33 / 175
開拓編
33.持ち物の棚卸しをする
しおりを挟む
里の原形は出来た。
多少落ち着いたので、今日は持ち物の棚卸しをすることにする。前々から気になってはいたのだ。
何を持ち込めたのかも大事だが、そもそもこの世界で使えないものや不要なものを、後生大事に飾っておいても仕方ない。
「黒は収納されているものを一旦広場に出してくれ。他の皆で、タンスや棚の中身を外に運ぼう。俺が台帳に書くから、青は仕分けの手伝いをしてくれ」
そう言うと、皆が動き出す。
台所から始めたようだ。
調理器具が続々と運ばれてくる。
電気炊飯器 ×
電子レンジ ×
オーブントースター ×
冷蔵庫 ×
テフロン加工されたフライパンや鍋
各種皿や茶碗、丼、ヤカン、
包丁、まな板、ピーラー、餅焼き網
蒸し器、おろし金、すりこぎとすり鉢
調理器具はこれぐらいか。
次は食材コーナーだ。
味噌、醤油、砂糖、塩、
味醂みりん、調理酒、
唐辛子、塩胡椒、胡椒、
和風出汁の素、
マヨネーズ、ケチャップ、麺つゆ、
梅干し、練りわさび、おろし生姜、
精米した米、麦、雑穀、
レトルトカレー、袋ラーメンやカップ麺、
乾麺のうどんと蕎麦、素麺、餅、
ポテトチップスやチョコレート、飴、
チョコバーとシリアル、
ミネラルウォーターのペットボトル、
どんな食生活を送っていたかが如実に現れる。
次は居間として使っていた囲炉裏の間。
テレビ ×
座布団
土間にあったサンダル
……そういえば囲炉裏の周りには何も置いておかないようにしていた。
次は自室だ。
ノートパソコン ×
プリンター ×
テレビ ×
HDDレコーダー ×
PS4 ×
灯油ファンヒーター ×
通帳 ×
印鑑
ベッド
毛布が2枚、枕、クッション
服や下着が一通り。紅と白、小夜が興味津々だ。
雑誌、漫画、各種ライトノベル、
文房具セットと未使用の大学ノート、
教科書類は化学工学と生物化学系に偏っているが、高校や大学でのテキストは揃っている。
猟銃、散弾銃、空気銃がそれぞれ一丁、
狩猟刀、小刀、渓流刀、
弾薬箱と弾薬、鍵は首に下げたままだ。
次はじいさんの部屋だ。
じいさんが亡くなって遺品整理をした後は、特に立ち入ることもなかったが…
日本刀の大小、木刀、長弓と競技用の矢、
写真入りの日本史、郷土史、各種図鑑、
紅が日本刀を、白が長弓を持って、何か唸っている。
青が日本史を、小夜が漫画を開いて動きが止まっている。黒が気になるし、一旦休憩にしよう。
黒はというと…家の北側に納屋を出現させていた。
軒下には玉ねぎとニンニク、唐辛子がぶら下がったままだ。
重い引き戸を開けると、中には黒い軽四輪駆動車と白い軽トラ、コンバイン、耕運機が鎮座している。ガソリンと軽油のドラム缶が1本ずつ、灯油のポリタンクが満タンで2つ。それぞれハンドポンプごと置いてある。
発電機、脱穀機、精米機、エンジン式草刈り機、鎌やシャベル、鋤と鍬などの農作業具もそのままだ。
農作業具の奥には、石臼と餅つき用の臼と杵。
30kg入りの玄米の紙袋が2つ、
ヒノヒカリと餅米の種籾が20kg、
じゃがいもとサツマイモ、里芋と生姜の木箱がそれぞれ1つずつ。
置いてあった種は、大根、ニンジン、ネギ、玉ねぎ、トウモロコシ、オクラ、大豆、菜種など。
綿花が種ごと見つかった。椿と茶の種子もある。
そして、古い鳥の餌は麻の実や雑穀の種子だ。
ニワトリの餌も見つかった。
納屋の壁沿いにはフライフィッシングや渓流釣りの道具一式に括り罠や箱罠などの狩猟道具、と……見慣れない段ボール箱。
こちらに来る直前に宅配業者さんが届けてくれたようだ。
納屋の隣にはニワトリ小屋があり、飼っていた鶏とウズラがそのまま元気に活動していた。まさか動物まで持ち込んでいるとは……
はかた地どり。軍鶏しゃもと白色プリマロックの混血種だ。茶色っぽい白色の、多少大柄な品種。
