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破章の弐 We're Wrong about the World
38ターン目/超魔王形態
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●【専用魔法】×【魂の解放】×【自分】
▼勇者は 呪文を唱えた!
「ーーー【超勇者形態】、発動」
地獄の業火が躍り狂う中、勇者は静かに唱える。
瞬発的。あるいは爆発的な魔力の上昇。
その昂りは黄金の闘気となって外界へと高出力される。
勇者タロー、本気の表情。
その様子は伝家の宝刀を切ったことからも窺える。
●【専用魔法】×【魂の解放】×【自分】
▼魔法は 呪文を唱えた!
「【超魔王形態】、発動ーーー」
刹那、魔王もまた黒紫の禍々しいエネルギーを発散する。
それは、人間となってしまった魔王が、全盛期の力を少しでも再現できるように思考錯誤し、結果宿敵である勇者の一族たちを参考に開発した、いわば魔王専用強化魔法。
その効能は【超勇者形態】と同じ、すべての強化が付与される上、すべての弱体化が払い除けられる仕様となっている。
「フハハハハ!人間五十年、下天の内をくらぶれは、夢幻の如く也」
周囲の水流を切り裂き、霧散。
豪快且つ雅に姿を再度現した魔王は、喜色の表情でその眼孔を剥き出しにする。なにやら気分が高揚になっている様子だ。
「………そんじゃま、いっちょ派手に征くとしようか」
魔王が吼える。
そんな彼に向かって、風の精霊ハヌマーンが再び神速を伴って接敵する。
すぐさま徒手空拳を浴びせ、畳み掛けようとする。
が、ハヌマーンが動き出す前に魔王の右拳がその顔面を捉え切る。
ドゴォッ! と、鈍い打撃音と共にハヌマーンが地に叩きつけられ、バウンド。
その背後から、水の精霊アプサラスが急襲する。
【水魔法】による中距離射撃。
加圧された殺人的な水鉄砲。
しかし、魔王イスカリオテは振り向き様にそれを躱す。
すかさず、【水魔法】を連射するアプサラス。
それらすら回避しながら、魔王も負けじと拳銃を抜き、応戦。
速射連撃。銃弾の雨が、水の精霊を襲う。
ジグザグ走行をしながら、アプサラスそれらを回避。
しかし、それは牽制であり布石だった。
魔王はあらかじめ、この宙を飛翔する亀の移動先を幾つか予測し、銃弾を放つことで、その移動先を強制かつ限定的に絞り込む。
●【闇属性】×【雷属性】×【敵単体】
▼魔王は 呪文を唱えた!【成功】
【漆黒迅雷】発動!
黒い稲妻が、室内にも関わらず何処から戸もなく落雷。
稲妻は激しい点滅と鳴動と共に、水の精霊アプサラスを貫き、黒焦げにする。
ぷすぷすと煙を立ち込めるアプサラス目掛けて、魔王は勢いよく助走をつけて跳躍。
ドロップキック。両脚に魔力を集束させ、攻撃力を増幅させた無骨な物理攻撃。
衝突と共に、甲羅が破損。
アプサラスは弧を描いて、地に墜ちる。
そして地面を滑走し、停止。
そのまま動かなくなった。
刹那、風の精霊ハヌマーンが突撃してくる。
魔王イスカリオテは、すかさず銃撃で応戦。
そして、短刀を抜くとそのまま一気に逆手で振り上げる。
◆◆◆
一方、勇者タローは標的を炎の精霊アグニへと絞り、すぐさま先制攻撃を仕掛けた。
携えた長剣に高出力高濃度の魔力を流し込み、めいいっぱいの力で大振りに叩き込む。
技巧もへったくれもない力業。しかし、脳筋アグニはそれを真正面から正攻法に受け止める。
それは反射的な行動だったのか。
はたまた自身の膂力ゆえの自惚れだったのか。
しかしそれはあまりにも悪手であった。
ニ対の三鈷剣が、粉砕。
その勢いのまま推進力を帯びた下方向への斬撃が通り、炎の精霊アグニは裂傷を負うと同時に、力負けして吹っ飛ばされてしまう。
無論、これはアグニの肉体強度が頑強なためこの傷で済んでいるのであって、人間ならば真っ二つどころか刃に宿る魔力により焼き切られていたことだろう。
そんな只の高濃度魔法剣を振り切った隙だらけの勇者タロー目掛けて、地の精霊ガネーシャが鉄鎚を叩きつける。
再度鳴動。
地割れが巻き起こり、土埃が舞う。
しかし勇者はそれを完全に躱してみせると、長剣を逆手持ちに切り替え、思念言語を唱えた。
●【雷属性】×【斬撃】×【敵単体】
▼勇者は 呪文を唱えた!【成功《ヒット》】
【雷切斬】発動!
長剣を覆っていた魔力の塊が瞬時に雷電へと切り替わり、勇者はすぐさま地の精霊ガネーシャへ斬りかかる。
眩い発光と共に感電。激しい火花と痙攣を巻き起こすピンク色の巨象。
タローは雷切斬を振り抜き、その勢いのままクルリと横回転。
●【光属性】×【打撃】×【敵単体】
▼勇者は 呪文を唱えた!【成功】
【ロケットパンチ】発動!
