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とある魔女のはなし⑥
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「せーんろはつづくーよー、どーこまでも~」
「カアッ、カアッ」
天気の良い温かな陽射しの中、ヒイラギは道端に落ちていた木の枝をぶんぶんと振り回しながら、機嫌良さそうに歌い歩いていた。
肩の上に載るカラスのジジも、時たま合いの手を入れるように歌に合わせて鳴く。
少女は、遥か昔に使われていたであろう、林道の間に敷かれた電車の線路の上を歩いてトウキョウを目指していた。
この線路が使われていたのは数百年も前なのだろう。
そのまま放置され続け、完全に茶色い錆に覆われ植物も伸び放題で絡みつき、所々で誰かが盗んだのか線路が途切れていた。
道の脇にはたまに先端からポッキリと折れた電信柱が立っていて、折れた電柱が障害物の様に線路上に横たわり道を塞いでいる事があった。
ヒイラギが地図で調べた所、この線路に沿いに歩けば1週間ほどでトウキョウにたどり着くはずであった。
「大昔は便利な電車っていう乗り物があって、トウキョウまで数時間で行けたんだってさ」
ヒイラギは、理解できるはずもないのに傍らにいるジジに話しかける。
ヒイラギも電車の存在は本で知っているだけだ。ラジオで知った知識だが、トウキョウの街中では電車が今でも稼働しているらしい。少女は一度で良いから、その動いている電車を見てみたかった。
この国の人口は全盛期には一億人を超えていたが、今は長い争いで人口は減る一方で、魔法使いとノーマルを合わせても100万人ほどと言われている。
魔法使いとノーマルと言う大きな枠組みで対立していて、さらにその中でもコミュニティで別れて暮らして大多数の人はその中だけで生涯を終える。
なので、大昔のように電車で土地をまたいで移動する必要が無くなり、いつしか電車は廃れたのだと、昔読んだ歴史の本に書いてあった。
長い争いで科学技術が衰退した現代でも、電車や車と言った物や電子機器を作る技術は残っているが、それらの知識は全てノーマルが独占して、その恩恵を享受している。
そのせいで、魔法使いのコミュニティは原始の生活に逆戻りをし、ノーマルに比べて不便な生活を強いられていた。たまに闇市場に流れてくる電子機器を、コミュニティの皆で交換物資を出し合って相場の100倍以上の値段で購入して、皆で使い回しているというのが現状だ。
少女は、朝起きてから数時間も歩き通しだった。
「ジジっ、そろそろお昼にするよ」
流石に足取りが重くなって来た所に、道の脇に座るのにちょうど良さそうな丸太が転がっていたのが目に付いた。
「カアッ、カアッ」
食べることがなりよりの喜びであるジジは賛成の意を表す。
バッグパックから保存食の塩漬けの魚が入った袋を取り出して、その魚を串に刺して手に持つ。そして、魔法でもう片方の手から器用に炎を放出して調理すると、直ぐにこんがりとした焼き魚が完成した。
その魚をお皿に載せて、道中拾い集めた木の実を添えると、お昼ごはんの完成だ。
ジジにも、小皿にカリカリのフードと木の実をブレンドして差し出す。
「いただきます」
「カアッ」
ヒイラギとジジは仲良く丸太の上に座ると、両手を合わせて食事をし始める。
一人と一羽は歩き疲れたからか、お腹がペコペコで夢中でご飯をかきこむ。と言っても、ジジは基本的にはヒイラギの肩に乗っているだけで、たまに思いついたように空を飛ぶくらいであったが。
ガサ、ガサ
不意に後ろの方で何やら物音がした。
ヒイラギはその物音のする方向に目を向ける。
その目を疑うような光景に思わず、「なんですとっ」と、思わず驚きの声を上げる。
1メートル位の大きさの巨大なチューリップの様な植物がうねうねと動いて、ヒイラギのバッグパックの中を漁っているではないか。
