兄がΩ 〜うっかり兄弟で番いましたが、今日も楽しく暮らしています。〜

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○検証してみましょう。

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 眠りかけのところを、着メロに起こされた。誓二せいじさんだ。着拒を解除したら、頻繁に掛けて来るようになった。ったく、しつけぇなぁ。
 年度の変り目辺りは、全然音沙汰がなかった。その時期って、弁護士は暇なんじゃなかったんか。俺の誕生日にさえメールの一つも寄越さなかった。別に、祝って欲しかった訳じゃない。ただ、ひとを本気で番にする気なら、最低限の義理は通せって話。
 余裕ぶっこいて放置してる間に、俺が番をみっけたから焦ってるのかもしれん。俺もナメられたもんだ。だが今更足掻かれても、番の契りはΩにとっては絶対で、一生に一度きり。しかもΩじぶんの意思で解くことは出来ない。仮に俺と知玄とものりを引き剥がすのに成功したとしても、誓二さんが俺と番になることは出来ないはずだ。「運命の番」なんて、どうせ迷信だし。
「お兄さん?」
 知玄の手が俺の腰を捕まえた。
「電話ですか。もしかして、今から出て来いって、誰かに誘われたとか?」
「ううん」
 今朝は早起きして出張だったから、夜八時をちょっと過ぎたころだけど、もう眠い。だから誰が呼ぼうが天変地異が起きようが、今夜は出ねえって。
 携帯は、電源を切って枕元に置いた。
「お休み」
 布団に潜り込んでまた目を閉じる。すると、背中の方で知玄がそわそわし始めた。腰の辺りになんか熱いものが当たる。
「お兄さぁん」
「なに、やりたいん?」
「はい、お恥ずかしながら……」
「しょうがねぇな。静かに、あとゴムだけはちゃんとしろよ」
 知玄が俺の中に入ってくる。俺を後ろから抱え込んで、ベッド横の壁に押し付けるようにする。俺は音をたてないように両手を壁に置く。
「大丈夫ですか、痛い?」
「平気……」
 俺を気遣いつつ、知玄は腰を動かし始める。ベッドをガタガタいわせないようにヤるのも、もはやお手の物って感じ。
 枕を並べて眠るだけでは満足出来なくなってから、けっこう経つ。こんな風に息をひそめつつすることも、日常の営みになりつつある。案外、親にはバレないもんだ。
 耳もとで知玄が熱い息を吐く。知玄はαだから、イッた後にも抜かずにしっかり繋がったたまま、長い時間くっついていたがる。それはまぁ、Ωおれとしても悪かねぇけど、急に突き上げてくるから油断ならない。驚いて壁に頭ぶつけたりとか、変な声を出したりとか、しないように気をつけないと。壁のすぐ向こうは階段だ。階段のとこは天井が高くて音がよく響くから。
 実のところ、この部屋の物音はどんだけ外に漏れるのか? って、した後に知玄に話したら、
「じゃあ検証してみましょう」
 階下したの便所に行きがてら確認してみるから、適当に物音を立ててくれという。俺は言い出しっぺの癖に眠すぎて面倒臭いと思いつつ、頃合いを見計らって壁をノックした。
 コンコン。
 すぐに返事があった。俺はコンコンコンコンコンと無駄に長い返事をした。すると、
『お母さん! そんなとこで何してるんですか?』
 え?
『なんかノックが聞こえて来たから返事してみたの』
 お袋だったんかい! ノリちゃんったら最近お兄ちゃんと仲いいじゃない? とかなんとか、お袋の声が丸聴こえ。ということは……?
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