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2話 おい、そこのお前! 一億年間修業して流れる時の長さは大体一億年くらいだ!!
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「一億年間修業します!」
真っ白な世界に女神の声が響き渡った。
どういうわけか、彼女の顔と口調は自信に溢れている。
きっと、自分の発案に対して反対意見がでないとでも思っているのだろう。
だが、それは間違っている。
一億年間の修行なんて誰が好き好んでやるか。
少なくとも俺は嫌だ。
現に、サタンとサンタは身体を震わせている。
おそらく、女神のバカげた提案に怒りを覚えたに違いない。
「――ほう、いい案だな」
「うむ。我も賛同だ」
そうでもなかった。
二人とも俄然やる気だった。
「いや、待ってくれよ。一億年って意味わからないぞ。それだと異世界も一億年経つだろ?」
流石に黙ってはいられないと唯一の反論をしてみる。
俺の言葉を聞いて、女神は何かを考えるように顔を顰めた。
そして納得いく回答でも思いついたのか、彼女は笑顔で口を開いた。
「大丈夫! 実際に一億年間も修行するわけじゃないから」
「どういう意味だ?」
女神の言葉の意味がよく分からない。
一億年間修行するけど、実際にはしない?
「そういうことか。要するにあそこを使うってわけか?」
「ふむ。なるほど。あの部屋なら時間の流れが違うからな」
時間の流が違う? あの部屋? どういうことだってばよ。
というかこの二人は知っている風な言い方だけど俺だけ知らない感じか?
「な、なあ……三人の話が全く分からないんだけど」
「ああ、大丈夫。私もあの二人の話よく分からないから」
じゃあ、なんだったんだよ!
あの二人の思わせぶりな会話は何だったんだ!
「まあ、極端に言ったらこの世界とこれから行く世界は時間の流れが違うのよ」
「そうなのか? それってどれくらい違うんだ?」
女神の提案から察するに一億年が異世界では一秒とかだろうか?
「こっちの一億年間が向うでは一億一年よ」
「じゃあ、意味ねえじゃねええええか!」
しかも、微妙にこっちの方が遅いし!
「あと、私の予想だと一億年経つと魔王はもう死んでいるわ」
「一億年後俺達が転移する意味ないよねそれ! だって魔王死んでるもん! もう既にお亡くなりになってるもん!」
「まあ、待てカンタ殿。それに女神殿」
見れば神妙な顔つきのサンタが俺達を見据えていた。
「一億年間修業するなら、吾輩とサタン殿がいい場所を知っている」
吾輩? え? サンタの一人称って吾輩なの?
「いい場所? それはどこのことかしら?」
「――魂と時間の部屋という所だ」
いや、それ聞いたことあるぞ。
似たような名前の部屋聞いたことがあるぞ!
「実際に吾輩はクリスマス以外はその部屋で過ごしている」
なるほど……!
その部屋で修行することでサンタは世界中の子供達にプレゼントを配れるほどの速さを手に入れ――。
「その部屋は外の一億年が大体百年で過ぎ去っていく」
「だからそれ意味ねぇええええよ!」
なんで外の一億年は正確に過ぎ去るんだよ! せめて逆にしろよ。
あと、この話が本当ならこいつほとんど引きこもりだよ!
一億年に数回しか外出てねーよ!
「ちょっと、貴方真面目に言っているの? 外で一億年過ぎたら意味ないでしょうが!」
お前が言うなよ。まず最初に言ったのはお前だろうが!
「……ごめんなさい」
ほら、見ろ。サンタがシュンとしちゃったじゃないか。
明らかに落ち込んだよ。だって指弄り始めたもん。
小さい子供がいじけた時にやる奴だよ。
「まあ、待て。我にいい案がある」
「いい案? あの、もう一億年の下りは止めてね? もうお腹いっぱいだから」
「いや、一億年間修業して尚且つ外界の時間はそのまま、というならいい方法がある」
サタンの言葉は変に自信があるが、果たして信用できるのか?
はやくも女神とサンタが馬鹿だと理解した手前、正味期待はできないが。
「そのいい案ってなにかしら?」
「うむ。我の停止魔法で外界の時を止める。というのはどうだ?」
……はい?
「正確には、その異世界とやらの時を停止させ、尚且我々の肉体的時間も止める。それにより、一億年間修業しても外界の時は変化せず我々も衰えることはない」
……彼が何を言っているのかは分からない。
だが、とりあえずもうサタンだけでよくね?
