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ブラック・ジョーカー ②
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「念の為に例の13体の螺子は全て抜き取りました。ただ…一応、地下は完全に封鎖しときましょう。当分の間、24時間体制で監視するようにしてください。あと、ちょっとでも何か違和感がしたら、直ぐに僕を呼んでください。」
レイジに言われるまま、マネージャーはそそくさと携帯で管制室と取り合った。彼が話し終えた3秒後、鋼鉄のシャッターは鈍い音を立てながら、ゆっくり閉じた。
「この度はわざわざすみません…。ついでといってはなんですが…。来月、指定の口座に580万程、振り込んどきますので…」
「え!?流石にウチもこんなにバカデカい大金は頂けませんよ。今回も80万位で大丈夫です。」
レイジは眉間に深く皺を寄せ、想定外の大金に唖然としていた。
「義手の分500万程上乗せしときました。」
「…はぁ?」
「この子に右腕を造って頂けないでしょうか?
アレからこのように塞ぎこんじゃっているんですよ。」
「右腕・・・・・・ですか?僕は、人相手にそういう物は造った事はないですよ?しかも、義手にあの大金は高すぎますよ。」
「その分、生身と区別がつかないようなかなり精密な義手を造ってくれますか?私は組織の端くれですが、この子にこの様な事しかしてあげられないんです。私は非力な凡人ですので…。大鳥さんの様な魔術師に託すしかないので。」
マネージャーは切羽詰まったかのように矢継ぎ早に早口で喋った。
「その…、魔術師っていうのは、やめていだだきますかね…?僕、そう呼ばれるの苦手なんで。」
レイジは角刈りの頭をかきながら、軽く首を傾げた。
それから2週間後、レイジは完成させた義手を荷台に積め、再び組織に出向く事となった。場違いな建物の入り口には、例のマネージャーが額を拭いながら申し訳なさうにペコペコ頭を下げていた。
レイジは、旅行にでも行くかの様な場違いなサイズの荷物を担ぐと、案内されるまま少年の元へ向かった。
広い研究室には、最先端の模型やあたかも人間そっくりの自動人形≪オートマドール≫がずらりと並んでいた。コレを見る度にレイジは『不気味の谷』を連想させる。彼等が人間に似れば似る程、人間達は彼等等に嫌悪感を抱く事もあるらしいのである。
レイジは、リュックからから工具箱と完成させた右腕を取り出し、少年に近くの椅子に座るように促した。
「どうだ?動かせるか?」
レイジは少年に右腕を装着させ螺子をくるくる回し、彼の顔を覗きこんだ
「スゴいや…。本物みたいだ…。」
少年は右腕をヒラヒラ動かし、猫の様に眼を大きくしていた。
「そういえば、アンタ、名前は何て言うんだ?歳は幾つだい?」
「…俺はカケルだ。12だよ。」
力強い喋りだが、若干声が震えている。明らかに強がっている様だ。自分に警戒しているのだろうか?レイジは身長193センチの長身であり、筋骨隆々で堀の深い顔立ちをしている。おまけにぶっきらぼうで第一印象も悪い。子供が警戒するのも無理はない。
「…本物みたいだね。」
少年は意味深なことを呟き、納得したかの様だった。
「おじさんって、ホントに『魔術師』なの?」
「俺は30なんだが…。しかも『魔術師』なんて言う呼ばれ方は嫌いなんでね。」
「ふぅん。そのうち俺にもスゴい奴、造ってよ。ボディガードっていうやつ。ターミネーターみたいに最強で、主人公を守ってくれるカッチョイイのがいいな。」
「あぁ…、アンタがジョンの様に有名人になったら考えてやってもいいがな。」
レイジは冗談交じりに苦笑いをし、カケルの頭を乱暴に撫でた。そして大災害でも起きたかの様な真剣な面持ちで、カケルと正面で向き合った。
「いいか、彼等自動人形≪オートマドール≫を侮ってはいけない。特にVXは特別なんだ。彼等は最強の味方にもなるが、最悪の強敵にもなり得る。命を落とすかも知れない。扱いを間違えると大火傷をしてしまうんだよ。」
「…つまり、ヒーローにでもモンスターにでもなるって事?」
「そういう事だぜ。アンタ、物分かりが良いな。」
レイジに言われるまま、マネージャーはそそくさと携帯で管制室と取り合った。彼が話し終えた3秒後、鋼鉄のシャッターは鈍い音を立てながら、ゆっくり閉じた。
「この度はわざわざすみません…。ついでといってはなんですが…。来月、指定の口座に580万程、振り込んどきますので…」
「え!?流石にウチもこんなにバカデカい大金は頂けませんよ。今回も80万位で大丈夫です。」
レイジは眉間に深く皺を寄せ、想定外の大金に唖然としていた。
「義手の分500万程上乗せしときました。」
「…はぁ?」
「この子に右腕を造って頂けないでしょうか?
