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プロローグ

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この物語は自治寮で巻き起こる、君たちの常識の少し外側の人間達のドラマです。
さて自治寮という言葉を聞いたことがあるだろうか?
大学の寮の一つのスタイルである。「自ら寮を治める」というスタイルで、寮には大学生しかおらずそこに大人が介入してこない。
大学側へ納める寮費は一人数百円で、「光熱水費」・「寮での食事代」は寮生が直接支払っている。大人はいないと書いたが炊婦さんだけは食事を作りに来ていただいており、その給与も寮生が払っている。そのあたりは会計係が行っている。
まぁこういう風に書くと自由で楽しそうだが実態はそんな爽やかな雰囲気ではない。
全国の自治寮がそうなのかは知らないが、私がいた自治寮は自由が暴走していた。「自由とは一体何なのか?」哲学的な領域に踏み込みそうな雰囲気もあるような気もするが、やはり馬鹿馬鹿しくてそうでもない。ただのいかれた集団と化していたのだ。
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