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二話 ブーヨの森

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一方その頃王城では・・・

「くそっ‼なんで見つからないんだ‼…..っ‼このまま逃してしまったら....!!」

王様が頭をガシガシと掻きながら傭兵に指示を出していた。

「.....あの、僭越ながら申し上げますと...もう逃してしまっても良いのでは無いかと....逃げたやつは【忌み子】を持っていますし別のところへ行っても追い出されるだけなんじゃないかと.....」

「ぬぅ....確かにそうなんだがな、だがしかし、もしもここで逃してしまったらなにか起こりそうな予感がするんだ。それにもしもあの【忌み子】を私達が召喚した。なんて言ったら......もうどうなるかわからないんだ!」

「あの、まだ一つだけ探していない場所があります。」

傭兵がそう言うと王様は傭兵をギロリと睨みつけた。睨みつけられたので傭兵は怖気づいた。

「何だ‼言ってみろ‼くだらないことだったらただじゃおかないぞ‼」

「はっはい‼申し上げますと、まだブーヨの森は調べていません。」

「ふむ.....あの森か、あの森は景色がいいと人を近づけて中に入り、休んでいるスキに養分を摂るというあの....もしそうだとしたらもう生きて帰っては来られないだろうな、そう考えるとわざわざあの森に行く必要は無い、城下町の警備だけしてこい‼」

そう大声でいうと傭兵はなんだか安心したように返事をした。

ザワザワッザワワッ

私は奇妙な音がして目が覚めた。いつの間にか寝てしまっていた。けど多分日がちょっとしか傾いていないから1時間ぐらいしか立っていないと思う。ちょっと空を見たあと下を見ると何やら草?ツタ?みたいなのが私の周りにたくさんあった。なんだコレ。この森の事何も知らないけど直感で危ないって言ってる気がする。....抜いたほうがいいね。
私は草むしり感覚でブチブチ抜いていたらもうしゃがんでるのも辛くなってき始めた。

グォォォォォォ‼

デカイ地響きとともに私はしゃがんでいた体を起こした。
えっなになになに⁉何かあったの⁉….というかこの地響き、こっちに近づいてきていない?なんか、こういうのってテンプレ通りに行くと森のボス的なのが出てくる感じじゃ...
そうしてから私は地響きがスゴイせいで逃げることも出来ずに足止めされたままだった。
….まだ?いや、まだとかはないと思うけどさこれは流石に...そろそろ出てきてもバチは当たらないよ?けどやっぱこれ地震かなにかなのかな、
そう思った時にいきなり下からデカイ木が出てきた。けどその木は顔がついていて、なにか危険だと感じた。私は急いで後ろに飛び、なんとか回避した。

「あっぶな、ギリギリセーフ。.....えっと、この森の主的な方でしょうか?」

「い”か”に”も”私”か”こ”の”森”の”主”た”お”ま”え”、私か”生”や”し”た”ツ”タ”を”ぶち”ぶち”と抜”き”お”って”と”っと”と死ん”でし”ま”え”ばい”い”の”に”」

ツタ?あれ草じゃなかったんだ。というかあれって抜いちゃダメだったの?でも知らなかったし、危ないって思ったし....

「えっと、ごめんなさいでした。....ところで話し合いに応じる気は有りませんか?」

「な”い”私”が望む”こ”と”は”お”ま”え”がと”っと”と”く”た”ばる”こ”と”だけ”だ。」

話し合いに応じる気はなさそうだ、私は体力は回復したもののまだ何もない、武器もない、.....えっこれ詰んだ?えっヤバイヤバイヤバイほんとにどうしよ。

「し”ね”私”の”森”を”汚”す”者”よ”‼」

もう‼やるしか無い‼
私は逃げた。ここは森だ。ボスのほうが森のことを分かっていると思うけど、逃げる。
木を障害にして追いつきにくくするんだ。でも朝に全速力で走ったばっかなのにまた走ることになるなんて、それにまた死にかけてるし!!ちゃんと冷静に物事を見ないと今度こそ死ぬ‼そうするとさっきまで太いツタが何本も追いかけてきたのにいきなりさっきまでとはぜんぜん違う太さのツタが二本追いかけてきた。さっきよりも正確に私の走っている道を来るまだまだ走っても行けるけどなんとか攻撃もしなくてはいけない。もうツタが追いついてきて私に攻撃を始めてきた。けど私は走るのに必死で後ろを見ることが出来なかった。

(上に飛んで‼)
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