63 / 63
第63話 勝者と敗者 本文編集
しおりを挟む「…底辺の。…Fクラスなんぞに…、俺は…、俺は!絶対に、負けられないんだよぉ!!」
強力な剣戟を続けながら、片方の男が言う。
「…くだらない。本当にくだらない。…何処の所属とか、やれエリがどうだとか…。いちいち…いちいち。くだらない事にこだわり過ぎなんだよ、お前ぇ!!」
もう一人の男が、盾で剣を防ぎながら、反撃を行う。
「…うるさい、底辺!」
「…うるせぇ、頭でっかち!!」
「ばかめ!」
「お前は阿保だろ!!」
口汚い会話と共に、高レベルな戦いは続く。
戦いの技量は高い。だが、口喧嘩のレベルは恐ろしく低い。
お互いの剣や魔法が、ぶつかり合う音が試合場に響く。
Cクラスで光属性のカズに対し、Fクラスで土属性のアルピエロ。学園の常識で考えれば、…その普通で考えれば、間違いなく、勝ち目はない。
しかし観客の目の前には、アルが劣勢な試合ではない状態、それが見えている。間違いなく、攻防のやり取りに、アルに落ち度は見られない。
それを見た観客は、驚愕する。
「…俺たちは何を見ているんだ。」
「カズは弱くない。間違いなく。」
「アイツだ…。強いぞ、アルピエロ。」
「あれが…土の属性?」
「信じ…られない。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
試合当日の朝。
「昨日は驚いた。」
アルが朝食のパンを食べながら、リンに話し掛ける。
「ああ、エリのやつ?」
「アタシも驚いたなー。まさかエリから圧倒的に勝って!なんて言われると思わなかったよ」
昨日の夕食時にエリ本人から、勝って欲しい。それも圧倒的に勝って欲しい。そう言われた。
理由を尋ねても、エリは応えない。
アズ達から喧嘩を疑われても、「喧嘩はしてない。私はカズ君を応援する。」とだけ言う。
「…わからん。」
「まあ、何かの考えはありそうよねー。」
「私達も考えてみたけど、解らないわ。もう気にしないで戦う方が良い気がするわ。」
「…アル君が勝つのが運命。」
「なーに話してんのよ。Fクラスの有望株たち!」
Fクラスの先輩たちが絡んできた。
「偉いぞー!君たち!」
「皆、手のひら返したぞー?」
「朝、歩いてたら訓練内容聞かれた。」
「あ、あたしもー。」
「ちゃんと隠したでしょうねー?」
「もちろーん。」
「皆、気になってたよぉ。」
「一瞬で、皆の評価が変わってねー?」
「もう報奨金でウハウハ。」
「Fクラス皆でお祝いしたいー。」
「…アル君万歳!」
「アル君万歳!」
「…勘弁して下さいよ。試合前に気が抜けます。」
「…ダ・メ。」
「頑張ってアル君」
「次も出来る」
「やれば!出来る!」
「………疲れる。」
本日も、早い流れで試合進行が見られた。
…順当な流れであった。
Aクラス【光のアレス】が圧倒的な力を見せつけて、順当に勝ち上がる。その攻撃は優雅で迅速。対戦相手の殆どが何も出来ない状態であった。
リンは、女性の水属性Bクラスの方と戦うも、善戦で敗退。
「悔しいけど、こんなに戦えると思わなかった。」
そうリンは話していた。
アズもAクラス【水のアンナ】と戦う。
その圧倒的な魔法量で生み出される水攻撃で、火の攻撃は全くと言っていい程効かなかった。
「相性も有るけど・・勝ち目無いわ、あれは。とんでもない…今まで見た事がない量の水が襲い掛かってきたの。正直…トラウマものよ?」
そんな事をアズは言っていた。
悲しいかな。
Fクラスの仲間は、此処で皆、敗退だ。残るは俺だけという事になる。
「…君には期待している。早く勝ち上がってくれないか。この!天に愛された!この僕と戦うのだよ!!」
ユンも勝ち上がる。これによりCクラスの面々も相当に少なくなった。
「…おい、アルピエロ君。聞いているのか?というか僕に興味が殆ど無いじゃないか。…どういう事だい?」
…嫌だな。
Cクラスも残りはカズくらいだ。背水の陣ではないが、追い詰められた奴の開き直りは怖いモノだ。出来るのであれば平常時の精神状態の奴の方がくみし易い。
「…おーい。この僕を無視するな!」
「…うるさいな。試合前なんだから集中させろ。負けるぞ?良いのか?・・・・あー。負けそうだなぁ。困ったなぁ。」
「ぐっ…。何故こんな理由で僕が口負けるんだ…。」
しぶしぶ帰っていくユン。…コイツ本当に頭良いのか?
そろそろ自分の試合が始まる。さあ、話題の婚約者君をどう料理して、どう封じ込めてやろうか…。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――
銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」
世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。
魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。
彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。
一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。
構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。
彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。
「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」
暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。
管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。
これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。
※アルファポリスで先行で公開されます。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
52話とかの阿保は阿呆なんじゃないかと。
文の間が空きすげて読みにくいけど面白いから頑張って読んでます