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魔性の堕天使 ②
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その少女は、いつも根暗で陰りがあった。分厚い丸渕眼鏡に、分厚い瞼ー。顔全体に広がる、そばかすー。やや突き出た歯ー。
少女の家庭は貧乏だった。親は離婚し母子家庭だった。母親は呑んだくれで明け方に帰り、よく少女に八つ当たりしていた。少女は、孤独だった。毎日、ボロボロの服で登校してきた。少女は嘲笑の対象だった。その子は、何処にも味方はいなかった。学校では、孤独、いつも隅の方で丸くなっていた。
少女は、美化委員会に属しており、いつも1人で花壇にしゃがんで水やりをしていた。花はみるみる大きく成長していった。
少女は、ミサと言う名である。ミサは日陰が好きである。日陰は、安心感があるのだ。日陰はすべてを暗く染め、覆い隠してくれる。汚れきった自分の姿を暗く染め上げてくれる。自分は、影に飲み込まれ同化するのだ。
ミサは、孤独な少女だった。クラスメイト達は、自分によそよそしく、分厚いフィールドのようなもので隔てられたかのような感覚であった。小学校の頃は常に孤独で、花と動物が生きがいだった。
やがて、ミサは中学に入った。母親は益々酒に入り浸り、性格はささくれて行ったのだった。
ミサは勉強がどうしても苦手で、クラスから馬鹿にされた。特に単純な計算式を間違える事が多かった。彼女は、其れがどうしても悔しかった。ミサは脳に欠損があったのだ。中学の時も惨めに時が過ぎー、そして高校生へとあがったのだ。
そんな彼女に優しく勉強を教えてくれる人がいた。彼は端正な顔立ちで、女子からの憧れの的であった。彼の周りにはいつも人がいた。ミサが困っていたりいじめにあうと、必ず助けてくれた。自分1人になろうとも、必ずミサの盾となってくれる存在でであった。成績優秀でスポーツ万能ー。しかし、決して着飾る事はなくー、男女誰からも愛され、慕われる存在なのだ。
こうして、ミサは徐々に彼に想いを寄せ始めてきたのだった。
しかし、恐らく彼はミサの事をただのクラスメイトとしか思わないだろうー。そこには、光と影、太陽と月程の差があった。彼にとって、自分はただの、クラスメイトでしかないー。
彼が他の女子と楽しく談笑しているのを見てると、ミサは胸にザワザワどした異物が体内を駆け巡るような感覚に陥った。この感覚は、自分でもよく分からなかったのだ。
彼は、誰にでも優しい明るく向日葵のような存在であった。彼の笑顔がとても眩しく、日陰を日向に明るく照らしあげてくれるのだった。
ミサは、どうしても彼を自分だけのものにしたかった。彼が、どうしたら自分に振り向くのか考えてみた。しかし、どう足りない脳みそを捻らせても、答えは出てこないのだった。
ミサにとって毎日がとても苦く苦しいものとなっていった。彼がほかの女子と楽しく話していると、ソワソワしてしまい嫌悪感が剥き出しになり溢れ出てしまいそうだ。
彼のような良い男が、自分のような影の世界の住人をまともに相手にする事はないだろうー。そう考えると、胸が重苦しくなるのだ。自分のような人間に好かれても、彼はいい気はしない、寧ろ迷惑だろうと、ミサは溢れ出しそうになる甘酸っぱい気持ちをひたすら押さえ込んでいったのだった。
どんなに頑張っても、自分は並以下ー。容姿は良くならず、勉強も平均以下の成績ー。おまけに貧乏で脳には先天的に欠けてるものがある。
ミサにとって、毎日は無意味なものであった。無意味な苦しみの増殖。無意味な苦しみの連続にミサは頭を痛めていたー。
そんなある日の事だった。ミサは学校帰りにいつもの公園の隅で、猫と戯れていた。
そんな時ー、白いローブを身にまとった30ぐらいの女が、しゃがみこみ優しく声をかけた。
「何か、お困りですね?」
そして、彼女は手を差し出した。
ミサは初めは強く警戒したが、彼女を見てると徐々に光暖かく優しい光に包まれていく様な感覚に、陥った。女は、天使のような微笑みであった。
ミサはそれからというものの、毎日教会に寄るようになった。教会だけが、自分の居場所のようであった。
信者達も優しく暖かく迎え入れてくれ、ミサはやっと自分の居場所が出来たかのような居心地の良さを感じた。
不思議な事にー、ミサは教会に通う度に容姿が徐々に美化されていったのだった。
厚ぼったい瞼が無くなっていき、スッキリした目元になった。そして、分厚い眼鏡は外れ、フィルムが外れたかのようにスッキリし、世界がはっきり見えた。何もかもが新鮮だった。