葉っぱが手で、下に延びる根っこを足のように使いまるで生き物の様に動いている。
少女はその様子を、何事かと食器を持つ手をわなわなと震わせながら見守る。
そして、手に持っている食器をゆっくりと地面に置く。
「そうだっ、わたしは疲れているんだ」
合点がいったかの様に、握り拳でもう片方の手のひらをぽんっと叩く。
「慣れない旅で最近よく眠れてないから、そうに違いない。今日は天気も良いしお昼寝でもしようかな」
早口でそうまくし立てると、両手を組み合わせてうーんと思いっきり伸びをする。
「カアッ」
傍らにいるジジが、完全に錯乱している少女のおでこを固いクチバシでこつんこつんと強めにつっつく。
「はっ、痛い。これは現実だ」
現実逃避からのカラスのツッコミでヒイラギは無事に現実世界に戻って来た。
巨大なチューリップは近くで少女達が騒いでいるのに気が付いたらしく、花弁の部分がくるっと振り返って、こちらを確認する素振りを見せる。
そして、大急ぎで葉っぱの部分がバッグパックから何やら袋を抜き取ると、頭の花弁の部分に袋を器用に載せて、そのまますたこらさっさと逃亡を図るではないか。
「あれは!大事に取っておいたパンが入った袋」
ヒイラギは、貴重な食料を目の前で盗られて驚愕の表情を見せる。
「待たんかい、ゴラーーっ」
バックパックと寝袋を急いで手荷物と、奇怪な巨大チューリップを追いかけ始める。
巨大チューリップは意外に逃げ足が早く、線路の上を、足代わりの根っこをするすると巧みに動かして移動する。
カンッ、カンッ、カンッ
タダでさえ走りづらい線路の上で追いかけっけをしているのだ、少女達と巨大チューリップとの距離がどんどんと開いていく。
「ジジっ、追跡して」
ヒイラギが前方の盗っ人を指差すと、それに応えるように肩に乗っていたジジは上空に飛び立つ。
そして、空を黒い弾丸の様に滑空して、あっという間に追いつき、巨大チューリップの真上をキープして追跡を行う。
その後、この奇妙な逃亡劇は数キロにも及んだ。
巨大チューリップはある地点まで来ると、線路の上を左脇に逸れて、ガサガサと木々が生い茂る林の中を掻き分けて入って行く。
ジジも追いかけるように左に急旋回して、バリバリと木の葉を掻き分けて、林の中に豪快に突っ込んで行く。
「ぜーっ、ぜーっ」
一方で、かなり後方を走っていたヒイラギは、数キロにも及ぶ全力疾走で肩で息をしながらジジを追いかけ続けていた。
「カアッ、カアッ、カアッ」
ジジが獲物の居場所を知らせるかの様に、上空から林の中のある地点をぐるぐると旋回し続ける。
ヒイラギはそれを目印に林の中に踏み入り、上空から聞こえるジジの鳴き声の地点を目指して進んだ。
林の中は木々が密集して生えているので薄暗く、ふかふかとした地面には草花に混じって苔も生い茂っていて空気がジメっとしていた。
時々、木々の隙間から木洩れ日の光が差し込んで地面を照らし出し、その柔らかな光は少女をほっとした気持ちにさせた。
「カァッ」
ジジが鳴き声で知らせてくれた地点まで何とか辿り着くと、そこだけ周囲に木が生えておらず開けた空間になっていた。
そしてそこには、いつから放置されているかのか想像も出来ないほどボロボロの電車の車両があった。
木洩れ日に照らし出されている車両を見ると、元々は何かしら塗装がされていたのかもしれないが今は見事に全面サビだらけで、しかも大部分がツタ植物に覆われている。前時代の遺物にも関わらず、車両に所々はめられている窓ガラスは、汚れてはいるものの奇跡的にどこも割れていなかった。
ヒイラギは時代の重み、みたいなものが感じられるその光景に思わず見とれてしまっていた。
ガサッ、ごそっ
車両の中から何か物音がして、ヒイラギは身構える。
(そうだ、この中にはあの盗っ人チューリップがいるはず。大事な食料を取り返さないと)
車両をぐるっと周り込んで見てみると、扉が開け放たれているのを見つけた。
