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第1章 女神と一般高校生
十二話 ゴルドを求めてクエスト開始
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「はい。それでは『――金髪の盗人を捕縛せよ!』を受注させていただきます。みなさん、どうか頑張ってくださいね」
ギルド嬢に手を振られながら、俺たちは盗人を捕まえるために街の外へと出ていく。
「やみくもに探しても時間の無駄だ。まずは情報収集から始める。どんな些細なことでもいいから、手当たり次第に聞いていくぞ?」
「任せなさいっ! むしろ情報だけとは言わず、私が盗人を捕まえてきてあげる…………その場合はゴルドの取り分を私が多く貰っていいのよね?」
「いい心がけだ。その意気で頑張ってくれ」
イルカが何か戯言を言っていたかもしれないが、聞こえないふりをする。
「私も新しく剣を購入してしまったので、みなさん以上に頑張って…………や、やめてくださいっ! 無言で剣を取り上げないでくださいよ!?」
「なんでお前は、借金を積み重ねていくんだよ!? 俺が担保として売ってきてやる!」
「駄目です! 私はこの剣と共に新たな門出を祝おうと思ったんです…………それを売り払うなんて、ハルトさんは鬼ですか?!」
ブラウスが女子じゃなければ、躊躇なくドロップキックをお見舞いできるんだけどなぁ…………
「お願いだから、剣でもなんでも買うときは一度相談をしてくれ…………」
分かりました、とブラウスは頷きイルカの後を追って、情報収集に向かった。
すでに、二人のお世話で疲労困憊だったが、クエスト達成のためにも、俺は街行く人たちに片っ端から声をかけていく。
「すみません。髪が金色の盗人についてお聞きしたいんですけど…………」
「ひ、ひぃ…………っ! あいつに家族を…………友人を奪われたんだぁぁぁぁぁぁ!」
「…………」
俺が質問をすると、身なりがお世辞にも綺麗とは言えない男性が奇声を挙げて走り去っていく。
さながら、雑魚キャラのテンプレ台詞みたいだったが、あの人にも事情があるのだろう。
クエストにもされるくらいだし、被害に遭った人も少なくはないはずだ。
気を引き締めて再度、俺は質問を続けた。
「ぜんっぜん、情報が集まらねぇ…………」
俺は『始まりの街』に戻って、とある酒場に来ていた。
「ご注文はどれになさいますか?」
「あ、とりあえず炭酸飲料で…………」
たわわな胸が露わになったウエイトレスさんに飲み物を注文して、椅子に座る。
「こちら『ラコリステ』になります!」
疲れた体には、炭酸がよく染みる。
ネーミングセンスはともかく、味はまるっきり日本にいた時と同じ、黒い炭酸飲料だ。
ウエイトレスさんの笑顔も相まって、美味しさが倍増した気がする。
「聞けども、聞けども、悲鳴を挙げて逃げってちゃうんだもんな。情報収集どころか話にすらならないんだけど…………」
イルカたちは心折れずに声をかけ続けているようだが、こっちに戻ってくるのも時間の問題だろう。
結果から言って、盗人の情報は皆無に等しい。
ほんとに実在するのか。人々が生み出した幻想なのではないかと、疑うくらい情報が少なすぎる。
「達成報酬は生け捕りで100万ゴルド…………」
お尋ね者と書かれた紙を見ながら、俺はぼそりと呟いた。
こいつを捕まえれば、一撃で借金を返すことが出来る。
ほとんど博打と一緒の考え方で、もしかしたらに頼るのが、余裕のない人間の性なのだろう。
俺は『ラコリステ』を飲みながら、これからの立ち回りについて考えていた。
ギルド嬢に手を振られながら、俺たちは盗人を捕まえるために街の外へと出ていく。
「やみくもに探しても時間の無駄だ。まずは情報収集から始める。どんな些細なことでもいいから、手当たり次第に聞いていくぞ?」
「任せなさいっ! むしろ情報だけとは言わず、私が盗人を捕まえてきてあげる…………その場合はゴルドの取り分を私が多く貰っていいのよね?」
「いい心がけだ。その意気で頑張ってくれ」
イルカが何か戯言を言っていたかもしれないが、聞こえないふりをする。
「私も新しく剣を購入してしまったので、みなさん以上に頑張って…………や、やめてくださいっ! 無言で剣を取り上げないでくださいよ!?」
「なんでお前は、借金を積み重ねていくんだよ!? 俺が担保として売ってきてやる!」
「駄目です! 私はこの剣と共に新たな門出を祝おうと思ったんです…………それを売り払うなんて、ハルトさんは鬼ですか?!」
ブラウスが女子じゃなければ、躊躇なくドロップキックをお見舞いできるんだけどなぁ…………
「お願いだから、剣でもなんでも買うときは一度相談をしてくれ…………」
分かりました、とブラウスは頷きイルカの後を追って、情報収集に向かった。
すでに、二人のお世話で疲労困憊だったが、クエスト達成のためにも、俺は街行く人たちに片っ端から声をかけていく。
「すみません。髪が金色の盗人についてお聞きしたいんですけど…………」
「ひ、ひぃ…………っ! あいつに家族を…………友人を奪われたんだぁぁぁぁぁぁ!」
「…………」
俺が質問をすると、身なりがお世辞にも綺麗とは言えない男性が奇声を挙げて走り去っていく。
さながら、雑魚キャラのテンプレ台詞みたいだったが、あの人にも事情があるのだろう。
クエストにもされるくらいだし、被害に遭った人も少なくはないはずだ。
気を引き締めて再度、俺は質問を続けた。
「ぜんっぜん、情報が集まらねぇ…………」
俺は『始まりの街』に戻って、とある酒場に来ていた。
「ご注文はどれになさいますか?」
「あ、とりあえず炭酸飲料で…………」
たわわな胸が露わになったウエイトレスさんに飲み物を注文して、椅子に座る。
「こちら『ラコリステ』になります!」
疲れた体には、炭酸がよく染みる。
ネーミングセンスはともかく、味はまるっきり日本にいた時と同じ、黒い炭酸飲料だ。
ウエイトレスさんの笑顔も相まって、美味しさが倍増した気がする。
「聞けども、聞けども、悲鳴を挙げて逃げってちゃうんだもんな。情報収集どころか話にすらならないんだけど…………」
イルカたちは心折れずに声をかけ続けているようだが、こっちに戻ってくるのも時間の問題だろう。
結果から言って、盗人の情報は皆無に等しい。
ほんとに実在するのか。人々が生み出した幻想なのではないかと、疑うくらい情報が少なすぎる。
「達成報酬は生け捕りで100万ゴルド…………」
お尋ね者と書かれた紙を見ながら、俺はぼそりと呟いた。
こいつを捕まえれば、一撃で借金を返すことが出来る。
ほとんど博打と一緒の考え方で、もしかしたらに頼るのが、余裕のない人間の性なのだろう。
俺は『ラコリステ』を飲みながら、これからの立ち回りについて考えていた。
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