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四章
57話 君を思う 3 / アレックス
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今回は大変更新がおくれました。申し訳ありません。
キリの良いところまで書いたので文章も更に長いです。
ノエルの事情が出そろってきて、転換がいつだったのか気づいた方もいらっしゃるでしょうか?
火曜日の更新はお休みさせて頂きます。本業が溜って忙しいので、早く片付けて通常更新に早く戻れるように頑張ります。ごめんなさい。
〈 小さな設定 〉
ピロイエ家は何故か平均値で卒業していく人が多い。
学生時代に「平均値」「平凡」「通行人」といった二つ名がつきやすい。
〈 小話 〉
――抱きしめた夜に (アレックス回想 3)
キスの後、胸に凭れた君の背を優しく叩く。
「懐かしいです」
君の呟きに頷く。同じようにあの日を思い出しているのなら嬉しい。
「腰が抜けた? 今日は高い所ではないね、原因は?」
銀の髪に口づけて囁けば、真っ赤になって君が言い淀む。顔を上げた君にあの時と同じように見惚れる。恋に堕ちて、呼吸を忘れる瞬間はいつも甘い。
臣下として君を見ていた私の心を、その眼差しが搔き乱した。
君はそれを知らない。
――13歳 君に堕ちた日
二日前に亡くなった祖父には、最後に自分の意志を伝える事が出来た。約束をしたから、涙はもう流さない。
でも、寂しいと感じる瞬間があった。
資料の端をバルコニーから吹き込んだ風が、悪戯するようにはためかせる。見つめた空の青さが祖父の瞳に重なる。皺だらけの手も、穏やかなまなざしも、もう側にいない。
誰かに側にいて欲しいと思うのは弱さか。
書類を机に置いてバルコニーに向かう。黒い旗のはためくバルコニーから中庭を見下ろして、ノエルが現れたらいいと思う。
ずっと以前、見下ろした中庭でノエルと目が合った。あの子だと思って、降りた時にはもう姿が無かった事を思い出して苦笑する。
結局、ノエルはあの子ではなかったけれど、出会えて良かったと今は思う。
ノエルは私にとって誰よりも信頼できる臣下だ。心から彼に相応しい王になりたい。彼が隣にいると、その瞳に王らしく映りたいと背伸びをして自然と胸を張って前を向けた。
見間違えることのない銀の髪が、あの日と同じように視界に現れて息を飲む。
ここに来て、あの日と同じ様に顔を上げて私を見つけて欲しい。願った瞬間、銀の髪が揺れて紫の瞳が私を見上げる。
「ノエル、上がってこい」
今度はすれ違わない様に大きな声でノエルを呼ぶ。
王族の住まいに来たノエルは私を見て、とてもほっとしたように笑った。
「私、会いたかったんです。側にいるってお約束していたから、何もできなくても。殿下に会いたいって思いました」
辛い時に自分を思って、側にいたいと言ってくれる。幸せな気持ちで笑った私に『君』が返した笑顔は宝物みたいに見えた。
「ノエルはおいで」
祖父が教えてくれた場所を見せたくなって、手をとって部屋まで誘う。
握ったノエルの手が指先まで熱いのは、踏み入れない場所に入る事に緊張しているのせいだ。
バルコニーの屋根に先に上って手を差し出す。
「引っぱってあげるよ」
私の手に精一杯手を伸ばす姿が、遠い日のあの子に重なる。でも、もうあの子じゃないと胸は痛まない。
手を引いて引き上げると驚く程軽い。簡単に胸の中に収まって、その抱き心地に満足する自分に思わず呆れて笑う。
「急だったので腰が抜けました。少しだけこのままでいて下さい。今、動くのはダメなんです」
あの子も高い所を怖がった。同じように怯えて腕の中で硬くなって顔を伏せるノエルは可愛い。
男とは思えない細い背を、祖父が私にしたのを思い出して優しく叩く。
「すまなかった。ノエルは高いところ苦手なんだな。動きが俊敏だから、簡単に上がってくると思った」
