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領内放送
しおりを挟むアインが向かった施設とは、通信施設だった。
「アイン様、おかえりが早かったですね。」
「ああ、ちょっとやらなきゃ行けないものがあるしね。」
アインが帰ってきたことを察知して、エリがやってきた。
ちなみに、この施設は地下にあるので、アインの城のセンサーに引っかからないのだ。
「そうですか…それにしても、この機械を使ってなにをやるのですか?特に報告しなくては行けないことなんかないと思うのですが…」
「それは、前までの話でしょ?
最近この国の兵を使って、あることをしたじゃん。」
「確かにやりましたね。」
アインが言っている、やったこととは、この国の映像を他国に流すための装置の設置だった。
この装置を使えば、今アインの目の前にある機械に流す映像が、その装置の上空に向かって流されるのだ。
そして、アインは今、あの貴族の失態を全て写した映像を持っている。
だからこそ、アインはこの映像を利用しようと思ったのだ。
「アイン様、それで映像は?」
「ああ、それはここにある。」
そしてアインは、自分の持っている映像を機械の中に流した。
「よし、これでもいつでも流せるな。」
「それで、どの広さで流すのですか?」
流石に、国の全てに流すわけにもいかないので、アインは、どの範囲に流すかを決めなくてはならないのだ。
「どれくらい必要かな?」
「少なくとも、その貴族の領内と王都には必要でしょう。」
まず、その領内で、流すことによって、その貴族の信用を落とす。
そして、王都に流すことによって、一番人が集中している都市の人の信用を落とし、そして、王都にいる貴族にもアピールができるのだった。
だからこそ、必要最低限流さないといけないのは、この2都なのだ。
「一応、この2都以外にも流しておきますか?」
「そうだね。
もしも、今回のことで、この領内から逃げ出した人がいたとして、他の都市にこのことが知られていなければ、簡単には受け入れてもらえないだろうしね。」
そういうことで、今回はその領地の周りの領にも放送をすることにした。
「よし、それじゃあ、流そうか。」
そしてアインはお昼の時間の後になり、人が一番外になるような時間になってから、映像を流し始めた。
「さて、どうなるか…」
一方、あの貴族の領内では…
「た、大変です!」
「何なんだ。騒々しいな。」
「領内のいたるところの空中になぞの映像が発生!
領民は皆。それを見て、驚いています。」
「空中に映像だと?そんなもん出来る訳ないじゃないか。」
この貴族は、そんな技術がないと言い切って、その話を信じなかったのである。
「せ、攻めて外に出てもらえれば…」
「私は忙しいのだ!朝から私をいらいらさせてくるやからもいたのだから、今日の私は機嫌が悪いのだ!
それ以上言うなら、首にするぞ!」
こういって、まったく兵の話を信じなかったのである。
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