ヒイラギは、勢いよく車両の中に乗り込んで開口一番に言い放つ。
「こらっ、パンを返さないとおひたしにするよ!」
「カアッ、カアッ」
天気の良い温かな陽射しの中、ヒイラギは道端に落ちていた木の枝をぶんぶんと振り回しながら、機嫌良さそうに歌い歩いていた。
肩の上に載るカラスのジジも、時たま合いの手を入れるように歌に合わせて鳴く。
少女は、遥か昔に使われていたであろう、林道の間に敷かれた電車の線路の上を歩いてトウキョウを目指していた。
この線路が使われていたのは数百年も前なのだろう。
そのまま放置され続け、完全に茶色い錆に覆われ植物も伸び放題で絡みつき、所々で誰かが盗んだのか線路が途切れていた。
道の脇にはたまに先端からポッキリと折れた電信柱が立っていて、折れた電柱が障害物の様に線路上に横たわり道を塞いでいる事があった。
ヒイラギが地図で調べた所、この線路に沿いに歩けば1週間ほどでトウキョウにたどり着くはずであった。
「大昔は便利な電車っていう乗り物があって、トウキョウまで数時間で行けたんだってさ」
ヒイラギは、理解できるはずもないのに傍らにいるジジに話しかける。
ヒイラギも電車の存在は本で知っているだけだ。ラジオで知った知識だが、トウキョウの街中では電車が今でも稼働しているらしい。少女は一度で良いから、その動いている電車を見てみたかった。
この国の人口は全盛期には一億人を超えていたが、今は長い争いで人口は減る一方で、魔法使いとノーマルを合わせても100万人ほどと言われている。
魔法使いとノーマルと言う大きな枠組みで対立していて、さらにその中でもコミュニティで別れて暮らして大多数の人はその中だけで生涯を終える。
なので、大昔のように電車で土地をまたいで移動する必要が無くなり、いつしか電車は廃れたのだと、昔読んだ歴史の本に書いてあった。
長い争いで科学技術が衰退した現代でも、電車や車と言った物や電子機器を作る技術は残っているが、それらの知識は全てノーマルが独占して、その恩恵を享受している。
そのせいで、魔法使いのコミュニティは原始の生活に逆戻りをし、ノーマルに比べて不便な生活を強いられていた。たまに闇市場に流れてくる電子機器を、コミュニティの皆で交換物資を出し合って相場の100倍以上の値段で購入して、皆で使い回しているというのが現状だ。
少女は、朝起きてから数時間も歩き通しだった。
「ジジっ、そろそろお昼にするよ」
流石に足取りが重くなって来た所に、道の脇に座るのにちょうど良さそうな丸太が転がっていたのが目に付いた。
「カアッ、カアッ」
食べることがなりよりの喜びであるジジは賛成の意を表す。
バッグパックから保存食の塩漬けの魚が入った袋を取り出して、その魚を串に刺して手に持つ。そして、魔法でもう片方の手から器用に炎を放出して調理すると、直ぐにこんがりとした焼き魚が完成した。
その魚をお皿に載せて、道中拾い集めた木の実を添えると、お昼ごはんの完成だ。
ジジにも、小皿にカリカリのフードと木の実をブレンドして差し出す。
「いただきます」
「カアッ」
ヒイラギとジジは仲良く丸太の上に座ると、両手を合わせて食事をし始める。
一人と一羽は歩き疲れたからか、お腹がペコペコで夢中でご飯をかきこむ。と言っても、ジジは基本的にはヒイラギの肩に乗っているだけで、たまに思いついたように空を飛ぶくらいであったが。
ガサ、ガサ
不意に後ろの方で何やら物音がした。
ヒイラギはその物音のする方向に目を向ける。
その目を疑うような光景に思わず、「なんですとっ」と、思わず驚きの声を上げる。
1メートル位の大きさの巨大なチューリップの様な植物がうねうねと動いて、ヒイラギのバッグパックの中を漁っているではないか。
葉っぱが手で、下に延びる根っこを足のように使いまるで生き物の様に動いている。
少女はその様子を、何事かと食器を持つ手をわなわなと震わせながら見守る。
そして、手に持っている食器をゆっくりと地面に置く。