ウズラはごく普通の茶色のウズラ。卵を道の駅に卸していた。
納屋の入り口の段ボール箱は、通販で取り寄せた養蚕セットだった。繭が道の駅で売れると聞き、軽い気持ちでポチったものだ。家の裏の畑に桑の木があるのは
知っていた。
急いで箱を開け、セットに入っていた桑の葉飼料をカイコに与える。いい食べっぷりだ。
将来的には養蚕も事業にできるかもしれない。
当面の間は、納屋の動力機械は封印することにしよう。俺にしか使い方がわからないし、万が一故障でもしたら修理できないかもしれない。
生き物の飼育係には小夜を任命する。
いつになくキラキラした目で鶏やウズラを見ていたから、適任だろう。
とりあえずキリもいいところだし、昼食にする。
皆のリクエストを聞いたところ、真っ先に手を挙げたのは白と小夜だった。
『タケル兄さんの世界の食べ物がいい!』
はいはい……ハモらなくていいからね。
結局カップ麺になった。
ヤカンで湯を沸かし、それぞれが選んだカップ麺に注いでいく。
青は肉うどん、紅はキムチラーメン、白は豚骨ラーメン、小夜はチキンラーメン、どうやら卵も持ってきたようだ。そして黒はカレーうどん。パッケージが黒かったからだろう。
俺はカップ焼そばにした。
6人で車座になってカップ麺を食べる…なかなかシュールな光景だ。じきに回し食べが始まった。やはり他人が食べているものは気になるものだ。
「肉うどんの甘い味もいいですが、カレーうどんの刺激も癖になりそう」とは青の感想。
「キムチラーメンの刺すような刺激が1番だな!」これは紅の意見。
「卵が優しい味で美味しい…」小夜はチキンラーメンを気に入ったようだ。
白と黒は豚骨ラーメンと俺のカップ焼そばを交互に食べている。
「もう一押し何か足りない…」
はいはい…からしマヨネーズね…
多少落ち着いたので、今日は持ち物の棚卸しをすることにする。前々から気になってはいたのだ。
何を持ち込めたのかも大事だが、そもそもこの世界で使えないものや不要なものを、後生大事に飾っておいても仕方ない。
「黒は収納されているものを一旦広場に出してくれ。他の皆で、タンスや棚の中身を外に運ぼう。俺が台帳に書くから、青は仕分けの手伝いをしてくれ」
そう言うと、皆が動き出す。
台所から始めたようだ。
調理器具が続々と運ばれてくる。
電気炊飯器 ×
電子レンジ ×
オーブントースター ×
冷蔵庫 ×
テフロン加工されたフライパンや鍋
各種皿や茶碗、丼、ヤカン、
包丁、まな板、ピーラー、餅焼き網
蒸し器、おろし金、すりこぎとすり鉢
調理器具はこれぐらいか。
次は食材コーナーだ。
味噌、醤油、砂糖、塩、
味醂みりん、調理酒、
唐辛子、塩胡椒、胡椒、
和風出汁の素、
マヨネーズ、ケチャップ、麺つゆ、
梅干し、練りわさび、おろし生姜、
精米した米、麦、雑穀、
レトルトカレー、袋ラーメンやカップ麺、
乾麺のうどんと蕎麦、素麺、餅、
ポテトチップスやチョコレート、飴、
チョコバーとシリアル、
ミネラルウォーターのペットボトル、
どんな食生活を送っていたかが如実に現れる。
次は居間として使っていた囲炉裏の間。
テレビ ×
座布団
土間にあったサンダル
……そういえば囲炉裏の周りには何も置いておかないようにしていた。
次は自室だ。
ノートパソコン ×
プリンター ×
テレビ ×
HDDレコーダー ×
PS4 ×
灯油ファンヒーター ×
通帳 ×
印鑑
ベッド
毛布が2枚、枕、クッション
服や下着が一通り。紅と白、小夜が興味津々だ。
雑誌、漫画、各種ライトノベル、
文房具セットと未使用の大学ノート、
教科書類は化学工学と生物化学系に偏っているが、高校や大学でのテキストは揃っている。
猟銃、散弾銃、空気銃がそれぞれ一丁、
狩猟刀、小刀、渓流刀、
弾薬箱と弾薬、鍵は首に下げたままだ。
