似た者

にしめ

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彼女は、通学路をゆっくりと自転車で進んでいく。1人、傍から見ればただ自転車を漕いでいるだけだが、彼女は常にと思っていた。周りはだんだんと好きな人ができたり付き合い始めたりしたため彼女は焦っていた。彼女には友達が何人かいたがその人たちは全く恋愛に興味がなくとてもつまらない人たちだった。つまらない人というのは彼女がそう思っているだけであり世間的に見れば全くつまらなくはない。彼女の方が少しばかり恋愛に執着しすぎているのであった。そんな彼女はある時一目惚れをした。それは、彼女の通う学校の1つ歳上の彼であった。その彼というのはあまり目立たない人であったが、優しく誠実な人であった。彼女は彼に近づこうと計画をたて始める。
 彼は、誰も愛せない人であった。彼はは愛せない人であった。あまり目立たないような地味な見た目の彼だが、顔はそこそこ整っており告白されたこともある。そんな彼にはこの世界で1番愛しているものがあった。
 彼女は、今日も自転車を漕ぐ。彼に告白する準備はできたようだ。この時の彼女はしるよしもないだろうまさか彼があれを愛しているとは…
彼に愛の告白をした彼女はその場に泣き崩れた。振られたのだ。彼女はなぜ私は誰からも愛されないのだろうと自分を恨んだ。そして彼を恨んだ。彼女が言われた言葉は、それは酷く刺々しい言葉だった。
「誰ですか?僕はあなたなんか知りませんし、だいたい僕があなたを愛せると思いますか?」
と彼は言い放った。彼女はこの言葉を聞いてこの男を今すぐ殺したいと思ったに違いない。だが、彼からすればそれはなんて事ない言葉だった。彼の愛しているものは彼を待っている。それをただ愛するためだけに大急ぎで帰る彼は彼女から見たら酷い人に見えただろう。
彼は家に帰るとそれを抱きしめた。
彼女は家に帰ると泣きじゃくった。
これでよかったのだ。彼女は知らなかった彼の愛するものを彼の愛する…
彼には中学生の時に付き合っていた人がいたそれはとても美しく彼女とはかけ離れているほど美しく優しい人であった。だが、その人は付き合って1ヶ月で別れようと言ってきた。彼は快く受け入れた。なぜならその人を永遠に手元における手段をしていたからだ。
彼女は振られてからの1週間やけ食いしては吐いての繰り返しだったがだんだんといつもの元気を取り戻して行った。そして、2週間経ったある日彼女は彼の愛していたものを知ることになった。鳴り響くサイレンと手錠をかけられた彼の姿。ニュースでは行方不明になっていた少女が行方不明になった当時付き合っていた交際相手の少年の家から遺体となって見つかったと報じている。彼女は安堵した。そして、こう言った。
「彼も同じだったんだ」
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