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十六話 全部話した

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『アイテムボックス』

死体がスッと消えた。なるほど。こういうふうにしてスピカのアイテムボックスに入るんだな。自分もアイテムボックスとかがあったら楽ちんだったのに。

「マジかよ....『アイテムボックス』持ちか....今日は久しぶりに驚くことばかりだな...」

「久しぶりに?なんで?冒険者って面白いことばかりじゃないの?」

「俺ぐらいのレベルになるとな、敵が弱く感じまうからつまんないんだよ。だから俺、面白いことばかり探してた。そしたらディルレットが俺の前に出てきたんだよ。そしたら一人で盗賊倒しちまうわ精霊いるわ『アイテムボックス』持ってるわでなんか一緒にいると面白いことが起きそうだったからな。だからディルレットの依頼を受けた。」

「な....なるほど~」

そう言ってる間にスピカはサクサクと死体や気絶してる人を回収していく。死体を回収....
そして最後の人を回収して戻ってきた。血はまだ道に付いているが、キレイにはなった。

(はい。終わったわよ。これでいい?)

「ありがとう。スピカ、すごく助かったよ。」

「じゃあ次は鑑定だな。」

「....釘を差さないでよ」

せっかくこのまま忘れてくれると思ったのに。やっぱり覚えてたか...私はこそっと『隠蔽』を解除した。...大丈夫だよね?レイドさん何かは言うと思うけど大事にはしないよね?

(何落ち込んでるのよディル、サッサと鑑定終わらすわよ。多分もうお昼だし。)

影を見ると私の影が真下にあった。今がお昼だと思うと私が宿を出たのが朝だったからもうそんなにも時間が立ってたんだ。まぁ歩く距離長かったもんな。時間かかったし。

「もうサッサと終わらしちゃって下さい....」

(じゃあ始めるわよ。)

「二人同時にやるの?」

(初めてだけどね。きっと出来るわ。)

「早く終わらせろ。スピカ?」

(なんで疑問形なんですかレイドさん。初めますよ。)

『鑑定』

私とレイドさんが少し光った気がした。鑑定を受けるのは二回目だけどあの時は混乱しまくっててよく見てなかったから私はじっくりと見た。そして私の前に出てきたのはレイドさんのステータスだった。

《 名前 レイド     年齢20歳 男  Lv.65  色   赤 火属性       》
《 体力 6,300  魔力 7,777  攻撃力 6,350             》
《 防御力 5,200  素早さ 5,980                       》
《 【青炎】普通は赤い炎だが威力が高い青い炎が出せるようになる          》

私はレイドさんのステータスをじっと見る。スピカもレイドさんのステータスに興味があるのか私よりもよく見てる気がする。レイドさんも私の本当のステータスを見てるんだよな....これを見ると私はチートってことがよく分かる....よく....わかる...分かりたくなかったよ....ちょっと望みあるかなって思ってたけどやっぱりこうなるよね。なんとなく....よくありそうな感じだったもん。どうしようレイドさんのステータスはすごいけど自分のステータスとどうしても比較してしまう....ダメなのに。というか〘青炎〙の二つ名って【青炎】から来てるのか?

「おい....ディルレット。」

「はい....?ナンデショウカ....」

「説明。」

「はい...」

私はレイドさんの近くに行き、自分のステータスをなぜこうなったのか、事細かに教えた。だけどレイドさんは色も属性も称号もあまり気にしてないようだった。「なんで?」と聞くと「面白そうだから。」ってさ。そういえばさっき言ってたね。自分は恵まれてるなぁ....しみる.....話し終わったらレイドさんはなんか納得していたようだった。もしかして自分はがギルドカードを『隠蔽』して載せてたのがバレたとか?

「まぁ。わかった、どうしてこんなに化け物じみたステータスが出来るのか。だけどもう一つの称号が【自分を知る者】か....」

「なにかまずいんですか?」

レイドさんは私のステータスを見ながらなにか悩んでいる様子だった。
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