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よからぬ事を考えそうなハイエナ④
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マーベルも他の令嬢もユシン様の急な出現に固まっている。
「…さて、ここで何をしていた?」
ユシン様が発する言葉にマーベルはハッと意識を戻す。
「っっユッ…ユシン様っっ」
「君達は何をしている?」
「これは…その…バウンドル男爵令嬢があまりにも礼儀知らずだったので…」
「マリアが礼儀知らず?」
「ユシン殿下と幼少の頃より交流のあるこの私が指導をと…」
「幼少の頃から交流?…お前は…だれだ?」
ユシン様はマーベルに対して明らかに嫌厭した顔を向ける。
マーベルはそんなユシン様をみて悲しそうな顔をする。
「私は殿下と幼少の頃より共に学園で学ばせ頂いております」
さっきまでの威厳は何処へやらマーベルはシュンとしながら小さな声で答える。
ユシン様はマーベルをジッと見つめてから視線をずらし考え込む。
マーベルは期待を込めてユシン様を見つめている。
ユシン様はしばらく考え込むと再びマーベルを見る。
「あぁ…その顔。思い出した。」
その言葉にマーベルはパァッと顔に花を咲かす。
「ユシン殿下。思い出して頂けましたか?そうです。マーべ…「いつも俺にしつこく付きまとってきた奴だな。断っても断ってもベタベタとしつこくて…確か…キュアに突っ込まれて失神してキュア嬢に保健室に担ぎ込まれてからは姿を見る事も無くなったが…」
……キュアが突っ込んだ?
…キュアに担ぎ込まれた?
マーベルは一気に顔を赤くさせる。
「マリアをどうする気だったのか?…聞くまでも無いか…」
「っ…ユシン殿下。この際ですので言わせて頂きます。こんな女ユシン殿下のお役にたてるとは思いません。ユシン殿下には他にユシン殿下の後ろ盾となれる良いお相手がおります」
何かに吹っ切れたようにマーベルはユシン様に突っかかる。
でも、マーベルのその言葉にユシン様は明らかに不機嫌なオーラを撒き散らす。
「こんな女?マリアは俺が決めた正式な婚約者だ。お前如きがそんな呼び方をしてら良いとでも?」
「っっ…」
「マリアより良い相手とは?もしかして自分とでも言うつもりか?」
「それは…」
「俺にとってマリア以上の奴はいない。それを口出しするとはそれなりの覚悟があってだろうな?」
「わたくしは…ユシン殿下を思って…」
「俺を思って?余計なお世話だ。今回の事はただでは済まない。分かっているな」
ユシン様はそれだけ言うと私の腰に手を回してその場を離れる。
ユシン様に連れられるままソッと後ろを振り返ると崩れ落ちるマーベルと動けず立ちすくんでいる顔面蒼白の令嬢達がいた。
「大丈夫か。マリア」
ユシン様は、先程マーベルと話していた時とは違う優しい声を私に掛ける。
「…はい。大丈「バ…バウンドル男爵令嬢っ」
バーモント子爵令嬢と気弱な令嬢が息を切らせながら私を追いかけて深く頭を下げる。
ユシン様が咄嗟に私を守るかの様に自身の後ろに隠す。
「すみませんでした。私…マーベルお姉様がこんな事を考えているなんて…ただお姉様はバウンドル男爵令嬢とお話をしたいと言っていたのに…こんな事…」
「わ…わたしも……こんな事になるなんて…」
泣きながら頭を下げる二人を見て複雑な気持ちが湧き出る。
でも、頭を下げる2人はその姿から悪気があったわけでは無いように感じた。
先程も真っ青な顔をしていたし…
はっきりとそうだとは言い切れないけど、今の姿を見る限りバーモント子爵令嬢の私に対してのそっけなさも私を嫌ってと言うよりマーベルに言われて行っている事に対しての緊張からだったのかもしれない。
そう思えば可哀想に思えてくる。
チラリとユシン様を見るとユシン様はコクンと頷いて私を彼女達の前に行かせてくれる。
「…嘘で私を連れ出したのは許せませんが逆らえなかったのですよね。今回の事で私に悪いと思うならこれからは私と仲良くして頂けませんか?私…友達少ないからそうして頂けたら嬉しいです。」
