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国名
しおりを挟むそして、授業が終わり、領に戻ってきたアインは、真剣に考えていた。
「う~ん。」
「アイン様、どうかしましたか?」
「いや、今日の授業で領地経営についてをやってきたんだけど、あまり良い評価じゃなくてね。」
「どんな内容だったのですか?」
「ああ、限られたお金を使って、どれだけ領地を良くできるかってないようだったんだけど…」
「あ~。それではアイン様には関係ないですね。」
「?何で?」
「アイン様、気づいていないのですか?今はあなたが世界で一番お金を持っているのですよ?そもそもアイン様にとってお金が足りないってことは無いのですから、アイン様とは無縁の話でしたね。」
「でも、万が一のために、こういうことはしっかりしておかなくてはと思ってね。」
「それでは聞きますが、お金が不足するとどんなことが困りますか?」
「え~と。まず、いろいろな建材の素材が買えなくなる。」
「アイン様の魔法で作れますね。」
「他にも、食料とか。」
「それもアイン様の魔法で無害で急速に育てることができますね。」
「海外との外交とかで…」
「そうですね。それにはお金がかかります。しかし、その外交以外でお金を使わないでも行けるのに、この国からお金がなくなることなんてあるのでしょうか?」
「確かに…」
「それに、今ではだんだんと金庫が増えてきて、使い切れないほどのお金があります。アイン様は節約よりも消費する方法を考えてください。」
「分かったよ。でも、僕にできることがあったらなんでも良いから言って来て。」
「分かりました。それでは1つお願いがあります。」
「何?」
「この国の名前を考えて欲しいのです。」
「確かに、名前が無いと不便だね。」
「はい。それにアイン様は向こうの大陸では多くの国と貿易をしています。そのため、国の名前は必要かと。」
「そうだね。僕もいつかは付けようと思っていたんだけど、なかなか名前が思い浮かばなくってね。」
「はい。それにこの名前が世界中に響き渡るのですから、慎重になるのも納得できます。」
「え?世界中に響き渡るのかな?」
「はい。すでにどの国からも目をつけられていますから。」
「そうだったんだ。」
「この国は大きく、力も強いですから。」
「う~ん。王国の名前か…」
「アイン様、ここは王国ではなく、帝国になります。」
「ああ、そうだったね。」
この世界では、多くの種族や国を取り込んだ国は帝国と呼ばれるようになっていた。
「それじゃあ、バルバロット帝国で良いかな?」
「分かりました。ちなみに何故この名前にしたのですか?」
「深い理由は無いよ。ただしっくりきただけだよ。」
「分かりました。それでは明日、全国放送でお願いしますね。」
「了解。」
こうして、やっとアインの国の名前が決まったのだった。
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