「高い所は嫌いです。木の上で降りれず泣いたことがあります」
早い鼓動が君に届いても誤魔化せるように最初は早く。落ち着いてきたらゆっくりと。
ノエルを時々、可愛いくて愛しいと感じる。そんな私の心臓の音には決して気付かないで欲しい。
気づかれたらきっと、今の大切な関係が壊れて、あの子への想いが崩れる。
「すごいですね。王都の端まで見える」
綺麗な顔を上げて、ノエルが眼下に広がる景色を見渡す。
祖父の思い出、見渡す小さな世界、私の決意、たくさんの事を語る。
胸の中で輝くような眼差しを向ける存在に、誰かが胸の中にいる心地よさを初めて知る。気づくとノエルも気持ちよさそうに私の胸に凭れかかってくれた。
銀のまつ毛から透ける紫の瞳も赤い唇も眩しくて、『君』に思わず見惚れる。そして、『君』が顔を上げた瞬間、苦しい程に胸が激しい音を立てた。
ずっと先の今なら言える。あの瞬間、私は確かに『君』に堕ちた。
「すまない。やっぱりあの子に似てるから、不意討ちだとちょっと……」
あの子を持ち出したのは、抱いた気持ちはノエルに向けるべきものじゃないからだ。
赤くなった私の顔を臣下の顔でノエルが覗く。顔を逸らしても、時間を巻き戻す事はできない。気づき始めた想いも、元に戻す事はもう出来なかった。
『君』が好きで、あの子が好きだ。『君』があの子が似てるから。
あの子が好きで、『君』が好きだ。『君』は男の子であの子は女の子。あの子が『君』に似てる。
揺れ始めた想いに『君』を見れずに、視線を合わせないように横を向く。
「たまには女の子のまねを致しましょうか? なにかご希望があれば?」
冗談めかしてノエルが笑う。言葉に甘えて、あの子の代わりを久しぶりに求める。
あの子の顔で、ノエルに感じた想いを間違えてると否定して欲しかった。
「だめだから、しっかりしろ。って言ってみろ」
ノエルが私の肩を叩く。振り返った瞬間、銀の短い髪を風に揺らして華が咲いた様に『君』が笑う。
「ダメです! ちゃんとしっかりしてくださいね、殿下!」
『君』は『君』だった。あの子とノエル。ノエルとあの子。
あの子を想い続けるのに、ノエルに惹かれる。似ているのはどちらで、本当に欲しいのはどちらだか分からない。
この日、私は『君』に恋に堕ちた。
屋根の上の風と同じに、今夜の風も君の銀の髪を攫う。
見惚れる程、綺麗な顔で私を見上げる君に溜め息をつく。本当に私を困らせるのが上手い。
蕩けるような眼差しと、赤い唇から零れる言葉は、私をあっという間に堕とす。
「アレックス殿下の所為です。私をいつも溶かさないで下さい!」
拗ねながらも、期待させる眼差しで君は言う。逆効果という言葉をいつか教えてあげたい。
困らせた分は困らせ返してたい。溶かさないでと言うなら、溶かしてしまいたい。
「すまないけど、今日は君にずっと触れていたい」
君に堕とされてから、触れたい衝動をずっと我慢してきた。君に焦がれた私の想いを君は知らない。
あの日、触れられなかった分と頬を掴んで口づける。あの日、堪えた分と髪に顔を埋めて耳朶を噛む。あの時、誤魔化した分と首筋を唇でなぞる。
どんなに君が顔を赤くしたとしても、今宵は一つ一つ二年分の衝動の続きを教える。
「君を愛しているよ」
遠くに聞こえる舞踏会の音楽が君の耳に届かぬ程、愛を囁いて触れ続ける。
本当はたった一人だった『君』への長い長い二人分の片思いが、今夜終わりを告げた。
―――――――
修正前の投稿をしてしまい、一時引き上げさせて頂きました。↑が修正後のものです。
アレックス視点での出会いと恋に気づくまでの回想シリーズは一応これで終わりです。まだ、書きたいアレックス視点はあるので、単発でまたできればいいなと思います。
キリの良いところまで書いたので文章も更に長いです。
ノエルの事情が出そろってきて、転換がいつだったのか気づいた方もいらっしゃるでしょうか?