私の言葉に2人は驚いたように目を見開く。
そんな2人に私は笑みを浮かべてユシン様と再び歩きはじめた。
「…さて、ここで何をしていた?」
ユシン様が発する言葉にマーベルはハッと意識を戻す。
「っっユッ…ユシン様っっ」
「君達は何をしている?」
「これは…その…バウンドル男爵令嬢があまりにも礼儀知らずだったので…」
「マリアが礼儀知らず?」
「ユシン殿下と幼少の頃より交流のあるこの私が指導をと…」
「幼少の頃から交流?…お前は…だれだ?」
ユシン様はマーベルに対して明らかに嫌厭した顔を向ける。
マーベルはそんなユシン様をみて悲しそうな顔をする。
「私は殿下と幼少の頃より共に学園で学ばせ頂いております」
さっきまでの威厳は何処へやらマーベルはシュンとしながら小さな声で答える。
ユシン様はマーベルをジッと見つめてから視線をずらし考え込む。
マーベルは期待を込めてユシン様を見つめている。
ユシン様はしばらく考え込むと再びマーベルを見る。
「あぁ…その顔。思い出した。」
その言葉にマーベルはパァッと顔に花を咲かす。
「ユシン殿下。思い出して頂けましたか?そうです。マーべ…「いつも俺にしつこく付きまとってきた奴だな。断っても断ってもベタベタとしつこくて…確か…キュアに突っ込まれて失神してキュア嬢に保健室に担ぎ込まれてからは姿を見る事も無くなったが…」
……キュアが突っ込んだ?
…キュアに担ぎ込まれた?
マーベルは一気に顔を赤くさせる。
「マリアをどうする気だったのか?…聞くまでも無いか…」
「っ…ユシン殿下。この際ですので言わせて頂きます。こんな女ユシン殿下のお役にたてるとは思いません。ユシン殿下には他にユシン殿下の後ろ盾となれる良いお相手がおります」
何かに吹っ切れたようにマーベルはユシン様に突っかかる。
でも、マーベルのその言葉にユシン様は明らかに不機嫌なオーラを撒き散らす。
「こんな女?マリアは俺が決めた正式な婚約者だ。お前如きがそんな呼び方をしてら良いとでも?」
「っっ…」
「マリアより良い相手とは?もしかして自分とでも言うつもりか?」
「それは…」
「俺にとってマリア以上の奴はいない。それを口出しするとはそれなりの覚悟があってだろうな?」
「わたくしは…ユシン殿下を思って…」
「俺を思って?余計なお世話だ。今回の事はただでは済まない。分かっているな」
ユシン様はそれだけ言うと私の腰に手を回してその場を離れる。
ユシン様に連れられるままソッと後ろを振り返ると崩れ落ちるマーベルと動けず立ちすくんでいる顔面蒼白の令嬢達がいた。
「大丈夫か。マリア」
ユシン様は、先程マーベルと話していた時とは違う優しい声を私に掛ける。
「…はい。大丈「バ…バウンドル男爵令嬢っ」
バーモント子爵令嬢と気弱な令嬢が息を切らせながら私を追いかけて深く頭を下げる。
ユシン様が咄嗟に私を守るかの様に自身の後ろに隠す。
「すみませんでした。私…マーベルお姉様がこんな事を考えているなんて…ただお姉様はバウンドル男爵令嬢とお話をしたいと言っていたのに…こんな事…」
「わ…わたしも……こんな事になるなんて…」
泣きながら頭を下げる二人を見て複雑な気持ちが湧き出る。
でも、頭を下げる2人はその姿から悪気があったわけでは無いように感じた。
先程も真っ青な顔をしていたし…
はっきりとそうだとは言い切れないけど、今の姿を見る限りバーモント子爵令嬢の私に対してのそっけなさも私を嫌ってと言うよりマーベルに言われて行っている事に対しての緊張からだったのかもしれない。
そう思えば可哀想に思えてくる。
チラリとユシン様を見るとユシン様はコクンと頷いて私を彼女達の前に行かせてくれる。
「…嘘で私を連れ出したのは許せませんが逆らえなかったのですよね。今回の事で私に悪いと思うならこれからは私と仲良くして頂けませんか?私…友達少ないからそうして頂けたら嬉しいです。」
私の言葉に2人は驚いたように目を見開く。
そんな2人に私は笑みを浮かべてユシン様と再び歩きはじめた。
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