とある便利屋の事件簿

板倉恭司

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草太、またしても襲撃される

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「おい便利屋、起きろ」

 誰かが、草太の体を揺さぶっている。いったい何事であろうか……眠い目をこすりながら、草太は体を起こした。
 すると、耳元で黒崎の声が聞こえてきた。

「便利屋、寝ている場合じゃないぞ。外に誰か来ている。それも、ひとりではなさそうだ。恐らく、二人はいる」

 その言葉を聞いた瞬間、草太の意識は一瞬にして覚醒した。辺りを見回すが、室内は暗いままだ。すぐ隣からは、ユリアの寝息が聞こえてきている。



 今日は、普段と変わらない一日であった。
 草太は外で仕事をし、黒崎とユリア時々カゲチヨの二人と一匹は事務所で留守番をしていた。たぶん二人は、テレビを観たり空手の稽古なんかをしていたのだろう。
 夕方には、いつも通りに美桜がユリアを風呂に入れるためにやって来た。草太と黒崎は外で買い物をして、ついでに怪しい者がいないかどうか事務所の周辺を見て回ったのだ。
 その時点では、何も異常は無かった……はずである。もともと事務所は三階建てのボロアパートの一室であり、他には貧乏家族と国籍不明の外国人が住んでいるだけだ。そもそも大家が取り壊そうとしていた場所に、草太たちが居座っているだけなのだが。
 それはともかく、本日もいつもと変わらぬ平穏な一日が過ぎていく……そう思っていた。しかし、草太の見込みは甘かったらしい。最後の最後に、こんなことになろうとは。



「どうやら、ここもバレたらしいな」

 黒崎の声が聞こえてくる中、草太は思わず顔をしかめた。どうすればいいのだろうか?

「いいか、いざとなったらお前はユリアを連れて逃げるんだ。まずは、現金やカードを持っておけ」

「おっちゃん、あんたはどうするんだ?」

 草太が聞き返すと、黒崎はドアの方を見つめながら口を開く。

「相手の出方次第だな。もし向こうが力ずくで来るなら、俺が体を張って食い止める。その隙に、お前はユリアを連れて逃げろ。いいか、いざとなったら、俺には構わずに行くんだ」

 落ち着いた様子で黒崎は言う。頼もしい言葉であった。今のこの状況で、黒崎以上に頼りになる者はいないだろう。草太は、静かに動いていく。現金やカードを手にして、再びユリアのそばに戻ってみた。
 ユリアはまだ、異変には気づかず眠っている。この状況では、むしろ眠っていてくれた方がありがたい。下手に起きて騒がれでもしたら、かえって面倒なことになるだろう。
 その時、黒崎の鋭い声が飛んだ。

「便利屋、来るぞ」

 直後、ガチャリという音がした。さらに、ドアが開かれる。鍵をかけておいたはずだが、侵入者にとっては大した意味を持たなかったらしい。
 足音を忍ばせ、ゆっくりと入って来る侵入者。その時、黒崎が叫んだ。

「便利屋! 明かりをつけろ!」

 その声に反応し、草太はすぐに明かりをつける。すると、事務所の中に二人の男がいた。急に明るくなったにもかかわらず、平然としている。どうやら、ただの泥棒ではないらしい。
 片方の男は、スーツ姿の白人である。身長は高く、がっしりした体格であるのはスーツの上からでも見て取れる。金髪をきちんと整えた髪型と知的な物腰は、欧米のエリートビジネスマンを連想させる。もっとも、その瞳にはエスキモーですら凍りつかせそうな冷たい光が宿っているが。
 もうひとりの方は、いかにも繁華街をうろついている不良外国人……という風貌の若い男である。こちらも白人であり、スキンヘッドで身長は高い。また、黒いTシャツの上半身は筋肉で盛り上がっていた。凶悪そうな目つきで、草太と黒崎を交互に見ている。

「貴様ら、何しに来た?」

 落ち着いた口調で、黒崎は尋ねた。二人を相手にしながら、動じている様子はない。それでも、彼の体内に火薬のごときエネルギーが充填されているのが分かる。
 いざ事が起きれば、黒崎は弾丸のような速さで動くだろう。