そして次第にそばかすは消え、陶器のように白く透き通る肌になった。くしゃくしゃの癖毛がみるみる直毛に様変わりしていき、みさは念願のサラサラヘアーを手に入れたのだったー。
親やクラスメイトは、瞳孔を小刻みに揺らしながらミサを凝視した。ミサは、彼が自分に振り向く事を期待したが、相変わらず彼は自分の事を、異性として見てはくれない。
ミサの顔は次第にやつれていき、目は虚ろになっていった。まるで魂が抜き取られたかのような感じでマネキンのような無機質なものとなっていった。
そんなある日の夜ことだった。ミサは、身体全身暑くなり締め付けられ、引き伸ばされていく様な感覚に襲われた。目の前に自分の足の裏が見える。頬にずきずき突き刺さるような暑い感覚ー。ぐちゃぐちゃになった臓物が触手にこね回されたような感覚に陥り、激痛が走った。
ミサは悲鳴を上げ、コップ一杯の水を飲み干した。しかし、どんなに飲んでも飲んでも、喉の乾きは一向に収まる気配はなかった。
ミサはボールいっぱいの水をくみ、フラフラになりながらベッドにいく。頭が酷くクラクラしていく。身体全身が沸騰するかのような熱い感覚に襲われた。
ミサは一晩中、悶え苦しんだー。
悶え苦しみながら眠りに落ち、目が覚めた頃だった。ミサは制服に着替えると、階段を降り食卓に座った。
「どうしたの…?その姿は」
母親が、目を皿のように丸くしながらミサを凝視していた。
「私…可愛い…?」
ミサは、心が軽やかで全身が強いエネルギーのようなもので満たされていった。
「お母さん、お腹空いた…。食べていい?」
「は?」
ミサの口は徐々に横に広がり、そして裂けていった。
そして、ミサは全身が黄緑色になっており、歯はギザギザし舌をべろべろ回している。
「お母さん…美味しそう…」
ミサの声は、低くドライアイスのような乾いたハスキーボイスとなり、そして固まる母親の頭部にかじりついたー。そして、そのまま美味しそうに母親をむしゃくしゃ食べ、後には骨がそこら辺に散在しているのであった。
「まだ…足りない…。」
ミサはそう言うと、家を出て次々と通行人に襲いかかった。そして、学校に着くと教師や生徒達を次々と襲うと、そのまま教会へと向かったのだった。
ミサが教会に着くと、白いローブ姿の女が優しく出迎えてくれた。ミサは舌からヨダレを垂らし、ゼェゼェしながら入口に立つー。目は皿のように大きくなり、身体全身は植物のようにうす緑色になっていた。ミサは気絶させた、例の彼を担いでいた。
「これで、あなたとあの人だけの世界になるわよー。」
女のその言葉にミサはこくりと頷き、そして、女が不気味に微笑んだのだった。
少女の家庭は貧乏だった。親は離婚し母子家庭だった。母親は呑んだくれで明け方に帰り、よく少女に八つ当たりしていた。少女は、孤独だった。毎日、ボロボロの服で登校してきた。少女は嘲笑の対象だった。その子は、何処にも味方はいなかった。学校では、孤独、いつも隅の方で丸くなっていた。
少女は、美化委員会に属しており、いつも1人で花壇にしゃがんで水やりをしていた。花はみるみる大きく成長していった。
少女は、ミサと言う名である。ミサは日陰が好きである。日陰は、安心感があるのだ。日陰はすべてを暗く染め、覆い隠してくれる。汚れきった自分の姿を暗く染め上げてくれる。自分は、影に飲み込まれ同化するのだ。
ミサは、孤独な少女だった。クラスメイト達は、自分によそよそしく、分厚いフィールドのようなもので隔てられたかのような感覚であった。小学校の頃は常に孤独で、花と動物が生きがいだった。
やがて、ミサは中学に入った。母親は益々酒に入り浸り、性格はささくれて行ったのだった。
ミサは勉強がどうしても苦手で、クラスから馬鹿にされた。特に単純な計算式を間違える事が多かった。彼女は、其れがどうしても悔しかった。ミサは脳に欠損があったのだ。中学の時も惨めに時が過ぎー、そして高校生へとあがったのだ。
そんな彼女に優しく勉強を教えてくれる人がいた。彼は端正な顔立ちで、女子からの憧れの的であった。彼の周りにはいつも人がいた。ミサが困っていたりいじめにあうと、必ず助けてくれた。自分1人になろうとも、必ずミサの盾となってくれる存在でであった。成績優秀でスポーツ万能ー。しかし、決して着飾る事はなくー、男女誰からも愛され、慕われる存在なのだ。
こうして、ミサは徐々に彼に想いを寄せ始めてきたのだった。
しかし、恐らく彼はミサの事をただのクラスメイトとしか思わないだろうー。そこには、光と影、太陽と月程の差があった。彼にとって、自分はただの、クラスメイトでしかないー。
彼が他の女子と楽しく談笑しているのを見てると、ミサは胸にザワザワどした異物が体内を駆け巡るような感覚に陥った。この感覚は、自分でもよく分からなかったのだ。
