ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

文字の大きさ
242 / 290
第四章 全ての想いの行く末

13話 決着?

しおりを挟む

「BOSS!!」

「ぐえっ!!」


突進してくるロノスを見たフレデリカは、イノチを突き飛ばして拳を構えた。

転がるイノチをよそに、フレデリカは真上から振り下ろされた剣に対して体を斜めに向けて半身でかわす。

その瞬間、流れる髪の毛先を切られるが、構うことなく左の拳でジャブを放つ。

…が、ロノスは剣を振り下ろした体勢のまま、首を傾けてそれをかわした。

同時に、剣の刃先の角度を変えてフレデリカへと斬撃を向ける。

対するフレデリカは体を大きく反ってそれをかわし、そのまま後転して間合いをとった。

空気を切り裂く透き通った音が鳴る中で、二人は再び睨み合う。

静けさが漂う中で、未だ突き飛ばされて転がっていたイノチが噴水の縁に頭をぶつけてうめき声を上げた。

その瞬間、それを合図にしたかのようにフレデリカとロノスの姿が消える。


「イテテテ…あ…あんなごつい鎧を着てるくせに、フレデリカのスピードについていくのかよ…そろそろ頃合いかな。」


いくつもの衝撃音が何度も何度も響き渡っている様子を眺め、イノチは頭をさすりながらそうつぶやいた。

そして、すぐにハンドコントローラーを起動させてキーボードを打ち始めたのだった。





「何なんだよ…あいつらは…」


ケンタウロスとアカニシは互いに交えていた刃の力を緩め、フレデリカとロノスの戦いに魅入っていた。

巨大な爆発と粉塵が舞い上がったかと思えば、その中心からロノスが姿を現し、今度はフレデリカと息を呑むようなバトルを繰り広げているのだ。

唖然と見つめる二人をよそに、フレデリカとロノスは幾度となくぶつかり合っている。


「あいつ…フレデリカ姉さんと互角に渡り合ってやがる。」
「あの女…団長と互角だと…」


二人とも目の前の光景に驚きを隠せずに小さくこぼすが、互いの言葉に我に返ると再び睨み合いを始めた。


「あいにく…団長の方が強えからな!はぁぁぁぁ!!」

「何言ってやがんだ!フレデリカ姉さんの方が絶対に強いね!!おらぁぁぁぁぁ!」


そう言い合いながら、再び刃に力を込めて押し合うケンタウロスとアカニシ。

そして、フレデリカたちの戦いに呼応するように、何度も剣を撃ち合い続けるのであった。


一方、ミノタウロスの猛攻を凌ぎつつ、機をうかがっているセイドもまた、フレデリカとロノスの戦いが気になっていた。


「団長がここまで激しく戦うのは初めてみたぜ…なんちゅう戦いなんだ。しかし、フレデリカの姐さんも姐さんだぜ…団長のあの動きについていけるとは…」

「よそ見するなミノォォォォ!!!」

「…っと!!こいつは相変わらず作戦を理解してるのかわからんが…さて、どのタイミングで仕掛けるか…」


目の前で鼻息を大きく吐き、巨大な斧を振り回すミノタウロスを見ながらセイドはそうこぼす。

噴水の方へチラリと視線を向ければ、キーボードを打っているイノチが自分に視線を向けているのが見えた。


(マジで器用な奴だな。まぁいいが、そろそろ作戦を進めるってことだな…しかし、あいつのあの表情…やっぱりフレデリカの姐さんが不利ってことか。)


