳じゃないよな。」
アルが考えながら言う。
「…Fクラスの選抜に選んでくれたみたいなんですけど、…それだと僕らの活躍と成果だけじゃないですか?」
キョトンとした表情でサガは聴く。
「…うん、まあそれが普通だ。」
「先輩たちの卒業にも良い影響を起こせないかなって。それで考えたんです。【環境に価値を付けよう】って。」
「は?環境?」
「アル君、説明する時に口調が丁寧になるのが少し怖い。」
アルは紡ぐ。
「そうです。環境を売りにすれば、その環境にいた者にも価値が生まれます。今回であれば・・・例えばですけど【下剋上を多く起こしたFクラス】というのを狙えたらと。」
「それであれば、可能性は少し上がりますし、出ていない人間にも着目しやすいんじゃないんですか?出て負けるより、印象が良いかもしれませんよ?あと、僕ら下の学年が強くなれば、その関係性が卒業後に影響しやすいんじゃないですか?例えば狙う1年と仲の良い3年とか。」
話を聞いて呆然とする他の人達。
「お前、馬鹿だと思ってた・・・・」
「…なんでだよ。」
呆然から一転してサガは逆切れする。
「…お前が、勉強があんなに出来ねえからだよ!」
「…知らねえもん!訳わからん単語ばっかり!もっと俺に分かる言葉で言ってくれ!!」
「・・・なんというか、生まれた時代を間違えたね、アル君。もっと勉強しなくていい時代なら優秀なのかもね。」
腹の立つ意見を貰いながら、アルは考えを言えた事に少し満足感を得ていた。何せ独りで考えていた事だ。誰かに聞いてほしくて仕方ない、そんな状態。言えば皆が驚く。それが嬉しい。
「でもまあ、これはまた、頭使ったじゃねえか。」
「そうだね、目の前の事から解決していかないと。皆と楽しくも必要だけど、最終的な俺の目的は自分が強くなる事だからね。」
「アルらしいと言えばそうなのか・・・。とにかく、今回の選抜戦で面白い事しそうだな。応援するよ」
「ありがとう、サガ。」
「そう言えばアル君はなんで先生を呼び捨てにするようになったの?」
「勝ったから。」
「この・・・クソガキ!!」
「・・・まあいい。それじゃ授業を始めるぞ~!じゃあ、まずは魔法公定式をアルピエロ君に解いて貰おうかなー。」
「クソ教師め」
そんな軽口を叩きながらも、久し振りのサガの授業に取り組む。
生徒の大半がサガの帰還でにこやかだ。
・・・・2人を除いては。
そこには婚約者の機嫌をどう取るかを考えた少女と、やる気が無いのに格の違う人間へ挑まなければいけない少女が居た。
それは性格の悪い人間たちへの格好の餌となった。
「おい、…あれだろ?」
「ああ、今日の朝の騒音。」
「やめろよな。みっともない」
「Fらしくしろよ」
「・・・でもD倒したって。」
「ああ、あれは性欲に負けたんだ」
「あ、成程な」
「今回も噛ませ犬だろ。」
「それなー。」
そんな事を口々に言われる。それがFクラスの本日の出来事となった。
陰口、時には直接悪口や罵声を浴びながら。顔を背け、避ける者。直接言い返す者。各々、様々だがあまりいい状態ではない。そうしながらFクラスの教室に向かう面々。
アルはリン達と共に登校していた。
「・・・酷いね。」
「・・我慢だ。直ぐに終わる。」
「直ぐに見返すぞー!」
「カナは無理~。」
「こんな運命、嫌。」
こんな話をしつつ1年のクラスに向かう。
「ようアル。・・・面白そうな事してんな、お前ら。」
そこには、髪が真っ白になったサガが居た。
「サガ!!」
「先生!!」
「おうおう。皆お見舞いありがとうな。・・・お前ら、訓練し始めたのか?朝から教員の中でも話題だぞ?」
「ええ。驚かせようと思って。」
「アル君が言い始めたの。」
「流石に、人の目が気になったよね・・」
「カナ、嫌だった~。」
「そうか、アルが発端か。・・・目的は何だ?ただ目立とうとした訳じゃないよな。」
アルが考えながら言う。
「…Fクラスの選抜に選んでくれたみたいなんですけど、…それだと僕らの活躍と成果だけじゃないですか?」
キョトンとした表情でサガは聴く。
「…うん、まあそれが普通だ。」
「先輩たちの卒業にも良い影響を起こせないかなって。それで考えたんです。【環境に価値を付けよう】って。」
「は?環境?」
「アル君、説明する時に口調が丁寧になるのが少し怖い。」
アルは紡ぐ。
「そうです。環境を売りにすれば、その環境にいた者にも価値が生まれます。今回であれば・・・例えばですけど【下剋上を多く起こしたFクラス】というのを狙えたらと。」
「それであれば、可能性は少し上がりますし、出ていない人間にも着目しやすいんじゃないんですか?出て負けるより、印象が良いかもしれませんよ?あと、僕ら下の学年が強くなれば、その関係性が卒業後に影響しやすいんじゃないですか?例えば狙う1年と仲の良い3年とか。」
話を聞いて呆然とする他の人達。
「お前、馬鹿だと思ってた・・・・」
「…なんでだよ。」
呆然から一転してサガは逆切れする。
「…お前が、勉強があんなに出来ねえからだよ!」
「…知らねえもん!訳わからん単語ばっかり!もっと俺に分かる言葉で言ってくれ!!」
「・・・なんというか、生まれた時代を間違えたね、アル君。もっと勉強しなくていい時代なら優秀なのかもね。」
腹の立つ意見を貰いながら、アルは考えを言えた事に少し満足感を得ていた。何せ独りで考えていた事だ。誰かに聞いてほしくて仕方ない、そんな状態。言えば皆が驚く。それが嬉しい。
「でもまあ、これはまた、頭使ったじゃねえか。」
「そうだね、目の前の事から解決していかないと。皆と楽しくも必要だけど、最終的な俺の目的は自分が強くなる事だからね。」
「アルらしいと言えばそうなのか・・・。とにかく、今回の選抜戦で面白い事しそうだな。応援するよ」
「ありがとう、サガ。」
「そう言えばアル君はなんで先生を呼び捨てにするようになったの?」
「勝ったから。」
「この・・・クソガキ!!」
「・・・まあいい。それじゃ授業を始めるぞ~!じゃあ、まずは魔法公定式をアルピエロ君に解いて貰おうかなー。」
「クソ教師め」
そんな軽口を叩きながらも、久し振りのサガの授業に取り組む。
生徒の大半がサガの帰還でにこやかだ。
・・・・2人を除いては。
そこには婚約者の機嫌をどう取るかを考えた少女と、やる気が無いのに格の違う人間へ挑まなければいけない少女が居た。
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