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ネプチューンの雨
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海王星の地表に、紫の雪が舞い降りた。
インスタグラムの恋愛ごっこじゃない。
骨まで溶かすステロイド入りの酸って感じだ。
そこに立っていたのは三人の兵士――スティーブン、キアラ、そしてテイズ。
銀河で最もアンバランスな最前線。
一人は狂ってる。
一人はセックスアピールの塊。
そして一人は、口をほとんど開かない。
スティーブンは氷獣の頭蓋を全力で踏み砕いた。
「これが異星の進化ってやつなら、俺は馬鹿のまま死にたいね。」
その背後で、キアラがバレリーナの殺し屋のように跳ね上がった。
両手にレーザーソード。
身体は炎のようにねじれ、笑顔で獣を真っ二つにする。
「その綺麗な目でよーく見てな、スティービー。スタイリッシュな殺し方ってやつを教えてやる。」
「お前の胸の方が剣より殺傷力あるぜ、ベイビー。」
「知ってる♡」
血が滲む指先から一滴を舐め取る。
地獄のファッションショーのようだ。
隣には、テイズ。
沈黙。だが正確。
二メートルの怪物を蹴り飛ばし、頭をスイカのように爆発させた。
さらに袖で別の一体を絞め殺し――
そしてまた、沈黙。
船内――ALKEN司令センター。
キンバリーの目はスクリーンを貫き、指はキーボードの上を稲妻のように走る。
「奴ら、止まらない……立ち上がるのよ。体の一部一部が、まるで……自分で生きてるみたい。」
その横で、アナがグラフを解析していた。
「これは普通の死じゃない。即時適応ね。」
彼女は通信ボタンを叩いた。
「ロンド、作戦の変更が必要よ。これは戦闘じゃない、罠よ。」
――指令ブリッジ。
ロンドは無言でモニターを睨む。唇は固く結ばれている。
隣でラナが息を荒くしながら、操作盤の上に指を浮かせる。
ロンドが低く呟いた。
「……レオナルドに連絡中だ。」
――地球、レオナルド・チェッコリのオフィス。
スクリーンには海王星の映像。レオナルドは黒いスーツに葉巻を咥えて立っている。
「ケイトリン!」
ドアが勢いよく開く。ヒールの音が床を鳴らす。
ケイトリン・テレサ――
紫のドレスに包まれたその身体、殺人級の谷間。
髪はバイオレットの団子スタイル、唇は血のように赤い。
歩く一歩ごとがフェティッシュの祭典。
「どうしたの、ダーリン?」
「今すぐ情報アクセスを。」
彼女は一歩近づき、ホロスクリーンに指を当てる。
「丁寧に頼んでくれたらね、ベイビー♡」
ウィンク一発。空中にキスを飛ばす。
「ケイトリン、ふざけるな! 今すぐにだ!」
「ふふ……怒るとセクシーじゃん。」
彼女はボタンを押した。
「はい、どうぞ。次は笑顔でお願いね?」
――再び海王星、戦場はさらに地獄と化す。
キアラは獣の間を縫い、空中を舞い、二階建てサイズの怪物の顔を一刀両断。
だがその瞬間、背後から何かが飛びかかる。牙が彼女の右腕に食い込んだ。
「ッッッアアアアアアアッッ!!」
彼女は叫び、氷の上に転がった。
その獣がとどめを刺そうとした――
だがタイズのブーツがその頭を押し潰した。
「大丈夫か?」
「大丈夫そうに見える⁉ 二ヶ月シャワー浴びないと落ちないわよ!」
彼女はため息をつく。
「もう、皮膚を買い替えるしかないわ。」
一方その頃、スティーブンは酸の手榴弾を四方八方に投げていた。
「ホットココア飲みたい奴いる? いない? じゃあ、みんな漂白剤な!」
――司令センター、緊張が限界に達していた。
キンバリーが叫ぶ。
「今すぐ撤退しないと! 制御が完全に失われる!」
アナは答える。
「それでも足りない。この星の半分を燃やさなきゃ終わらない。」
彼女はロンドに目を向けた。
「……本当にそれ、撃つつもり?」
