ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

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第四章 全ての想いの行く末

51話 いっぺん死んできやがれ

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「さて…紳士なおじさま。そろそろ幕間といたしましょうか。」


フレデリカは不敵な笑みを浮かべて、クリスにそう告げる。反対に、クリスは今までの余裕は一変し、窮地に追い込まれたと言っても過言ではなかった。

先ほどから気にかけている屋敷西側の脅威が、未だにそこから動いていない事だけが唯一の救いか。それが意味するのは、"奴"の足止めが効いているということだからだ。


(まずはここをどう切り抜けるか…それが最優先か。)


クリスはそう考えながら、気まぐれな神たちに対して怒りを覚えていた。彼らが予定通りに対応してさえくれていたら、こんな事にはなっていないはずなのに。

そもそも、クリスは初めからクロノスという男は信用ができなかった。得体が知れず、掴みどころのない男…だが、オーディンの決定に逆らうことはできなかった。


(オーディンさまも、なぜ彼の方を仲間へお入れになったのか…)


そう考え、この現状を悔やむクリス。だが、オーディンが不在中の今、クロノスたちに逆らうことはできない。

クリスは小さくため息をつき、すぐに切り替えた。

今それを悔しんでいる暇などなく、目の前にいる敵にどう対処すべきか…それが今の最優先事項なのだ。しかも、その内の一人は竜種と同様のオーラを放ち、未知の強さを持っている。

突然、力を解放したのか…それとも隠していたのか…
疑問はあるが、今それを解いている暇はない。

そして…

ーーーまともにやり合っても勝てる道理はない。

クリスはそう考えて、ふと一つの案に辿り着いた。


(奴らは神に仲間を殺されてなお、ここに来たはず。その理由は、せめてエレナだけでも奪還したいと考えてのことだろう。だが、奴らは知らない。仲間を殺した神は、我がランドール家とも繋がっているのだ。我らに逆らえば、また神が来る…それを教えてやれば…)


ニヤリと笑った笑みを浮かべるクリス。そして、彼はフレデリカにこう告げた。


「一つ忠告しておこう…」


その言葉にフレデリカは眉を顰める。対するクリスは落ち着きを取り戻したのか、ゆっくりとフレデリカに対して言葉を綴る。


「我がランドール家にはある秘密があるのだ。詳しくは言えんが、これ以上この地で狼藉を働けば…あるお方たちが黙っておらんぞ。」

「ある…お方…?それはもしかして…世界を治める神のことですか?」

「ハハハ…知っていたか。ならば話は早い!そうだ、このままではお前たちは神々の怒りを買うぞ!それが怖ければ、エレナのことは諦めて帰るがいい!今ならまだ、間に合うかもしれんからな!」


大きく笑うクリス。その顔には、どうだと言わんばかりの笑みが浮かんでいた。フレデリカが何やら悩む様子を見て、すでに勝った気でいるクリスは、調子に乗ってさらにこう告げる。


「しかし…お前のような力の持ち主、このままおめおめと逃げ帰らせるのももったいないな…どうだ?我がランドール家に仕えてみるのは…?そちらのチビは趣味ではないが、お前ならば、私の特別な侍女としても使ってやってもいいぞ!ハッハッハッ!」


だが、そう勝ち誇って笑うクリスの言葉に、フレデリカはあきれたように大きくため息をつくと、笑みを返すように不敵に笑った。


「クリスさま…何やら楽しげですね。しかし…残念ですわ。その神さま方たちなら、うちのBOSSが排除しましたので…」

「ハハハ…ハッハッ…はぁ!?」


笑っていたクリスは、その突然の言葉に驚いてしまう。だが、冷静に考えれば、証拠などどこにもない。逆に、その発言に怒りを感じて声を大きくする。


「そ…そんなことがあってなるものか!この私がそんな嘘で騙されると思うな!」


だが、それに被せるようにフレデリカが言葉を綴った。


「確か…うちのBOSSが言っていた神の名は…クロノスさまとアヌビスさまでしたかしら?ねぇ、アレックス。」


盾の少女もそれに楽しげに頷いたが、それを聞いたクリスの方は言葉が出なかった。神の名は合っているのだ…目の前の女性の発言を疑う余地がないほどに。


(まさか本当に…!?まずい…まずいぞ…御方たちが戻ってこない理由はそういうことだったのか!!)


神が破れるなどあり得ないと…そう高を括っていた。そんなクリスを責められる者など居ないだろう。

普通は神が人に負けるなど、考えもつかないはずである。

そう驚愕に打ち震えるクリスに、フレデリカは笑ったまま声をかける。


「どうなさいましたか?クリス=ランドールさま…」

「あ…あり得ない…あり得ないぞ!神が人に負けた…?絶対にそんなことはあり得ない!!なんなのだ貴様ら!そもそも何故エレナを狙う!」

「うーん…そうですわね。仲間だから助けに来た…それだけですわ。」

「助けにだと!?ここはエレナの家だぞ!何故助けられねばならん!」


取り乱し、声を上げるクリス。
だが、フレデリカはそんな目の前の貴族に向かって、鋭く告げた。


「それは、あの娘が助けて欲しいと願ってるから…ですわ。」

「エ…エレナが…助けて欲しいだと!?」

「そうですわ。娘をモノとしか考えない父親の元でならば、誰だってそう考える…違いますかしら?」

「ふざけるな!エレナは私の娘だ!それを一族のためにどう使おうが、私の勝手であろう!あの娘も、光栄に思うべきなのだ!一族の繁栄!その役に立てることをな!!」


そこまで吐き捨てて、肩で息をするクリスに対し、フレデリカは小さく「やはり、クソですわ…」とこぼした。その横では、アレックスも怒った表情を浮かべている。

フレデリカは、今まで抑えていた殺気を全開にする。それに焦りを感じたクリスは、ゆっくりと後ずさってしまう。

それを見て、最後にフレデリカはこう告げた。


「自分勝手な父親は、いっぺん死んでやり直すですわ。」

「う…うるさい!貴様らにそんなことを言われる筋合いなど……がっ…」


クリスは違和感に視線を落とした。そこには桃色の髪がふわりと視えており、いつのまにか間合いを詰めたフレデリカが目の前にいる。


「そ…そん…な…バカな……ガハッ…」

「エレナの親ですから殺しはしませんが…少しは弁えたほうがいいですわ。」


薄れる視界の中に、そう吐き捨てるフレデリカを見ながら、クリスはその場に倒れ込んだのだった。
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