火曜日の更新はお休みさせて頂きます。本業が溜って忙しいので、早く片付けて通常更新に早く戻れるように頑張ります。ごめんなさい。
〈 小さな設定 〉
ピロイエ家は何故か平均値で卒業していく人が多い。
学生時代に「平均値」「平凡」「通行人」といった二つ名がつきやすい。
〈 小話 〉
――抱きしめた夜に (アレックス回想 3)
キスの後、胸に凭れた君の背を優しく叩く。
「懐かしいです」
君の呟きに頷く。同じようにあの日を思い出しているのなら嬉しい。
「腰が抜けた? 今日は高い所ではないね、原因は?」
銀の髪に口づけて囁けば、真っ赤になって君が言い淀む。顔を上げた君にあの時と同じように見惚れる。恋に堕ちて、呼吸を忘れる瞬間はいつも甘い。
臣下として君を見ていた私の心を、その眼差しが搔き乱した。
君はそれを知らない。
――13歳 君に堕ちた日
二日前に亡くなった祖父には、最後に自分の意志を伝える事が出来た。約束をしたから、涙はもう流さない。
でも、寂しいと感じる瞬間があった。
資料の端をバルコニーから吹き込んだ風が、悪戯するようにはためかせる。見つめた空の青さが祖父の瞳に重なる。皺だらけの手も、穏やかなまなざしも、もう側にいない。
誰かに側にいて欲しいと思うのは弱さか。
書類を机に置いてバルコニーに向かう。黒い旗のはためくバルコニーから中庭を見下ろして、ノエルが現れたらいいと思う。
ずっと以前、見下ろした中庭でノエルと目が合った。あの子だと思って、降りた時にはもう姿が無かった事を思い出して苦笑する。
結局、ノエルはあの子ではなかったけれど、出会えて良かったと今は思う。
ノエルは私にとって誰よりも信頼できる臣下だ。心から彼に相応しい王になりたい。彼が隣にいると、その瞳に王らしく映りたいと背伸びをして自然と胸を張って前を向けた。
見間違えることのない銀の髪が、あの日と同じように視界に現れて息を飲む。
ここに来て、あの日と同じ様に顔を上げて私を見つけて欲しい。願った瞬間、銀の髪が揺れて紫の瞳が私を見上げる。
「ノエル、上がってこい」
今度はすれ違わない様に大きな声でノエルを呼ぶ。
王族の住まいに来たノエルは私を見て、とてもほっとしたように笑った。
「私、会いたかったんです。側にいるってお約束していたから、何もできなくても。殿下に会いたいって思いました」
辛い時に自分を思って、側にいたいと言ってくれる。幸せな気持ちで笑った私に『君』が返した笑顔は宝物みたいに見えた。
「ノエルはおいで」
祖父が教えてくれた場所を見せたくなって、手をとって部屋まで誘う。
握ったノエルの手が指先まで熱いのは、踏み入れない場所に入る事に緊張しているのせいだ。
バルコニーの屋根に先に上って手を差し出す。
「引っぱってあげるよ」
私の手に精一杯手を伸ばす姿が、遠い日のあの子に重なる。でも、もうあの子じゃないと胸は痛まない。
手を引いて引き上げると驚く程軽い。簡単に胸の中に収まって、その抱き心地に満足する自分に思わず呆れて笑う。
「急だったので腰が抜けました。少しだけこのままでいて下さい。今、動くのはダメなんです」
あの子も高い所を怖がった。同じように怯えて腕の中で硬くなって顔を伏せるノエルは可愛い。
男とは思えない細い背を、祖父が私にしたのを思い出して優しく叩く。
「すまなかった。ノエルは高いところ苦手なんだな。動きが俊敏だから、簡単に上がってくると思った」
「高い所は嫌いです。木の上で降りれず泣いたことがあります」
早い鼓動が君に届いても誤魔化せるように最初は早く。落ち着いてきたらゆっくりと。