光輝く鉄拳で、地の精霊ガネーシャを殴り飛ばした。
▼勇者は 呪文を唱えた!
「ーーー【超勇者形態】、発動」
地獄の業火が躍り狂う中、勇者は静かに唱える。
瞬発的。あるいは爆発的な魔力の上昇。
その昂りは黄金の闘気となって外界へと高出力される。
勇者タロー、本気の表情。
その様子は伝家の宝刀を切ったことからも窺える。
●【専用魔法】×【魂の解放】×【自分】
▼魔法は 呪文を唱えた!
「【超魔王形態】、発動ーーー」
刹那、魔王もまた黒紫の禍々しいエネルギーを発散する。
それは、人間となってしまった魔王が、全盛期の力を少しでも再現できるように思考錯誤し、結果宿敵である勇者の一族たちを参考に開発した、いわば魔王専用強化魔法。
その効能は【超勇者形態】と同じ、すべての強化が付与される上、すべての弱体化が払い除けられる仕様となっている。
「フハハハハ!人間五十年、下天の内をくらぶれは、夢幻の如く也」
周囲の水流を切り裂き、霧散。
豪快且つ雅に姿を再度現した魔王は、喜色の表情でその眼孔を剥き出しにする。なにやら気分が高揚になっている様子だ。
「………そんじゃま、いっちょ派手に征くとしようか」
魔王が吼える。
そんな彼に向かって、風の精霊ハヌマーンが再び神速を伴って接敵する。
すぐさま徒手空拳を浴びせ、畳み掛けようとする。
が、ハヌマーンが動き出す前に魔王の右拳がその顔面を捉え切る。
ドゴォッ! と、鈍い打撃音と共にハヌマーンが地に叩きつけられ、バウンド。
その背後から、水の精霊アプサラスが急襲する。
【水魔法】による中距離射撃。
加圧された殺人的な水鉄砲。
しかし、魔王イスカリオテは振り向き様にそれを躱す。
すかさず、【水魔法】を連射するアプサラス。
それらすら回避しながら、魔王も負けじと拳銃を抜き、応戦。
速射連撃。銃弾の雨が、水の精霊を襲う。
ジグザグ走行をしながら、アプサラスそれらを回避。
しかし、それは牽制であり布石だった。
魔王はあらかじめ、この宙を飛翔する亀の移動先を幾つか予測し、銃弾を放つことで、その移動先を強制かつ限定的に絞り込む。
●【闇属性】×【雷属性】×【敵単体】
▼魔王は 呪文を唱えた!【成功】
【漆黒迅雷】発動!
黒い稲妻が、室内にも関わらず何処から戸もなく落雷。
稲妻は激しい点滅と鳴動と共に、水の精霊アプサラスを貫き、黒焦げにする。
ぷすぷすと煙を立ち込めるアプサラス目掛けて、魔王は勢いよく助走をつけて跳躍。
ドロップキック。両脚に魔力を集束させ、攻撃力を増幅させた無骨な物理攻撃。
衝突と共に、甲羅が破損。
アプサラスは弧を描いて、地に墜ちる。
そして地面を滑走し、停止。
そのまま動かなくなった。
刹那、風の精霊ハヌマーンが突撃してくる。
魔王イスカリオテは、すかさず銃撃で応戦。
そして、短刀を抜くとそのまま一気に逆手で振り上げる。
◆◆◆
一方、勇者タローは標的を炎の精霊アグニへと絞り、すぐさま先制攻撃を仕掛けた。
携えた長剣に高出力高濃度の魔力を流し込み、めいいっぱいの力で大振りに叩き込む。
技巧もへったくれもない力業。しかし、脳筋アグニはそれを真正面から正攻法に受け止める。
それは反射的な行動だったのか。
はたまた自身の膂力ゆえの自惚れだったのか。
しかしそれはあまりにも悪手であった。
ニ対の三鈷剣が、粉砕。
その勢いのまま推進力を帯びた下方向への斬撃が通り、炎の精霊アグニは裂傷を負うと同時に、力負けして吹っ飛ばされてしまう。
無論、これはアグニの肉体強度が頑強なためこの傷で済んでいるのであって、人間ならば真っ二つどころか刃に宿る魔力により焼き切られていたことだろう。
そんな只の高濃度魔法剣を振り切った隙だらけの勇者タロー目掛けて、地の精霊ガネーシャが鉄鎚を叩きつける。
再度鳴動。
地割れが巻き起こり、土埃が舞う。
しかし勇者はそれを完全に躱してみせると、長剣を逆手持ちに切り替え、思念言語を唱えた。
●【雷属性】×【斬撃】×【敵単体】
▼勇者は 呪文を唱えた!【成功《ヒット》】
【雷切斬】発動!
長剣を覆っていた魔力の塊が瞬時に雷電へと切り替わり、勇者はすぐさま地の精霊ガネーシャへ斬りかかる。
眩い発光と共に感電。激しい火花と痙攣を巻き起こすピンク色の巨象。
タローは雷切斬を振り抜き、その勢いのままクルリと横回転。
●【光属性】×【打撃】×【敵単体】
▼勇者は 呪文を唱えた!【成功】
【ロケットパンチ】発動!
光輝く鉄拳で、地の精霊ガネーシャを殴り飛ばした。
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