そう考えてセイドは持っていた三叉槍を構え直し、ミノタウロスの斧をかわすと同時にスキルを発動した。


「『ウォーター・ストレンジ』!!」


その瞬間、セイドは吸い込まれるように地面の中へと潜り込む。

それはまるで、その地面の一部だけが水となってしまったかのようにトプンッと小さく波紋だけを残して。


「あ…あれ…!?どこ行ったミノかぁ!?あれれれ!?」


突然のセイドが消えたことに気づいたミノタウロスは、キョロキョロとその姿を探すのであった。





「おらぁぁぁ!!ですわ!!」

「アハハハハ!いいねいいね!!こんなに楽しい戦いは初めてかもしれないなぁ!!」


フレデリカが放った拳をかわしつつ、ロノスはそう笑った。
そして、その体勢のまま剣を振り抜く。


「いちいちうるさいのですわ!!くっ…!」

「だって本当のことなんだ!しかたないさ!!」


先ほどと変わり、ロノスの斬撃は一撃にとどまらない。
2度3度と、毎回斬りつける回数が増えていることにフレデリカ自身も気づいていた。


(こいつ…わざと…わざと力を抑えて楽しんでいるですわ!)


剣戟を避けるたびに空気を裂く音が聞こえる。
一撃でも浴びれば、体の一部が飛ぶか真っ二つになることは誰にでもわかる。


(だけど、このままではジリ貧…ですわ。)


最後の一撃をかわしたフレデリカは距離を取るため、バックステップとともにゴッドイーターによる魔法弾を数発放つが、ロノスはそれらを簡単に剣で斬り落として素早く距離を詰めてくる。


「アハッ!つれないじゃないか!もっともっとダンスをしよう!!」

「お生憎ですが、わたくしはキザな男は趣味ではありませんですわ!」

「いいねぇ!強気な女性は嫌いじゃない!」


空中で剣戟を数回放つロノス。
それをギリギリでかわすフレデリカ。

避けきれずに髪の毛先や服の端が切られていく。


「く…!ちょ…調子に…乗るなぁぁぁ!!」

「おっと…!」


怒りに任せて襲いくるフレデリカの回し蹴りがロノスを捉えた。

片腕でガードするもその勢いは殺せずに、彼は数メートルほどふき飛ばされて着地する。

その隙を逃さず、フレデリカは再び詠唱を開始。
着地と同時にゴッドイーターを構えた。


「轟雷を操りし天の主よ、その力、一条の光となりて、彼の者に降り注がん!!」


その様子を見ながら、ロノスは堂々と剣を構えている。


「炎がだめなら…雷はどうです?!ライトニングボルトォォォォォォォォ!!!」


その直後、黄色く輝く閃光がロノスへと襲いかかった。
その雷撃は不規則に動きながら、竜の姿を型取っていく。


「フフ…今度は雷かい。」


だが、対するロノスは剣を構えるだけ。
そして…

バチバチバチバチッ!

激しい雷撃がロノスに直撃し、大きな衝撃波と共にあたりに閃光が走った。


「ハァハァ…やりました…です?」


先の『アンファール・バースト』より階位の低い魔法ではあったが、それでもゴッドイーターを使用した時の魔力の消費量は凄まじい。

肩で息をしながら、フレデリカはロノスの状況を注視する。

しかし、未だ光り輝くロノスを見て驚愕した。
電撃がバチチチチッとまるで鳥が鳴くような音を奏でる中、平然とその場に立つロノスがいたのだから。


(こ…こいつ…いったいなんなんですの!?!)


言葉を失うフレデリカに対して、雷撃をまといながらロノスはつぶやいた。


「う~ん…さっきの炎魔法の方がよかったな。これはちょっと刺激が少ない…」

「お前は…いったい…」

「俺かい?至って普通のプレイヤーさ!君のBOSSと同じね。」

「なっ!なぜそれを…!?」


さらに驚いたフレデリカの目の前に、一瞬でロノスが現れる。


(……っ!?やはり力を隠して…!)


一瞬のことに体が硬直してしまうフレデリカ。
ロノスはその前で、体にまとった電撃を剣へ移動させてこう告げた。


「気になるかい?ククク…言ったろ?今は教えないって。」


青ざめるフレデリカを眺め、ロノスは剣を構える。
そして、剣先をフレデリカと向けると、電撃をまとった突きを放ったのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない 

堀 和三盆
恋愛
 一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。  信じられなかった。  母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。  そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。  日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...