「あなたたちは、何か誤解されているのではないかな?」

 スーツ姿の白人の口から飛び出したのは、意外にも流暢な日本語であった。草太は意表を突かれ、困惑の表情を見せる。
 しかし、黒崎はこの事態をも予想していたらしい。不敵な笑みを浮かべる。

「誤解? 我々が、何を誤解していると言うのだ?」

「まずは、自己紹介させてもらおう。私の名はイワンだ。私たちは、ユリアに危害を加えるつもりはない。今すぐ、ユリアを引き渡してもらおう。でないと、君たちは非常に困った立場へと追い込まれることになるだろう」

「イワンさんとやら、俺の記憶が確かなら……あんたらは今、不法侵入という罪を犯している。犯罪に手を染めるような連中に、ユリアを渡す気にはなれないな。それに、俺たちは既に事情を知っている。ユリアに危害を加えるつもりは無いという言葉、信用は出来ないな」

 黒崎がそう言うと、もうひとりの若い白人が騒ぎ出した。黒崎を指差しながら、イワンに対し外国語でまくし立てる。イワンは外国語でなだめるように言い返すが、収まる気配がない。
 すると、黒崎は露骨に不快そうな表情を見せた。

「我々とまともな話し合いがしたいのなら、まずはその馬鹿者をどこかに連れて行ってくれないかな?」

 その言葉を聞いた瞬間、若者の表情が一変する。日本語は理解できなくとも、言葉の意味するところは理解したらしい。若者は黒崎に近づいて行き、人差し指を突き付けながら、口汚く罵り始める。
 すると、黒崎がニヤリと笑った。なだめるように、右手を挙げる。
 若者は、その右手の方を向いた。彼の意識は、一瞬ではあるが黒崎の右手にのみ向けられる。
 その瞬間、黒崎は動いた。左の下突きを、若者の腹に叩きこむ。
 黒崎の全体重をかけた拳は、若者の腹に突き刺さる。その衝撃は、肝臓にまで達したのだ。若者は呻き、腹を押さえ前屈みになる。
 だが、黒崎は止まらない。直後に若者の後頭部めがけ、気合いと共に稲妻のような速さの手刀を振り下ろす──
 その一撃で、若者は倒れこむ。黒崎の手刀が、意識を刈り取ったのだ。

「ほう、見事なものですな……それが、日本の武術・空手ですか」

 目の前で、巨体の若者が一瞬にして倒された……にもかかわらず、イワンの態度は全く変わっていない。彼を驚かせるには、もっと強烈なインパクトのある出来事が必要なようなだ。
 そんなことを思いながら、草太はじりじりと後退していく。事務所の居住スペースにはカーテンが引かれており、ユリアが眠っているはずだ。もっとも、先ほどからの話し声により目を覚ましているかもしれないが。
 とにかく今、話し合いは黒崎に任せる。自分は、ユリアのそばにいて彼女を不安にさせない……それが、今の草太に出来ることだ。

「空手を使えば、もっと面白いことも出来るぞ。あんたの体で試そうか?」

 黒崎の口調は淡々としている。チンピラに有りがちな、居丈高な態度で脅そうとする意思は微塵も感じられない。だが、彼の言葉が嘘ではないのは草太にも分かる。

「それは勘弁してもらいたいね。私も、まだ死にたくはない」

 答えるイワンの口調も、落ち着いたものだった。しかも、完璧な発音の日本語である。声だけ聞けば、日本人が喋っているとしか思えない。

「そうか。ならば一刻も早く、そこに寝ている馬鹿者を連れて退散してくれ。我々は、あんたと話すことは何もない。でないと、力ずくで叩き出す」

「まあ待ちたまえ。あなたは、この件で幾らもらったんだ?」

 イワンの言葉を聞き、草太は顔を歪めた。考えてみれば、この件が無事に片付いたからといって報酬が出るかどうかも分からない。もし黒崎が、金で転んでしまったら?
 いや、それは無いはずだ……そう信じたい。

