カレンダーの復讐

クリオネ

文字の大きさ
4 / 18
第二章 次に向けて

新しい仲間

しおりを挟む
朝になり商人が馬車で通るようになっていた。すると一人の商人が私に話しかけてきた。

「こんな朝早くから人がいるのは珍しいなぁ、ところでよ今ヨルムン・ガンドギルド長の館が大騒ぎらしいぜ。何でも、ギルド長とその秘書が亡くなったらしい、そのことを知った街もギルドも大パニック状態で、号外には『夜に突然亡くなったヨルムン・ガンド様とその秘書アネモネ・アリウム!』ってな。街ではいろんな噂が広がってるらしいぜ、過去になにか悪いことをしていたのか!?ってな感じで、いやぁ~怖いね~。」

ガハガハ笑いながら商人は話してきた。
まぁそりゃあいきなりギルド長と秘書が死んだら大騒ぎだろうな...。
そしたら商人は手を振って馬車を走らせていった。ずっと歩いていたからか、それともちゃんと自分が死んでいるということに落ち着いたかわからないが一気に疲れがどっと来てまった。持っていたパンを食べ、途中で森に入り狼を仮テイムした。
できるだけ早く着きたいからな、ここは人も少ないし大丈夫だろ。
その狼に仮の名前として{ガウル}と名付けた。初めてテイムして名前をつけてちょっと不安げにいたが、どうやら成功したようだ。そしたらガウルが喋った。

「名前をつけていただき感謝します我が主。」

なるほど名前をつけたらしゃべるのか、一応覚えておこう。

「いやそんな大層なものじゃないよ。ところで頼みがある、私をシド領まで連れて行ってくらないかな?」

「別に構いませんけど、なにか急いでいるように見えますがなにかあったのですか?」

ガウルは心配そうに見つめてきた。顔に出ているのかと思い少し焦ってしまった。
少し落ち着いて「大丈夫だよ。」といってガウルの背中に乗った。だけどどこか私の身に起こったことを話したくなった。

「.......聞いてくれるか?ガウル」

そしたらガウルは静かに頷き、「何なりと」と言った。
そして私は今までのことをガウルに話した。ガウルは静かに聞いてくれた。

「なぜシド領に向かっているのか知りました。....そういうことがあったからなんですね。
  .....実は我輩、過去に家族をなくしているんです。ギルドに殺されました。」
ガウルは落ち込んでうつむいていた。そのせいかさっきまで風が吹いていたのに今は全く吹いていない。だけど一つ引っかかっていることがあった。「(ギルドに殺された?....)」

「ちょっと待て、ギルドに殺されたってなんだ。聞かせてくれないかな?」

ガウルはしばらく俯いたままだった。だけど何かを決意したのか顔を上げた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢のひとりごと

鬼ヶ咲あちたん
ファンタジー
城下町へ視察にいった王太子シメオンは、食堂の看板娘コレットがひたむきに働く姿に目を奪われる。それ以来、事あるごとに婚約者である公爵令嬢ロザリーを貶すようになった。「君はもっとコレットを見習ったほうがいい」そんな日々にうんざりしたロザリーのひとりごと。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は手加減無しに復讐する

田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。 理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。 婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

豪華客船での結婚式一時間前、婚約者が金目当てだと知った令嬢は

常野夏子
恋愛
豪華客船≪オーシャン・グレイス≫での結婚式を控えたセレーナ。 彼女が気分転換に船内を散歩していると、ガラス張りの回廊に二つの影が揺れているのが見えた。 そこには、婚約者ベリッシマと赤いドレスの女がキスする姿。 そして、ベリッシマの目的が自分の資産であることを知る。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定  

処理中です...