真っ白な世界に女神の声が響き渡った。
どういうわけか、彼女の顔と口調は自信に溢れている。
きっと、自分の発案に対して反対意見がでないとでも思っているのだろう。
だが、それは間違っている。
一億年間の修行なんて誰が好き好んでやるか。
少なくとも俺は嫌だ。
現に、サタンとサンタは身体を震わせている。
おそらく、女神のバカげた提案に怒りを覚えたに違いない。
「――ほう、いい案だな」
「うむ。我も賛同だ」
そうでもなかった。
二人とも俄然やる気だった。
「いや、待ってくれよ。一億年って意味わからないぞ。それだと異世界も一億年経つだろ?」
流石に黙ってはいられないと唯一の反論をしてみる。
俺の言葉を聞いて、女神は何かを考えるように顔を顰めた。
そして納得いく回答でも思いついたのか、彼女は笑顔で口を開いた。
「大丈夫! 実際に一億年間も修行するわけじゃないから」
「どういう意味だ?」
女神の言葉の意味がよく分からない。
一億年間修行するけど、実際にはしない?
「そういうことか。要するにあそこを使うってわけか?」
「ふむ。なるほど。あの部屋なら時間の流れが違うからな」
時間の流が違う? あの部屋? どういうことだってばよ。
というかこの二人は知っている風な言い方だけど俺だけ知らない感じか?
「な、なあ……三人の話が全く分からないんだけど」
「ああ、大丈夫。私もあの二人の話よく分からないから」
じゃあ、なんだったんだよ!
あの二人の思わせぶりな会話は何だったんだ!
「まあ、極端に言ったらこの世界とこれから行く世界は時間の流れが違うのよ」
「そうなのか? それってどれくらい違うんだ?」
女神の提案から察するに一億年が異世界では一秒とかだろうか?
「こっちの一億年間が向うでは一億一年よ」
「じゃあ、意味ねえじゃねええええか!」
しかも、微妙にこっちの方が遅いし!
「あと、私の予想だと一億年経つと魔王はもう死んでいるわ」
「一億年後俺達が転移する意味ないよねそれ! だって魔王死んでるもん! もう既にお亡くなりになってるもん!」
「まあ、待てカンタ殿。それに女神殿」
見れば神妙な顔つきのサンタが俺達を見据えていた。
「一億年間修業するなら、吾輩とサタン殿がいい場所を知っている」
吾輩? え? サンタの一人称って吾輩なの?
「いい場所? それはどこのことかしら?」
「――魂と時間の部屋という所だ」
いや、それ聞いたことあるぞ。
似たような名前の部屋聞いたことがあるぞ!
「実際に吾輩はクリスマス以外はその部屋で過ごしている」
なるほど……!
その部屋で修行することでサンタは世界中の子供達にプレゼントを配れるほどの速さを手に入れ――。
「その部屋は外の一億年が大体百年で過ぎ去っていく」
「だからそれ意味ねぇええええよ!」
なんで外の一億年は正確に過ぎ去るんだよ! せめて逆にしろよ。
あと、この話が本当ならこいつほとんど引きこもりだよ!
一億年に数回しか外出てねーよ!
「ちょっと、貴方真面目に言っているの? 外で一億年過ぎたら意味ないでしょうが!」
お前が言うなよ。まず最初に言ったのはお前だろうが!
「……ごめんなさい」
ほら、見ろ。サンタがシュンとしちゃったじゃないか。
明らかに落ち込んだよ。だって指弄り始めたもん。
小さい子供がいじけた時にやる奴だよ。
「まあ、待て。我にいい案がある」
「いい案? あの、もう一億年の下りは止めてね? もうお腹いっぱいだから」
「いや、一億年間修業して尚且つ外界の時間はそのまま、というならいい方法がある」
サタンの言葉は変に自信があるが、果たして信用できるのか?
はやくも女神とサンタが馬鹿だと理解した手前、正味期待はできないが。
「そのいい案ってなにかしら?」
「うむ。我の停止魔法で外界の時を止める。というのはどうだ?」
……はい?
「正確には、その異世界とやらの時を停止させ、尚且我々の肉体的時間も止める。それにより、一億年間修業しても外界の時は変化せず我々も衰えることはない」
……彼が何を言っているのかは分からない。
だが、とりあえずもうサタンだけでよくね?
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