 冷静な表情で、イワンはなおも言葉を続ける。

「私たちは、面倒なことは嫌いだ。金で済むなら取り引きしたい。あなた方は、幾ら払えばユリアを引き渡してくれるのだ?」

 イワンの言葉に、草太は固唾かたずを飲んで成り行きを見守る。万が一、黒崎が向こうに付いたら……自分たちは終わりだ。
 だが、当の黒崎は呆れたように首を振った。

「そこまで流暢に日本語を話せるだけの知性があるというのに……貴様は、何も分かっていないようだな」

「はい? あなたは何を言ってるんです?」

 訝しげ表情で、イワンは聞き返した。すると、黒崎は哀れむような視線を向ける。

「俺の空手は、力なき人を守るためのものだ。そのために、俺は今まで鍛練してきた。もし金が欲しいと願っていたなら、空手などとっくの昔に捨てていただろう。そして今ごろは、商人になっていたはずだ」

 そう言うと、黒崎はニヤリと笑った。

「俺は、今も空手家のつもりだ。もう一度言うぞ……俺の空手は、力なき人を暴力から守るためのものだ。命を捨てる覚悟など、既に出来ている。分かったら、そこで寝ている馬鹿者を連れて立ち去れ。でないと、貴様ら二人とも病院で目覚めることになるぞ」

 その言葉を聞いた瞬間、イワンの端正な顔は憤怒で歪んだ。彼は瞬時に、懐へと手を伸ばす──
 だが、黒崎も動いていた。イワンの手を自身の左手で掴み押さえつけ、さらに彼の体を力任せに壁に押し付ける。と同時に、黒崎の右手が放たれた。
 黒崎の右手の人差し指は、イワンの左目に触れるか触れないかの位置でピタリと止まっている──

「いいか、俺は指先ひとつで人を殺せる。この指をお前の目に突き刺せば、確実に目は潰れる。しかも、それだけでは終わらない。奥までねじ込めば脳にまで到達し、お前は死ぬ。さて、どうするんだ?」

 そう言うと、黒崎はイワンをじっと見つめる。だが、イワンは何も言えない。先ほどまでの自信に満ちた表情は消え失せ、顔は真っ青になっていた。今の黒崎の様子からして、冗談でもハッタリでもないのは明白だ。

「いいか、死にたくなければ言うことを聞け。イワン、お前は両手を挙げるんだ。そのまま、しばらく動かずにいろ……便利屋、こっちに来い」

 黒崎の冷静な声が、室内に響き渡る。すると、イワンはゆっくりと両手を挙げた。一方、草太は恐る恐る近づいて行き、黒崎の隣で止まる。

「便利屋、イワンが懐に隠している物を取れ。恐らく拳銃だろうから、扱いには注意しろ」

 その言葉に、草太は顔をしかめながらイワンに近づく。やりたくはないが、この状況ではやらないわけにもいかない。
 手を伸ばし、イワンの懐にそっと手を入れた。すると、何やら硬い物の感触がある。隠しポケットの中に、拳銃らしき物が入っていた。
 草太は恐々と、それを取り出す。テレビドラマや映画などに登場するものと違い、かなり小さいがズシリと重い。その重さは、紛れもなく本物の拳銃であることを主張していた。

「お、おっちゃん、ああ、あったよ……」

 草太は声を震わせながら、拳銃を取り出しテーブルの上に置いた。すると、黒崎は指を離す。

「さっさと、そこに寝ている馬鹿者を連れて引き上げろ。でないと、さらに痛い目に遭うことになるぞ」

 これだけのことをしておきながら、黒崎の口調は淡々としている。表情も、冷静そのものであった。草太など、緊張で心臓が飛び出しそうだと言うのに。
 改めて、黒崎のこれまで生きてきた世界の一端を、垣間見た気がした。



「このままで済むと思わないことですね。私たちを敵に回したことを、必ず後悔させますよ」

 そう言い残すと、イワンは若者を連れて立ち去って行った。
 だが、草太はそれどころではなかった。二人が去ると同時に、その場にへたりこんでしまったのだ。正直に言うなら、その場で眠りこんでしまいたい気分であった。
 だが、まだ眠ることは出来なかった。

