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商人?問題はないな。
しおりを挟むあれから、結局なぞの影は見つからず、数時間後に、捜索中止の令が出た。
「何なのだ!今日はいろいろ!」
この報告はもちろん、領主にも伝わっている。
朝から、嫌なニュースばかりが飛び込んできていたので、もちろん領主が怒るのもしょうがなかった。
しかし、まだ、最悪の報告はされておらず、それどころか、何も無いような報告だった。
「しかし、何の目的だったのか分かりませんが、例のなぞの影は、何も盗んでいかなかったようです。」
元々は、1人の魔法による幻影なので、何かが盗まれる訳がないのだが、そんな事を知らない彼らには、まだ、何も盗まれなかったので良かったと考えていた。
そんな彼らが、街の以上に気がつくのには時間がかかった。
なぜなら、すでに、買い物に出ている人は少なくなってきている。
なので、街の商店が結構多く減っていることにまだ兵たちは気がついていないのだ。
しかし、それもその日のうちのみだった…
次の日…
「なんか…街の様子がおかしい。」
そんなことに気がついたのは、寮に泊まっていた兵だった。
「しかし、何も無いな…」
街に大きな変化は見られない。
それは、商人たちはいなくなったが、店まで無くなった訳ではない。
つまり、一生営業されない店が街にあふれかえっているのだ。
そして、この変化は、まだ大々的には気がつかれていないのだ。
しかし、1日で変化に気がつく人たちもいる。そんな中何日も隠し続けることは出来ないだろう。
そして、自体が急変したのはそれから3日後だった。
「何だと?街の人口が減った?」
「ええ、まぁ、全体から見れば結構少ない人数ですが、それでもこの街から何人も消えています。」
「何なのだ!最近は良いニュースをまったく聞かんではないか!」
「それでも、少数人しかいなくなっていませんし、大丈夫ですよ。」
そんなことは無かった。
確かに、この街の人口に対して、今回の剣で逃げ出した人数は少ないだろう。
しかし、今回の作戦で逃げ出した人たちの役職はそんなに簡単に代用できるようなものではなかった。
農家などは良い。
言ってしまえば、誰でも農家は出来るのだ。
しかし、冒険者や商人などは、その方面に才能を持っている人でないと、出来ないので、そんなに簡単に代用できないのだ。
しかし、そんなにことに気がついていない上位陣は、求人募集を多くすれば良いだろうと思って、早速求人のための金を用意するようにした。
「今回の求人では、農家だけで良いですかね?」
「そうだな。何人か商人がいなくなったらしいが、私の領には彼らがいるのだ!」
それは、前に言っていた、この領に多額の税を落として行ってくれる代わりに、他の商店に比べて比較的良い立地に作らせてもらった、大きな商店だった。
「確かに今までも彼らだけで回せましたしね。
まぁ、さすがに領内にいる商店を無下には出来ないので、今まではいろいろ店を作る許可を出していたが、今回の件で商店を制限してみても良いですね。」
そういって、商人の問題はないという結論になった。
本当の問題は、その商人関係にあるというのに…
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