――ビデオリンク、ロンドとレオナルド。
ロンド:
「彼ら……生き残れない。」
レオナルド:
「撃たなければ生き残れない。
RX-12ミサイルの出番だ。意味は分かってるだろ?」
ロンドは何も言わず、うなずく。
「……ラナ。」
彼の声は空っぽだった。
ラナは彼を見つめる。その目は命令に従うよう訓練された目だった。
「RX-12ミサイル、起動確認。レッドコード。ターゲット:海王星セクター6-8-Z。」
スティーブンのイヤーピースに警告が響いた。
「俺たちの頭上に宇宙ミサイルを撃つって⁉ 正気かよ、お前ら⁉」
キアラが絶叫する。
「アンタと燃え尽きるなら、来世でヤり倒してからまた殺してやるわよ!!」
スティーブンはタイズの方を振り返る。半分笑い、半分死にかけながら叫ぶ。
「タイズ!今こそ喋れよ! 罵倒でもジョークでもいい、なんか言え!」
タイズは彼を一瞥し、こう言った。
「……走れ。」
そして二人を肩に抱えて、一気に駆け出した。
――船内。ラナは発射装置の前に立つ。
片手をスキャナーに、もう片方を承認ボタンに置く。
彼女は呟いた。
「ここに残ってる人は……ただ、消えるだけ。」
唇を噛み、ボタンを押した。
機械音声が耳に響く。
「RX-12ミサイル、発射完了。着弾予測:40秒後。」
――宇宙が震えた。
ミサイルは大気圏を突き破り、閃光のクジラのように咆哮しながら降下していく。
スティーブンが走りながら叫ぶ。
「間に合わねぇって!クソッ!!」
キアラも叫ぶ。
「これ夢だって言って!私のセクシーさが世界を壊したって言って!!」
タイズは……沈黙。
三人は脱出ゲートへと駆け込む。
だが――まだ開いていなかった。
音楽が高鳴り、血が沸騰し、空気が焦げる。
カメラが天へとパンする。
ミサイルが神に見捨てられた剣のように、全速力で落下していく。
スティーブンが呟く。
「もう終わりだな……完全に、クソ終わった。」
――ブラックスクリーン。
静寂。
「海王星は、まだ沈黙していない。」
第2章 終了
つづく。
インスタグラムの恋愛ごっこじゃない。
骨まで溶かすステロイド入りの酸って感じだ。
そこに立っていたのは三人の兵士――スティーブン、キアラ、そしてテイズ。
銀河で最もアンバランスな最前線。
一人は狂ってる。
一人はセックスアピールの塊。
そして一人は、口をほとんど開かない。
スティーブンは氷獣の頭蓋を全力で踏み砕いた。
「これが異星の進化ってやつなら、俺は馬鹿のまま死にたいね。」
その背後で、キアラがバレリーナの殺し屋のように跳ね上がった。
両手にレーザーソード。
身体は炎のようにねじれ、笑顔で獣を真っ二つにする。
「その綺麗な目でよーく見てな、スティービー。スタイリッシュな殺し方ってやつを教えてやる。」
「お前の胸の方が剣より殺傷力あるぜ、ベイビー。」
「知ってる♡」
血が滲む指先から一滴を舐め取る。
地獄のファッションショーのようだ。
隣には、テイズ。
沈黙。だが正確。
二メートルの怪物を蹴り飛ばし、頭をスイカのように爆発させた。
さらに袖で別の一体を絞め殺し――
そしてまた、沈黙。
船内――ALKEN司令センター。
キンバリーの目はスクリーンを貫き、指はキーボードの上を稲妻のように走る。
「奴ら、止まらない……立ち上がるのよ。体の一部一部が、まるで……自分で生きてるみたい。」
その横で、アナがグラフを解析していた。
「これは普通の死じゃない。即時適応ね。」
彼女は通信ボタンを叩いた。
「ロンド、作戦の変更が必要よ。これは戦闘じゃない、罠よ。」
――指令ブリッジ。
ロンドは無言でモニターを睨む。唇は固く結ばれている。
隣でラナが息を荒くしながら、操作盤の上に指を浮かせる。
ロンドが低く呟いた。
「……レオナルドに連絡中だ。」
――地球、レオナルド・チェッコリのオフィス。
スクリーンには海王星の映像。レオナルドは黒いスーツに葉巻を咥えて立っている。