ノエルを時々、可愛いくて愛しいと感じる。そんな私の心臓の音には決して気付かないで欲しい。
気づかれたらきっと、今の大切な関係が壊れて、あの子への想いが崩れる。
「すごいですね。王都の端まで見える」
綺麗な顔を上げて、ノエルが眼下に広がる景色を見渡す。
祖父の思い出、見渡す小さな世界、私の決意、たくさんの事を語る。
胸の中で輝くような眼差しを向ける存在に、誰かが胸の中にいる心地よさを初めて知る。気づくとノエルも気持ちよさそうに私の胸に凭れかかってくれた。
銀のまつ毛から透ける紫の瞳も赤い唇も眩しくて、『君』に思わず見惚れる。そして、『君』が顔を上げた瞬間、苦しい程に胸が激しい音を立てた。
ずっと先の今なら言える。あの瞬間、私は確かに『君』に堕ちた。
「すまない。やっぱりあの子に似てるから、不意討ちだとちょっと……」
あの子を持ち出したのは、抱いた気持ちはノエルに向けるべきものじゃないからだ。
赤くなった私の顔を臣下の顔でノエルが覗く。顔を逸らしても、時間を巻き戻す事はできない。気づき始めた想いも、元に戻す事はもう出来なかった。
『君』が好きで、あの子が好きだ。『君』があの子が似てるから。
あの子が好きで、『君』が好きだ。『君』は男の子であの子は女の子。あの子が『君』に似てる。
揺れ始めた想いに『君』を見れずに、視線を合わせないように横を向く。
「たまには女の子のまねを致しましょうか? なにかご希望があれば?」
冗談めかしてノエルが笑う。言葉に甘えて、あの子の代わりを久しぶりに求める。
あの子の顔で、ノエルに感じた想いを間違えてると否定して欲しかった。
「だめだから、しっかりしろ。って言ってみろ」
ノエルが私の肩を叩く。振り返った瞬間、銀の短い髪を風に揺らして華が咲いた様に『君』が笑う。
「ダメです! ちゃんとしっかりしてくださいね、殿下!」
『君』は『君』だった。あの子とノエル。ノエルとあの子。
あの子を想い続けるのに、ノエルに惹かれる。似ているのはどちらで、本当に欲しいのはどちらだか分からない。
この日、私は『君』に恋に堕ちた。
屋根の上の風と同じに、今夜の風も君の銀の髪を攫う。
見惚れる程、綺麗な顔で私を見上げる君に溜め息をつく。本当に私を困らせるのが上手い。
蕩けるような眼差しと、赤い唇から零れる言葉は、私をあっという間に堕とす。
「アレックス殿下の所為です。私をいつも溶かさないで下さい!」
拗ねながらも、期待させる眼差しで君は言う。逆効果という言葉をいつか教えてあげたい。
困らせた分は困らせ返してたい。溶かさないでと言うなら、溶かしてしまいたい。
「すまないけど、今日は君にずっと触れていたい」
君に堕とされてから、触れたい衝動をずっと我慢してきた。君に焦がれた私の想いを君は知らない。
あの日、触れられなかった分と頬を掴んで口づける。あの日、堪えた分と髪に顔を埋めて耳朶を噛む。あの時、誤魔化した分と首筋を唇でなぞる。
どんなに君が顔を赤くしたとしても、今宵は一つ一つ二年分の衝動の続きを教える。
「君を愛しているよ」
遠くに聞こえる舞踏会の音楽が君の耳に届かぬ程、愛を囁いて触れ続ける。
本当はたった一人だった『君』への長い長い二人分の片思いが、今夜終わりを告げた。
―――――――
修正前の投稿をしてしまい、一時引き上げさせて頂きました。↑が修正後のものです。
アレックス視点での出会いと恋に気づくまでの回想シリーズは一応これで終わりです。まだ、書きたいアレックス視点はあるので、単発でまたできればいいなと思います。
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