ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

文字の大きさ
121 / 290
第二章 始まる争い

56話 また増えた!?

しおりを挟む

「国盗りって…他のプレイヤーがジパン国を乗っ取るって、いったいどういうことなんだ?」


イノチは意味がわからず、ロキに問いかけた。


「それを説明するには、ちょっとした地理のお勉強が必要なんだけど…あっ、ちょっと待ってね。もしもし…」


ロキは、突然鳴った携帯を取り出すと、おもむろに通話相手と話し始めたのである。


「あっ、じいさん?!もう、遅いよ!何やって…そう、そうそう。あ~そこまで話したよ。これから、本題…うんうん。」

「けっ…携帯…?!」

「今どこに…え?もうすぐ着く?リョーカイリョーカイ!!今、『イセ』へ帰る途中で、街道を移動中だからすぐ見つかると思うよ!そんじゃ、後でね!」


ロキはそう言い終えると、通話を終了して、携帯を懐に収める。


「…誰と話してたんだ?」

「ごめんごめん!実はさ、今からもう一人増えるんだよね。この世界の地理に詳しい人が来てくれるんだ。彼が来てから詳しい話をしようと思うんだけど…しかし、この馬車せまいねぇ。」

「したかないでしょ!荷台は四人が定員なんだから。どうする、BOSS。どこかで休憩した方がいいかしら。」

「確かになぁ~話しやすいのはそっちだけど…」

「う~ん、できれば移動しながらがいいかな。あんまり時間もないからゆっくりもしてられないし…」


悩むイノチに、ロキはこのまま移動を続けることを提案するが、エレナがそれに反論する。


「いきなり一人増やしたのはそっちでしょ!それなら、そいつを馬の背にでも乗せたらいいじゃない!」

「…ん?それは俺のことを言っているのか?」


エレナの視線を感じ取り、ゲンサイが振り向く。

睨み合う二人。
目には見えないが、バチバチと視線がぶつかり合っている間に、ロキが笑顔で入り込んだ。


「ごめんねぇ…エレナちゃんの言ってることもわかるし、目のことも残念だと思うよ。でも、ゲンサイにはちゃんと話を聞いてもらわないといけないし、イノチくんもそう…ということは…ね!」

「うっ…」


その笑顔の意味を理解して、顔を引きつらせるエレナ。


「はいはい…!わかりました。あたしがどけばいいんでしょ、どけば!!」


エレナはそういうと、御者台へと移動していった。
ゲンサイも、鼻を鳴らしてそれを見送る。

ブツブツと文句を垂れながら、横に座ってきたエレナに向かってアレックスは笑顔を向けた。


「エレナさん!ここはここで楽しいですよ♪一緒におしゃべりしましょう♪」

「アレックス…」


アレックスの純粋な笑顔にキュンとするエレナであった。

エレナを見送ったイノチは、再びロキに話しかける。


「で、その地理に詳しい人とやらは、いったいいつ来るんだ?」

「ん?もう来てるよ!」

「は?!来てるってどこに…なっ!!」


ロキの言葉が一瞬理解できなかったが、イノチはエレナがいた場所に人が座っていることに気づいて驚いた。

そこには、体の大きな白ひげの老人が座っていたのである。
ただし、フードを被っていた顔は見えない。

フードから飛び出る白いひげだけが、一際、存在感を放っているのだ。


「いったい、いつの間に…!」

「フォフォフォ…わしなら、先ほどからずっとここにおったよ。あの娘がどいた後からな。」


唖然とするイノチを見て、面白そうに笑う老人。
二人を見て、ロキも面白げに口を開いた。


「さてさて、役者は揃ったね!なら、話の続きといこうじゃないか!」

「…ロキよ、どこまではなしたんじゃっけ?」

「はぁ?!おいおい、今さっき電話で話しただろ?!本当にボケちまってんじゃないのか!大丈夫かよ!?」

「うるさいのぉ!ボケとらんわ!ちと物忘れがひどいだけじゃ!んで、どこから話すんじゃ?」

「国盗りの話だよ…ランク戦!ったく。」


老人は「そうじゃったな!」と口元で大きな笑みをこぼす。そして、イノチとゲンサイの方に顔を向けると、その白いひげで見えにくい口を開き、話を始めたのだ。


「ランク戦の話の前に地理のお勉強じゃ。この世界には、ここジパンの他に、いくつも大きな国があることは知っておるな?」


イノチとゲンサイは、静かにうなずいた。
老人はそれを見てうなずくと、話を続ける。


ここバシレイアには、リシア帝国、島国ジパン、ジプト法国、北の国ノルデンの主要国が存在している。
これはチュートリアルでも聞いていたので、イノチも知っていることだ。

老人が言うには、それ以外にも小さな国が点在してはいるが、これら4大国に及ぶほどの国はないのだと言う。

4大国は、それぞれ独自の文化、経済、政治、宗教などを発展させており、互いに軍事的、政治的に干渉するとこは基本的にないらしい。
ただし、貿易は盛んに行われていて、他国の文化などを取り入れる傾向にはあるのだと言う。


「ここまでは基本中の基本。本題はここからじゃ、これを見よ。」


老人はそう言って、懐から取り出した大きな地図を、イノチたちの前に広げていく。
そして、その中心を指して、再び口を開いた。


「ここがジパン国、ここから南東に行くとリシア帝国で、その逆に南西にはジプト法国がある。そして、北へ行けばノルデンじゃ。」

「ジパン国って世界の中心にあるんだな。」

「さよう…この地理的な位置によってジパン国は現在、貿易の中心国となっておる。お主は『トウト』にある港は見たか?」

「今回は観光で来たわけじゃないからな。見る機会はなかったよ。」

首を横に振るイノチを見ながら、老人は残念そうに話を続ける。


「なんじゃ、見とらんのか。もったいないのぉ、普通じゃ見られんほどの巨大な規模の港であると言うのに…」

「じいさん、話が逸れてるよ!」

「…ん?おぉ、すまんすまん。まぁ、いつか見てみてくれ。それで…どこまで話したっけのぉ?」

「もう!ふざけないで、ちゃんと話せよ!ボケ老人!貿易の中心地ってとこまでだよ!」


ロキがそう言った瞬間だった。
突然、周りの馬たちが暴れ始め、荷台がガタガタと揺れ始める。


「わわわ!みんなどうしたの?!」


手綱を握っていたアレックスが驚いて制御しようとするが、馬たちは何かに怯えるように暴れているのだ。

それは馬車の周りでも同じであった。
トヌスたちも、突然暴れ出した馬を落ち着かせようと、必死になっている。

そんな最中、イノチは老人から発せられる異様な雰囲気を感じ取っていた。横を見れば、ゲンサイも焦りの表情を浮かべ、剣の柄に手を置いている。

一方で、ロキはおでこに手を置いて、やっちゃったという表情を浮かべている。

得体の知れないオーラを放ちつつ、老人がゆっくりと口を開いた。


「誰がボケ老人じゃと…?」

「…じっ…じいさん、言葉のあやって…知ってる?」

「"巧みな言い回し"のことじゃな…今のがそうか?使い方…間違っとりゃせんか?」

「いや…アハハハハ…そうだっけ…?」


ロキは、頭をかきながら苦笑いを浮かべているが、老人の怒りは収まる様子がない。

フードに隠れた目からは光が発せられ、彼の背には地鳴りのような効果音が…

見えはしないが、それほどまでのオーラを発しているのだ。


「ハハハハ…じいさん、話の続きをしようよ!ね!」


ロキがそう言った瞬間、雷のような爆音が荷台で鳴り響いたのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...