次はじいさんの部屋だ。
じいさんが亡くなって遺品整理をした後は、特に立ち入ることもなかったが…
日本刀の大小、木刀、長弓と競技用の矢、
写真入りの日本史、郷土史、各種図鑑、
紅が日本刀を、白が長弓を持って、何か唸っている。
青が日本史を、小夜が漫画を開いて動きが止まっている。黒が気になるし、一旦休憩にしよう。
黒はというと…家の北側に納屋を出現させていた。
軒下には玉ねぎとニンニク、唐辛子がぶら下がったままだ。
重い引き戸を開けると、中には黒い軽四輪駆動車と白い軽トラ、コンバイン、耕運機が鎮座している。ガソリンと軽油のドラム缶が1本ずつ、灯油のポリタンクが満タンで2つ。それぞれハンドポンプごと置いてある。
発電機、脱穀機、精米機、エンジン式草刈り機、鎌やシャベル、鋤と鍬などの農作業具もそのままだ。
農作業具の奥には、石臼と餅つき用の臼と杵。
30kg入りの玄米の紙袋が2つ、
ヒノヒカリと餅米の種籾が20kg、
じゃがいもとサツマイモ、里芋と生姜の木箱がそれぞれ1つずつ。
置いてあった種は、大根、ニンジン、ネギ、玉ねぎ、トウモロコシ、オクラ、大豆、菜種など。
綿花が種ごと見つかった。椿と茶の種子もある。
そして、古い鳥の餌は麻の実や雑穀の種子だ。
ニワトリの餌も見つかった。
納屋の壁沿いにはフライフィッシングや渓流釣りの道具一式に括り罠や箱罠などの狩猟道具、と……見慣れない段ボール箱。
こちらに来る直前に宅配業者さんが届けてくれたようだ。
納屋の隣にはニワトリ小屋があり、飼っていた鶏とウズラがそのまま元気に活動していた。まさか動物まで持ち込んでいるとは……
はかた地どり。軍鶏しゃもと白色プリマロックの混血種だ。茶色っぽい白色の、多少大柄な品種。
ウズラはごく普通の茶色のウズラ。卵を道の駅に卸していた。
納屋の入り口の段ボール箱は、通販で取り寄せた養蚕セットだった。繭が道の駅で売れると聞き、軽い気持ちでポチったものだ。家の裏の畑に桑の木があるのは
知っていた。
急いで箱を開け、セットに入っていた桑の葉飼料をカイコに与える。いい食べっぷりだ。
将来的には養蚕も事業にできるかもしれない。
当面の間は、納屋の動力機械は封印することにしよう。俺にしか使い方がわからないし、万が一故障でもしたら修理できないかもしれない。
生き物の飼育係には小夜を任命する。
いつになくキラキラした目で鶏やウズラを見ていたから、適任だろう。
とりあえずキリもいいところだし、昼食にする。
皆のリクエストを聞いたところ、真っ先に手を挙げたのは白と小夜だった。
『タケル兄さんの世界の食べ物がいい!』
はいはい……ハモらなくていいからね。
結局カップ麺になった。
ヤカンで湯を沸かし、それぞれが選んだカップ麺に注いでいく。
青は肉うどん、紅はキムチラーメン、白は豚骨ラーメン、小夜はチキンラーメン、どうやら卵も持ってきたようだ。そして黒はカレーうどん。パッケージが黒かったからだろう。
俺はカップ焼そばにした。
6人で車座になってカップ麺を食べる…なかなかシュールな光景だ。じきに回し食べが始まった。やはり他人が食べているものは気になるものだ。
「肉うどんの甘い味もいいですが、カレーうどんの刺激も癖になりそう」とは青の感想。
「キムチラーメンの刺すような刺激が1番だな!」これは紅の意見。
「卵が優しい味で美味しい…」小夜はチキンラーメンを気に入ったようだ。
白と黒は豚骨ラーメンと俺のカップ焼そばを交互に食べている。
「もう一押し何か足りない…」
はいはい…からしマヨネーズね…
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
235
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる