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情報収集
しおりを挟む商人はさっそく動こうとしたが、何をすればいいのかがわからなかった。
「さて、何をしようか。」
「そうですね。今回の件に関しては、我々も本気でやっていくことになりましたが、それでも特に何をしたらいいかなどは決まっていませんでしたね。」
「ああ、それに、何をすればいいのかもわからん。それに、婚約相手のこともしっかりと検索しておかなくては…」
「ああ、そうだな。」
しかし、アインのことは、そう簡単に調べることが出来ない。
それもそのはず、アインは一国のトップだ。
そんなに簡単に調べられては困る。
それに、アインに関しては、自分の情報は基本的に与えたい人にだけ与えている。
実際、今回のこの件でも、心を折りたい貴族には、比較的簡単に情報が集まるようにしていた。
それでも、貴族基準での情報収集だ。
ただの商人が、貴族以上に情報収集があるようには思えないし、それに、冒険者ギルドだったら、アインが冒険者をやっていた頃を知っている人がいたり、アインの国に実際に行っている人も多くいるだろう。
しかし、商売ギルドとしてのアインの認識は、基本的に他国への進出を中心として、大成功を収めた大商人という考えなので、本人が一国の殴打炉言うところまでは調べていないのだ。
それでも、彼は情報を集めるしかなかった。
何事も最初は情報収集。
そして、行動だ。
そう思っている彼は、情報収集からすることにした。
そして、商人である彼が、頼れるのは今までに結構友好的にしてきた貴族か、もしくはさっき言った商売ギルドだ。
しかし、貴族に関しては、なかなか口を割らないことも知っていたので、最初から商売ギルドのほうで情報を仕入れることにした。
「すまないが、最近、リリス姫との結婚を発表したものについて知らないか?」
「あ、カイゼルさん。
今日はなんか変わった話題ですね。」
「ああ、私はこの国で商売しているのでな、さすがにこの国のトップについては知っておきたいのだ。」
「確かにそうですね。リリス姫と結婚すれば、多少なりとも王位継承権は出来るのですから。」
「ああ、その点で、今回の結婚についてを調べてみることにしたのだ。」
カイゼルには息子もいる。
今はまだ、結婚するような都市ではないが、それはリリスも一緒だった。
リリスももちろんこの世界では成人なのだが、それにしたって早過ぎる。
だからこそ、自分の息子と結婚させようとしているのだ。
「それにしても、結婚相手の情報ですか…まぁ、ありますよ。」
「ほ、本当か!?」
正直、婚約者の名前すら調べていない彼にとっては、どんな情報でも新鮮な情報だったのだ。
「それでは依頼として出させてもらおう。
金は出すから、その結婚相手のことについての詳細を知っているものを紹介して欲しい。」
「カイゼルさんが自分から依頼を出すなんて珍しいですね。」
基本的に、商売ギルドの依頼というのは、体を動かすものは殆ど無い。
その代わり、ここで取引されるのは、情報や、商品だ。
そして、彼は情報の依頼を出したのである。
「そうか?今までも情報に関しては、何回か依頼を出しているのだが…」
「それもそうですね。
それでは、早速依頼を出しておきますね。」
そして、その依頼は受理されたのだった。
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