転生したので好きに生きよう!

ゆっけ

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第一章ヒューマニ王国編

私を世話する侍女は家庭教師です

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 三時間位どピンク部屋に放置されていた私は暇なので赤ちゃんである体がどれ位柔らかいかを実験していた。足を顔まで持ち上げる動作を苦労する事なく出来た。

 無邪気な赤ちゃんが自分の足を口に含むのを見た事があるけど今の私ならなんなく出来そう。

 あまりの柔軟さに感心しているとロナルドさんが用意してくれた侍女らしき人が入室して来た。

 入って来た侍女はダークブラウンの髪をひっつめて頭の後ろでお団子にし、鋭く鋭角なフレームの紐付き眼鏡で覆った同色の瞳の厳しそうな女性だった。

「ロッテンマイラと申します。本日付で貴女の侍女に任命されました」

 惜しい。惜しいよ。某アニメの某キャラクターの名前に似ているよ。侍女って言うわりには家庭教師みたいな雰囲気の女性。よく見ると御仕着せではなく、詰襟のお堅そうな服装をしている。

 着る人が着れば禁欲的だと言われるようなそんな服を着た厳しそうな表情の人。これやっぱり家庭教師じゃない?

 と思っていると案の定、彼女は片脇に抱えていた分厚い本を開くと朗読し始めた。

 わあ、絵本の読み聞かせにしては内容が小難しい。って、やっぱり家庭教師でしょ。ロナルドさん、侍女じゃなくて家庭教師宛がってどうするの。

「良いですか。ヒューマニ王国国民こそが女神様によって作られた崇高な存在なのです。他の種族は私達人間の劣化した生き物なのです。貴女も所詮紛い物なのです。そんな貴方の世話をさせられる私を憐れに思うならば、我が儘やぐずったりせず良い子でいるのです。良いですね」

 そして、この女性は人間種至上主義の考えに凝り固まった人だった。そんな考えを押し付けられて良い迷惑なんだけど?



 毎日毎日、やれ人間は素晴らしいだとか、やれ人間が女神にどれだけ寵愛されているか、だとかを私に吹き込む。

 これはロナルドさんの意思によるものかな?私から人に対しての牙と爪をいでおきたいって事かな?今から洗脳しておけば、将来人間に敵対できないようにって。

 まあ、生憎と私はちゃんと意識があるから洗脳できないけどね。それでも色々と情報を得られるのは有難い。ただ、人間讃歌がほとんどだけどね。割合にして称賛八割と情報二割って所かな。

 後、この人赤ちゃんに対して反抗するなとか泣くなとか言ってるけど普通の赤ちゃんに対しては無理な注文だからね。

 ロッテンマイラさんが本の朗読中は殆どを聞き流しながらどピンクのベビーベッドの中で運動する。『いつ如何なる時も前もって準備する』これ大事。起こってからでは遅いのだ。

 決して逃げ出す為の運動ではない。運動不足気味だからね。このままじゃコロコロになっちゃうからね。

 後、時折ロッテンマイラさんが暴力を振るうんだよね。抓ったり、ちょっと叩いたりと地味で軽微なもの。どうやら竜人の加護は命の危機に近い状況じゃないと発動しない模様。

 加護が発動しないし、私も反応しないからロッテンマイラさんのストレスの捌け口になってるんだよね。誰も気付かないからって頻繁にやられるけど、虐待だからね?

 以前のベネッタさんに叩き落とされたのは割りと危機だよね。竜人の強い体じゃないと普通大怪我だしね。あ、あの時のは落とされてビックリしたけど特には痛くなかった。流石、竜人クオリティとしか言いようがないね。

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