「便利屋、まだだ。まだ終わっていない」

 へたりこむ草太に近づき、声をかける黒崎。

「おっちゃん……これから、どうすりゃあいい?」

 虚ろな表情で、草太は尋ねた。

「しっかりしろ。まずは、ここを離れるんだ。これだけでは終わらんぞ……奴らは、また来るはずだ。今回は、あくまで運が良かっただけだ」

 あくまで冷静な黒崎に、草太は苦笑しながら立ち上がる。この男は、いったい何者なのだろうか。昔は特殊部隊に所属しており、アクション俳優のスティーヴン・セガールに武術を教えた……などと聞かされても、今なら信じてしまうだろう。もっとも、セガールの方が黒崎より年上かもしれないが。

「そうだな。いやあ、おっちゃんがいてくれて助かったよ」

 言いながら、草太は仕切りのカーテンを開ける。すると、ユリアと目があった。やはり、彼女は起きていたのだ。不安そうな表情で草太を見つめる。
 その時、部屋の隅でガタリという音がした。と同時に、草太はビクリとして思わず飛び上がる。ユリアも、怯えた表情で草太にすがりついた。
 しかし、その音の主は……。

「なんだよ、カゲチヨじゃねえか」

 思わず苦笑しながら、座り込む草太。そこにいたのは、猫のカゲチヨであった。無邪気な表情で、にゃあと鳴きながらとことこ歩いて来る。
 ユリアは安堵した様子で、近寄って来るカゲチヨを撫でた。カゲチヨも喉をゴロゴロ鳴らしながら、ユリアに頬をすりつけていく。

「どうやら、カゲチヨもユリアを心配していたようだな」

 そう言って、黒崎が微笑む。ようやく笑顔を見せてくれた。これなら、今は安全なのだろう……と、草太はホッとした。
 だが、すぐに思い直す。先ほど黒崎が言ったように、このままでは済まないだろう。奴らは、またここに来る。
 となると、引っ越さなくてはならない。

「ユリア、この部屋を出て行くぞ。何か持っていく物はあるか?」

 草太の問いに、ユリアは辺りを見回した。
 ややあって、自分の着てきた服に着替え始める。一方、黒崎は淡々とした様子で荷物をまとめていた。もっとも、来た時からリュックひとつだったのだが。
 そんな二人を横目で見ながら、草太は現金やカードそして通帳といった物をポケットに突っ込む。
 さらに猫用のケースを取り出し、カゲチヨを中に入れた。こうなった以上、カゲチヨも置いてはいけない……そんなこと思いながら、ふとユリアの方を見る。
 ユリアは寂しげな表情で、事務所を見回していた。考えてみれば、彼女は本人すら知らぬうちに遺産相続に巻き込まれ、ロシアから日本に連れて来られた。
 その後は、中田と共に風呂も入れない状態であちこちを逃げ回り、銃撃戦に巻き込まれ……ようやく、この事務所で平和に暮らすことが出来ていたのだ。
 それなのに、またしても移動しなくてはならない。年端もいかぬ少女が、何故こんな目に遭わなくてはならないのか。
 草太はやりきれない気分になった。ユリアに近づき、優しく頭を撫でる。

「ユリア、大丈夫だからな。お前と母ちゃんとが、幸せに暮らせるようにしてやるから。でなきゃ、世の中あまりにも不公平すぎるだろうが……」

 言いながら、草太は唇を噛み締めた。腹が立って仕方ない。出来ることなら、テーブルの上にある拳銃を持ってロシアに乗り込み、ユリアの殺害を指示した連中を皆殺しにしてやりたい気分だ……。
 そんな物騒なことを考えていた草太だったが、黒崎にいきなり肩を叩かれる。

「便利屋、引っ越すあてはあるのか?」

「うーん、無いことも無い。ただ、あいつがうんと言ってくれるかどうかだな……」




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