アレからこのように塞ぎこんじゃっているんですよ。」
「右腕・・・・・・ですか?僕は、人相手にそういう物は造った事はないですよ?しかも、義手にあの大金は高すぎますよ。」
「その分、生身と区別がつかないようなかなり精密な義手を造ってくれますか?私は組織の端くれですが、この子にこの様な事しかしてあげられないんです。私は非力な凡人ですので…。大鳥さんの様な魔術師に託すしかないので。」
マネージャーは切羽詰まったかのように矢継ぎ早に早口で喋った。
「その…、魔術師っていうのは、やめていだだきますかね…?僕、そう呼ばれるの苦手なんで。」
レイジは角刈りの頭をかきながら、軽く首を傾げた。
それから2週間後、レイジは完成させた義手を荷台に積め、再び組織に出向く事となった。場違いな建物の入り口には、例のマネージャーが額を拭いながら申し訳なさうにペコペコ頭を下げていた。
レイジは、旅行にでも行くかの様な場違いなサイズの荷物を担ぐと、案内されるまま少年の元へ向かった。
広い研究室には、最先端の模型やあたかも人間そっくりの自動人形≪オートマドール≫がずらりと並んでいた。コレを見る度にレイジは『不気味の谷』を連想させる。彼等が人間に似れば似る程、人間達は彼等等に嫌悪感を抱く事もあるらしいのである。
レイジは、リュックからから工具箱と完成させた右腕を取り出し、少年に近くの椅子に座るように促した。
「どうだ?動かせるか?」
レイジは少年に右腕を装着させ螺子をくるくる回し、彼の顔を覗きこんだ
「スゴいや…。本物みたいだ…。」
少年は右腕をヒラヒラ動かし、猫の様に眼を大きくしていた。
「そういえば、アンタ、名前は何て言うんだ?歳は幾つだい?」
「…俺はカケルだ。12だよ。」
力強い喋りだが、若干声が震えている。明らかに強がっている様だ。自分に警戒しているのだろうか?レイジは身長193センチの長身であり、筋骨隆々で堀の深い顔立ちをしている。おまけにぶっきらぼうで第一印象も悪い。子供が警戒するのも無理はない。
「…本物みたいだね。」
少年は意味深なことを呟き、納得したかの様だった。
「おじさんって、ホントに『魔術師』なの?」
「俺は30なんだが…。しかも『魔術師』なんて言う呼ばれ方は嫌いなんでね。」
「ふぅん。そのうち俺にもスゴい奴、造ってよ。ボディガードっていうやつ。ターミネーターみたいに最強で、主人公を守ってくれるカッチョイイのがいいな。」
「あぁ…、アンタがジョンの様に有名人になったら考えてやってもいいがな。」
レイジは冗談交じりに苦笑いをし、カケルの頭を乱暴に撫でた。そして大災害でも起きたかの様な真剣な面持ちで、カケルと正面で向き合った。
「いいか、彼等自動人形≪オートマドール≫を侮ってはいけない。特にVXは特別なんだ。彼等は最強の味方にもなるが、最悪の強敵にもなり得る。命を落とすかも知れない。扱いを間違えると大火傷をしてしまうんだよ。」
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「そういう事だぜ。アンタ、物分かりが良いな。」
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