「ケイトリン!」
ドアが勢いよく開く。ヒールの音が床を鳴らす。
ケイトリン・テレサ――
紫のドレスに包まれたその身体、殺人級の谷間。
髪はバイオレットの団子スタイル、唇は血のように赤い。
歩く一歩ごとがフェティッシュの祭典。
「どうしたの、ダーリン?」
「今すぐ情報アクセスを。」
彼女は一歩近づき、ホロスクリーンに指を当てる。
「丁寧に頼んでくれたらね、ベイビー♡」
ウィンク一発。空中にキスを飛ばす。
「ケイトリン、ふざけるな! 今すぐにだ!」
「ふふ……怒るとセクシーじゃん。」
彼女はボタンを押した。
「はい、どうぞ。次は笑顔でお願いね?」
――再び海王星、戦場はさらに地獄と化す。
キアラは獣の間を縫い、空中を舞い、二階建てサイズの怪物の顔を一刀両断。
だがその瞬間、背後から何かが飛びかかる。牙が彼女の右腕に食い込んだ。
「ッッッアアアアアアアッッ!!」
彼女は叫び、氷の上に転がった。
その獣がとどめを刺そうとした――
だがタイズのブーツがその頭を押し潰した。
「大丈夫か?」
「大丈夫そうに見える⁉ 二ヶ月シャワー浴びないと落ちないわよ!」
彼女はため息をつく。
「もう、皮膚を買い替えるしかないわ。」
一方その頃、スティーブンは酸の手榴弾を四方八方に投げていた。
「ホットココア飲みたい奴いる? いない? じゃあ、みんな漂白剤な!」
――司令センター、緊張が限界に達していた。
キンバリーが叫ぶ。
「今すぐ撤退しないと! 制御が完全に失われる!」
アナは答える。
「それでも足りない。この星の半分を燃やさなきゃ終わらない。」
彼女はロンドに目を向けた。
「……本当にそれ、撃つつもり?」
――ビデオリンク、ロンドとレオナルド。
ロンド:
「彼ら……生き残れない。」
レオナルド:
「撃たなければ生き残れない。
RX-12ミサイルの出番だ。意味は分かってるだろ?」
ロンドは何も言わず、うなずく。
「……ラナ。」
彼の声は空っぽだった。
ラナは彼を見つめる。その目は命令に従うよう訓練された目だった。
「RX-12ミサイル、起動確認。レッドコード。ターゲット:海王星セクター6-8-Z。」
スティーブンのイヤーピースに警告が響いた。
「俺たちの頭上に宇宙ミサイルを撃つって⁉ 正気かよ、お前ら⁉」
キアラが絶叫する。
「アンタと燃え尽きるなら、来世でヤり倒してからまた殺してやるわよ!!」
スティーブンはタイズの方を振り返る。半分笑い、半分死にかけながら叫ぶ。
「タイズ!今こそ喋れよ! 罵倒でもジョークでもいい、なんか言え!」
タイズは彼を一瞥し、こう言った。
「……走れ。」
そして二人を肩に抱えて、一気に駆け出した。
――船内。ラナは発射装置の前に立つ。
片手をスキャナーに、もう片方を承認ボタンに置く。
彼女は呟いた。
「ここに残ってる人は……ただ、消えるだけ。」
唇を噛み、ボタンを押した。
機械音声が耳に響く。
「RX-12ミサイル、発射完了。着弾予測:40秒後。」
――宇宙が震えた。
ミサイルは大気圏を突き破り、閃光のクジラのように咆哮しながら降下していく。
スティーブンが走りながら叫ぶ。
「間に合わねぇって!クソッ!!」
キアラも叫ぶ。
「これ夢だって言って!私のセクシーさが世界を壊したって言って!!」
タイズは……沈黙。
三人は脱出ゲートへと駆け込む。
だが――まだ開いていなかった。
音楽が高鳴り、血が沸騰し、空気が焦げる。
カメラが天へとパンする。
ミサイルが神に見捨てられた剣のように、全速力で落下していく。
スティーブンが呟く。
「もう終わりだな……完全に、クソ終わった。」
――ブラックスクリーン。
静寂。
「海王星は、まだ沈黙していない。」
第2章 終了
つづく。
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