田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

waru

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第56話 選抜戦始まる

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各クラス対抗選抜戦の当日となった。

前日少し、お・話・合・い・をしてからの当日なので、若干アルは眠い。睡眠を大事にするアルは普段なら夜の相談はお断りだ。…だが今回は違う。本人の強い意志を感じたために、アルは了解した。

緊張の面持ちで、参加した選抜者が集まってくる。Fクラスの相手も来るが殆どの相手は舐め切った態度や感情を前面に出している。予想はしていたがここまで酷いとは。

「Fクラスの奴らが来たぜえ。」
「お。今日の噛ませ犬はちゃんと来たか。」


「待ってたぜぇ」
「模擬大戦の時は、恥かかせてくれたなあ!!もう守ってくれる奴は居ねえぞぉ?」

「なんだ?一年ばかりか?」
「諦めたんじゃないか?」

「余裕だな」
「いたぶってやるぜぇ」


ここは本当に学園か?由緒正しい学園とは・・。


これは治安が悪い。まるでスラムのような居心地。


1回戦目

Fクラス アルピエロVSリッツ Cクラス


「君が噂のF土一年か。」

「なにその凝縮単語」

「この世の哀れを詰め込んだ聞いていると。」

「ほう。この野郎、口の中ジャリジャリにしてやる。」


Fクラス リンVSダボ Dクラス

「はあはあはあ・・・。可愛いじゃねえか。いたぶってやるよぉ。生意気そうな点がやけに良いなあ。」

「ひいいいい!!絶対無理ぃ!」



Fクラス アズVSクラ Eクラス

「Fクラスで良かった、これで昇級できるや。助かったよ。」

「舐めてるなあ。まあその方が良いか・・。」



Fクラス カナVSユン Aクラス

「君、可哀想に。A対Fなんて誰も見たくない。僕も内申に全く影響しない。君も力の差が怖い・・・。」

「そうだね~。凄い怖い」

「・・・でも君は魅力があるね。どうだい?痛くしないから、その後、僕の相手をしてよ。・・・・よければ奴隷にしてあげるよ?」

「カナ、そんなの嫌。貴方なんかに触られたくない。」

「へえ。立場を知らないんだね。」


Fクラス モモVSカル Dクラス

「なんだぁ。暗い女だな。俺が明るくしてやるよ。このDクラスでもレベルが5と高いこの俺がなあ!!」

「・・・これは運命。」


「は?なんか言ったか?」

「何も。」

そんな顔合わせをして、選抜戦が始まっていく。


初めはアルピエロであった。Cクラスのリッツは騎士風の男だ。

槍と大楯を携え、風魔法で攻めていくスタイルであった。その様は正に騎馬に乗った戦い方に似ている。盾と槍を携え、突進にて戦う。転ぶかなと思い地面や足元に色々出すが全て避けてくる。この戦い方に慣れており、こういった対応にも慣れているようであった。

「はっはっは!君は動きが良いね!僕はレベル12!今戦場に行っても活躍できるほどに、高い!その上、僕の家先祖代々紡ぐこの戦い方は色んな戦場を駆け抜けていった事で洗練されきっている。君の小細工には勝ち目はない!!」

「これは…猪。道理で見覚えが。」

「…貴様ぁ!!侮辱したな!!」

更に速度を上げて攻めていくリッツ。その速さはサガにも匹敵する。追い切れなくても方向転換が早く、鋭い。馬よりも鋭い理由は風のクッションと小さな竜巻だろう。方向転換時に直ぐにクッションで自分の負担を下げ、小さな竜巻で方向転換の力を生みだす。そこに自分を当てる事で勢いを殺さずに方向転換できるのだ。


「勉強になる」

「ああ!いい勉強だな!!目の上の者に喧嘩を売ってはいけないという事を!!」


盛り上がっていく観客達。

趣味が悪い事に弱い奴が責められている事に楽しみを感じている者も多いみたいだ。不愉快でしかない。



突っ込んでくるリッツ。土壁を出し、防御する。

「こんな物ぉ!!」

壊して突っ込んでくるリッツ。


・・・かかった。


次の瞬間には、防御型ゴーレムに左右と下から殴られるリッツがそこにはいた。



「な・・何故?・・・俺・・が・・攻撃されて・・?」


崩れていくリッツ。観客達が一瞬にして固まる。リッツに近付くも失神した様子で、直ぐに審判に止められ、勝ち名乗りをさせられた。


あっけない終わりであった。

「ありがとうね、リッツさん。その方向転換の仕方。リンに伝えとく。俺も何かで出来たらやってみるよ。」

そう失神したリッツに伝え、戦いの場を去る。



観客がざわめく。

「おい…。あのリッツが。」
「Cクラスでも…相当、強いぞ?」

「戦場経験もあるのに」

「油断したんじゃないか?」
「そ・・・そうだよな」

「Fクラスだもんな」
「相手が土だぜ?」

「防御しなくて、自分の突進の強さで失神か。馬鹿だな。」


「・・・本当にそうか?」
「じゃないとFクラスに居ないだろ。」


「・・・それもそうだが。」
「自力で勝てるなら、もうFじゃない。」

「もしかして・・・あの訓練?」

「ないない!!そんな一瞬で強くなるなら皆やってるって。」


「「そうだよなー。」」

そんな話が聞こえてくるが、相手にしない。控室に向かうとFクラスの皆に囲まれた。

「早すぎ。何したかわかんなかった。」

「どうやったの?教えて。」

アルは場所を変えようと皆を廊下に連れ出した。

「あんな場所では言えないよ。あれはね。土壁を目隠しにして突進にカウンターを当てたんだ。」

「「「んん?」」

「突進が武器の人で、足元や地面にも配慮がある人だなって戦って感じた。何度もそれをやって、配慮を確認したし、注意も下の方へ向く様にしていた。んで怒らせて。より突っ込んで来る様に促して、土壁で目隠し。」

「「ほうほう」」

「目隠しで一瞬視界を防いでも、相手は警戒している。次に足下に置いてあった同じ罠に気付き、避けようとする。≪ああ、土壁を混ぜて分かりにくくしたんだな≫って思わせた瞬間に、ゴーレムに殴りかからせた。左右と後方、下から。左右でまず殴り、警戒していた下にも一瞬遅れて出して。後方からは逃げられない様に押っ付ける様にしただけの奴。するとこんな感じ。」




「・・なんというか。」
「・・一瞬でそこまで。」

「相手、可哀想」


「まあ、戦う前に考えていたよ。戦う前からの準備だね。」


「・・・成程。」
「・・勉強します。」


そんな事を話しながらも、次はアズの様だ。
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