彼は、誰にでも優しい明るく向日葵のような存在であった。彼の笑顔がとても眩しく、日陰を日向に明るく照らしあげてくれるのだった。
ミサは、どうしても彼を自分だけのものにしたかった。彼が、どうしたら自分に振り向くのか考えてみた。しかし、どう足りない脳みそを捻らせても、答えは出てこないのだった。
ミサにとって毎日がとても苦く苦しいものとなっていった。彼がほかの女子と楽しく話していると、ソワソワしてしまい嫌悪感が剥き出しになり溢れ出てしまいそうだ。
彼のような良い男が、自分のような影の世界の住人をまともに相手にする事はないだろうー。そう考えると、胸が重苦しくなるのだ。自分のような人間に好かれても、彼はいい気はしない、寧ろ迷惑だろうと、ミサは溢れ出しそうになる甘酸っぱい気持ちをひたすら押さえ込んでいったのだった。
どんなに頑張っても、自分は並以下ー。容姿は良くならず、勉強も平均以下の成績ー。おまけに貧乏で脳には先天的に欠けてるものがある。
ミサにとって、毎日は無意味なものであった。無意味な苦しみの増殖。無意味な苦しみの連続にミサは頭を痛めていたー。
そんなある日の事だった。ミサは学校帰りにいつもの公園の隅で、猫と戯れていた。
そんな時ー、白いローブを身にまとった30ぐらいの女が、しゃがみこみ優しく声をかけた。
「何か、お困りですね?」
そして、彼女は手を差し出した。
ミサは初めは強く警戒したが、彼女を見てると徐々に光暖かく優しい光に包まれていく様な感覚に、陥った。女は、天使のような微笑みであった。
ミサはそれからというものの、毎日教会に寄るようになった。教会だけが、自分の居場所のようであった。
信者達も優しく暖かく迎え入れてくれ、ミサはやっと自分の居場所が出来たかのような居心地の良さを感じた。
不思議な事にー、ミサは教会に通う度に容姿が徐々に美化されていったのだった。
厚ぼったい瞼が無くなっていき、スッキリした目元になった。そして、分厚い眼鏡は外れ、フィルムが外れたかのようにスッキリし、世界がはっきり見えた。何もかもが新鮮だった。
そして次第にそばかすは消え、陶器のように白く透き通る肌になった。くしゃくしゃの癖毛がみるみる直毛に様変わりしていき、みさは念願のサラサラヘアーを手に入れたのだったー。
親やクラスメイトは、瞳孔を小刻みに揺らしながらミサを凝視した。ミサは、彼が自分に振り向く事を期待したが、相変わらず彼は自分の事を、異性として見てはくれない。
ミサの顔は次第にやつれていき、目は虚ろになっていった。まるで魂が抜き取られたかのような感じでマネキンのような無機質なものとなっていった。
そんなある日の夜ことだった。ミサは、身体全身暑くなり締め付けられ、引き伸ばされていく様な感覚に襲われた。目の前に自分の足の裏が見える。頬にずきずき突き刺さるような暑い感覚ー。ぐちゃぐちゃになった臓物が触手にこね回されたような感覚に陥り、激痛が走った。
ミサは悲鳴を上げ、コップ一杯の水を飲み干した。しかし、どんなに飲んでも飲んでも、喉の乾きは一向に収まる気配はなかった。
ミサはボールいっぱいの水をくみ、フラフラになりながらベッドにいく。頭が酷くクラクラしていく。身体全身が沸騰するかのような熱い感覚に襲われた。
ミサは一晩中、悶え苦しんだー。
悶え苦しみながら眠りに落ち、目が覚めた頃だった。ミサは制服に着替えると、階段を降り食卓に座った。
「どうしたの…?その姿は」
母親が、目を皿のように丸くしながらミサを凝視していた。
「私…可愛い…?」
ミサは、心が軽やかで全身が強いエネルギーのようなもので満たされていった。
「お母さん、お腹空いた…。食べていい?」
「は?」
ミサの口は徐々に横に広がり、そして裂けていった。
そして、ミサは全身が黄緑色になっており、歯はギザギザし舌をべろべろ回している。
「お母さん…美味しそう…」
ミサの声は、低くドライアイスのような乾いたハスキーボイスとなり、そして固まる母親の頭部にかじりついたー。そして、そのまま美味しそうに母親をむしゃくしゃ食べ、後には骨がそこら辺に散在しているのであった。
「まだ…足りない…。」
ミサはそう言うと、家を出て次々と通行人に襲いかかった。そして、学校に着くと教師や生徒達を次々と襲うと、そのまま教会へと向かったのだった。
ミサが教会に着くと、白いローブ姿の女が優しく出迎えてくれた。ミサは舌からヨダレを垂らし、ゼェゼェしながら入口に立つー。目は皿のように大きくなり、身体全身は植物のようにうす緑色になっていた。ミサは気絶させた、例の彼を担いでいた。
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