「そうだっ、わたしは疲れているんだ」
合点がいったかの様に、握り拳でもう片方の手のひらをぽんっと叩く。
「慣れない旅で最近よく眠れてないから、そうに違いない。今日は天気も良いしお昼寝でもしようかな」
早口でそうまくし立てると、両手を組み合わせてうーんと思いっきり伸びをする。
「カアッ」
傍らにいるジジが、完全に錯乱している少女のおでこを固いクチバシでこつんこつんと強めにつっつく。
「はっ、痛い。これは現実だ」
現実逃避からのカラスのツッコミでヒイラギは無事に現実世界に戻って来た。
巨大なチューリップは近くで少女達が騒いでいるのに気が付いたらしく、花弁の部分がくるっと振り返って、こちらを確認する素振りを見せる。
そして、大急ぎで葉っぱの部分がバッグパックから何やら袋を抜き取ると、頭の花弁の部分に袋を器用に載せて、そのまますたこらさっさと逃亡を図るではないか。
「あれは!大事に取っておいたパンが入った袋」
ヒイラギは、貴重な食料を目の前で盗られて驚愕の表情を見せる。
「待たんかい、ゴラーーっ」
バックパックと寝袋を急いで手荷物と、奇怪な巨大チューリップを追いかけ始める。
巨大チューリップは意外に逃げ足が早く、線路の上を、足代わりの根っこをするすると巧みに動かして移動する。
カンッ、カンッ、カンッ
タダでさえ走りづらい線路の上で追いかけっけをしているのだ、少女達と巨大チューリップとの距離がどんどんと開いていく。
「ジジっ、追跡して」
ヒイラギが前方の盗っ人を指差すと、それに応えるように肩に乗っていたジジは上空に飛び立つ。
そして、空を黒い弾丸の様に滑空して、あっという間に追いつき、巨大チューリップの真上をキープして追跡を行う。
その後、この奇妙な逃亡劇は数キロにも及んだ。
巨大チューリップはある地点まで来ると、線路の上を左脇に逸れて、ガサガサと木々が生い茂る林の中を掻き分けて入って行く。
ジジも追いかけるように左に急旋回して、バリバリと木の葉を掻き分けて、林の中に豪快に突っ込んで行く。
「ぜーっ、ぜーっ」
一方で、かなり後方を走っていたヒイラギは、数キロにも及ぶ全力疾走で肩で息をしながらジジを追いかけ続けていた。
「カアッ、カアッ、カアッ」
ジジが獲物の居場所を知らせるかの様に、上空から林の中のある地点をぐるぐると旋回し続ける。
ヒイラギはそれを目印に林の中に踏み入り、上空から聞こえるジジの鳴き声の地点を目指して進んだ。
林の中は木々が密集して生えているので薄暗く、ふかふかとした地面には草花に混じって苔も生い茂っていて空気がジメっとしていた。
時々、木々の隙間から木洩れ日の光が差し込んで地面を照らし出し、その柔らかな光は少女をほっとした気持ちにさせた。
「カァッ」
ジジが鳴き声で知らせてくれた地点まで何とか辿り着くと、そこだけ周囲に木が生えておらず開けた空間になっていた。
そしてそこには、いつから放置されているかのか想像も出来ないほどボロボロの電車の車両があった。
木洩れ日に照らし出されている車両を見ると、元々は何かしら塗装がされていたのかもしれないが今は見事に全面サビだらけで、しかも大部分がツタ植物に覆われている。前時代の遺物にも関わらず、車両に所々はめられている窓ガラスは、汚れてはいるものの奇跡的にどこも割れていなかった。
ヒイラギは時代の重み、みたいなものが感じられるその光景に思わず見とれてしまっていた。
ガサッ、ごそっ
車両の中から何か物音がして、ヒイラギは身構える。
(そうだ、この中にはあの盗っ人チューリップがいるはず。大事な食料を取り返さないと)
車両をぐるっと周り込んで見てみると、扉が開け放たれているのを見つけた。
ヒイラギは、勢いよく車両の中に乗り込んで開口一番に言い放つ。
「こらっ、パンを返さないとおひたしにするよ!」
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